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戦国男士 第26話 最終回 飛龍 乗雲 あらすじ ネタバレ [戦国男士]

戦国男士 第26話 最終回 飛龍★乗雲

「まさむね・・・・」
伊達成実(平野良)が黒鎧を身に着けた
伊達正宗(滝口幸広)の姿を見て言葉を漏らした。

黒鎧を装着すると、過去の意識は薄れ その魂までも持ち主の物になる。

“乱世には、真正顕現者が世界を救う”
言い伝えのとおり、正宗は黒鎧となり世界を再構築する。

それは徳川家康(田中康寛)の手足となって動くことだった。
厳密に言えば、“家康の”というよりも、黒鎧は主のために動く。
今の主が家康なだけだ。

だが、誰よりも黒鎧のことを知り尽くした男だと言える。


10年前、第六天魔会は古文書を見つけた。
その古文書を元に、織田信長が黒鎧を復活させる。

黒鎧を身に着けるのに必要な真正顕現者、伊達正宗を使うためと、
伝説を自分の手で実現させるために、黒鎧を家康はさらに進化させた。


黒鎧を装着したぐらいでは洗脳されない。
片倉小十郎(内田譲)はそう考えていた。
だが、正宗と黒鎧は融合しようとしている。

真正顕現者が鎧を着けた以上、仮正顕現者は必要が無くなった。
「ハエは、始末する。」

家康は帽子を脱ぎ捨て、顕現を始める。
嘩紋は特殊で、歌舞伎の隈取りのようだ。


小十郎と成実は左右から同時に家康に殴りかかる。
家康は動きを読んでいるかのように、2人の腕を弾き返し、
そのまま喉元を掴みあげる。

やられるがままで、手も足も出ない。家康の顕現の力はハンパなかった。
飛び蹴りをしながら真田幸村(橋本淳)が応戦する。

「君は、旭日たちが作った仮正顕現者の中でも、最強の顕現者だ!
僕の次にね。」
家康は真田に自分の力が上だと誇示する。

「はぁ?僕は秀吉おじさんや、上杉のおじさんに育ててもらった覚えはあっても、
誰かに強くして、もらった覚えはないけど。」
腹立ちを感じながら真田は、今一度家康に飛び蹴りを仕掛ける。

そこからケンカが始まるが、力にはやはり「差」があった。
これまで戦って、体力を消耗している真田と比べるのは違うかもしれないが、
家康の攻撃には重みを感じる。

「秀吉は、黒鎧に入れる人間を探しだすため、若者たちを顕現させてきた。
その中でも最有力候補だったのは、この僕と君というわけだ。」


家康が語る真実を聞きながら、戦いの手は緩めない。
真田は激しくやりあうが、もう限界の所まできていた。

「真正顕現者の正宗くんが現れて、興味の対象が変わったっていう訳?」

真田が家康に話しかけ、隙ができたところを小十郎と成実が同時に攻撃をする。
2人がかり、3人がかりでも家康を倒せない・・・


ピクリともしない黒鎧を見ながら
「正宗くん・・・・」小十郎は中にいる正宗に声をかける。
「俺らじゃ、無理だわ・・・・頼む、目ぇ覚ませ!!」
成実は、仲間思いの正宗に助けを求める。


黒鎧が小刻みに震えだし、動き始めた。
雄叫びをあげ、覚醒しようとしている。


鎧の中の正宗は、真っ白な世界の中で目が覚めた。
何もない。ただ真っ白が広がる。

振り返ると、子供の時に見た姿の織田信長が立っていた。
ということは・・?この白の世界は黒鎧の意識の中なのかもしれない。


信長は右手を掲げ、金色の気を手の中に集める。
それを正宗の方に投げ飛ばした。
この金色の気は、信長の思い。
政宗は金色の気を体に受け、倒れこんでしまう。

「じゃあ あんた、世界が平和になった暁には、自らの命を捨てる気だったのか。
黒鎧という、武力の象徴を残して・・・

俺はあの日あんたを見たときから、ずっとあんたを目標にしてきた。
そして、たくさんの仲間ができた。強くなれた気がする。

確かに世界が平和になることは大事だ。でも、俺には・・・」
信長の黒鎧にかける思い。そして信念を知った正宗は、
信長に向かって自分の持てる力を、全て信長にぶつけようとしていた。



成実は家康に、されるままに殴られ、蹴られ、投げ飛ばされていた。
もう立ち上がる力も残っていない・・・
成実の顕現・・消失。

その姿を見た小十郎は、高笑いする家康に向かっていく。
動きは全て読まれていた。攻撃は一度も決まらず、殴られるまま・・・
何とか立ち上がったが、飛び蹴りを食らい、成実の近くに倒れ込む。
小十郎の顕現・・消失。


2人が倒される姿を見た真田は、負けるかもしれない戦いを挑む。
真田の動きも読まれていた。パンチを繰り出したときに腕を掴まれ、動きが制限された。
家康は腕を掴んだまま、蹴りを数発入れ、金網に投げ飛ばした。



信長は正宗の拳を、
スパーリングの受け手のように手のひらを差し出し、攻撃を待った。
政宗はためらうことなく、全力で信長の手のひらに思いっきり殴る。

信長の手のひらが金色に変わり、正宗の手は貫通していった。
すぐ目の前にいる信長は実体ではなく、幻・・・・

金色に光る信長は 正宗に重なり、消えた・・・

これが融合なのだろうか?
一人真っ白な世界に残された正宗は、
拳の感覚を確かめるように手のひらを見つめる。
(あんたの信念は、信念で打ち破る!)
これが正宗のたどり着いた答え。自分の信念を貫く道を選んだ。

黒鎧が青く光り始めた。


真田の力も限界がきていた。
「これで終わりだ!」家康は真田にトドメを刺そうと気合を入れ直していた。

黒鎧の青く輝く光は輝きを増し、覚醒。
その後に一層大きく光が増した。
大爆発が起こると黒鎧は吹き飛んで行く・・
そこに正宗だけが残された。


「どうやって・・・・」
正宗がそのままの姿で現れたことを家康は不思議に思った。

「平和な世界を作ろうとした信長さんは、本当に凄い人だった。」
「信長と、会ったのか?」

「ああ。で、やっとわかった。
恐怖で全てを支配しようとするやつと、俺は戦わなきゃならないんだって。
大事な仲間が笑顔で過ごせる。そんな世界こそ、俺にとっての平和な世界だ。」


政宗を操れないとわかった家康は、黒鎧を自分でまとうことに決めた。
“恐怖で支配すること”の意味をすぐに知らしめると息巻いた。

家康は自分の近くに落ちていた刀を拾い上げ、正宗に攻撃を始めた。
黒鎧と融合しない正宗は、もはや用済み。

逃げながら見つけた刀を手にした正宗は、刀と刀で戦い始めた。
日本刀だが、戦い方はフリースタイル。二人とも日本刀が生かしきれていない。

体に気をまとわせ、刀を合わせる。
こうなると 気の、信念の大きさが力となる。
政宗は、片手で刀を交え、片手に気を集めて攻撃をした。
政宗の気で吹き飛ばされる家康。

「何なんだ、お前は・・・・」
怒りに狂った家康は、気を放出させた。
建物内部が小刻みに、家康の気と共鳴を始めた。


「正宗!!!!!!」
家康は叫びながら正宗の方に走り、横面にパンチを入れる。
政宗は、避けることなくパンチを食らった。
家康は間髪入れず二発目を入れようとするが、正宗は軽く避けた。

どちらかといえば、無抵抗で相手に殴らせる戦法。
軽く避けながら、たまにパンチを受ける。
必死の家康に、余裕で立ち向かう正宗。もう勝負は見えていた。

家康の拳を受け止めた。逆の手で胸ぐらを掴み、数発本気のパンチを入れる。

(悪魔を降伏させるため、自ら鬼になるという・・・)
政宗は、虎哉和尚が話してくれた不動明王の言われを思い出した。

心を鬼にして、家康にとどめの一撃を食らわせた。
家康は力尽き、顕現・・消滅。


2人の戦いを見ていた真田は、正宗に笑顔を見せた。
小十郎は成実の肩を抱いて、2人でよろよろと正宗の元に近づく。

「大丈夫か?二人とも。」
政宗にとって、何よりも大事な仲間。

「はい。なんとか・・・」息も絶え絶えに話すのがやっとな小十郎。
「わりいが、顕現なくしちまったみてぇだ。」
正宗の役に立てなくなったことを詫びる成実。

全て終わった。もう、そんな力は必要ないと政宗は思っていた。


力尽きたと思い 放置していた家康は、意識を取り戻した。
近くに落ちていた刀を拾い、正宗に背後からかかっていく。

ちょうど見ていた真田は 正宗をかばい、家康のボディに蹴りを入れる。
家康は蹴り飛ばされた。床で口をパクパクさせながら息をする。

「ありがと。」「別に。」真田にはこれが何よりうれしい言葉だった。


完全なる敗北・・
立ち上がった家康は 刀を手に持ち、潔く腹を切ろうとしていた。
その様子に気づいた正宗は 刀を取り上げ、自刃を止めた。
今度は本当に力尽きてしまい、気絶する。



SLPM社のビルの外で、にやにやと笑いながら
ジッポーライターのふたをカチカチさせる明智光秀(林剛史)


成実は動物的本能で、変な臭いをキャッチした。
パチパチパチ・・・建物に火をつけられている!
誰かに意図的に仕組まれたからだろうか、ビルの消防システムは作動せず
大きな炎は、正宗たちの周りをぐるり取り囲んでいた。

さっき戦った相手たちを、手分けして起こしに行った。
幸いにも、目を覚ましたと同時に動ける者ばかりで、何とか脱出できそうだ。

どの出口からも火の手が上がっていて、脱出口が見つからない。
昨日の敵は今日の友。
裏口の案内をかって出てくれた本田忠勝(北代高士)のおかげで、脱出できそうだ。


政宗が振り返ると、古文書は火にまかれていた。
これで、黒鎧を利用しようとする人間はいなくなる。そう確信した。
気絶したはずの場所に家康の姿がなかった。
どこに消えたのか?彼にしかわからない秘密のルートが存在したのだろうか。


炎は大きく、家康を探す時間はなかった。
正宗たちは、そのまま脱出した。



SLPM社ビルは どの階からも炎が噴き出し、ビルは瞬く間に崩壊した。
崩れゆく様子を見ながら、高らかに笑い続ける明智光秀。

北条氏直に復讐するための力と刀を授けたり、ビル崩壊にも一枚噛んでいる。
何もかも、明智の手のひらで起きた出来事だったのだろうか・・・

黒鎧はビルと共に焼かれていく。野望のなれの果てをみんなで見る。
真田は思い出したようにどこかに姿を消した。



みんなの帰りを待ち続けていた田村愛(伊藤梨沙子)
つい、涙があふれてしまう。無事に帰ってくるのだろうか・・・・
寺の入口の階段で座りながら帰りを待つ。
和尚も気になって、愛と同じように表で帰りを待っていた。


下を向いて、涙を拭っていた。足音が聞こえる・・・
顔をあげるとそこに、みんながいた。ボロボロの格好だけど、力強い足音。

「ただいま戻りました。」
約束を果たして帰ってきた正宗の姿を見られて、和尚は満足げにうなずいた。

「手当をして朝飯を食べたら、約束通り手紙を投函して来てくれ。」
和尚は正宗に、正宗の父宛の手紙を渡す。


みんなは気を利かせて、先に中に入っていった。残された正宗と愛。

「ただいま。」改めて愛に帰宅の挨拶をした。
「お帰り。」愛はこんな当たり前のような会話ができることが、とてもうれしかった。
思わず正宗の頬にキスをする。


食卓には豪勢な食事が並んでいた。
「お帰りなさい!お子様ランチのお兄ちゃん!!」
お皿を手に持ち、子供たちが出てきた。

鬼庭左月斎(金橋良樹)の子供たち!鬼庭先輩も来てくれていた。
みんなで豪華な朝ごはんを食べる。
作ったのは愛。見た目はとても美味しそうに出来ている。

「いっただきま~~す!!」
みんな一口食べて箸が止まった。味はどうやら微妙のようだ。
「う、うま~~~い!!」
政宗は料理をがつがつと食べ始めた。

味というよりは、自分たちのために懸命に作ってくれた愛の気持ちが美味しかった。



三か月後・・・
抜けるような空の下、正宗と真田は対峙した。
「今日で、はっきりさせるからな。」真田は意気込む。
「はじめよっか。」正宗はメガネを外し、戦う気満々。

大切なケンカ友達と、楽しい喧嘩を始めた。



アジアの片隅の中国人街に紛れる男が一人。
暑い最中なのに 頭にストールを巻き、サングラスをして人目を避けて歩く。
負傷した足は回復しきれず、歩く姿はおぼつかない。
明智光秀は、この男をアゴで狭い路地へと誘う。

路地を抜け、雑居ビルのとある部屋に通された。
ストールとサングラスを外すと、徳川家康!
やはり生きていた。

家康を呼び寄せた男は、焼失したはずの黒鎧を丹念に洗っていた。
振り返ったこの男の胸元には、正宗と同じネックレスが輝く。

その男は家康に何も言わず、正宗の写真を見せた。



とうとう最終回。終わってしまいました。

たくさんのキャラクターが出ていたので、
「その後」が見たくて仕方がありませんが、

一番気になるのは、徳川秀頼!
海外に飛ばされて(留学して)、
ニュースで会社の倒産とビル爆破を聞かされる・・・
びっくりしたでしょうね。
ていうか、生かしてもらえてるのかな?

つたない、しかも長文にお付き合いくださり
本当にありがとうございました。


特典が満載な下巻も楽しみですね。



これを着て、伊達一派の一員になりきる??








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戦国男士 第25話 第25閃 孤城 落日 あらすじ ネタバレ [戦国男士]

戦国男士 第25話 第25閃 孤城★落日

虎哉宋乙和尚(鶴田忍)は護摩木を焚いて
伊達正宗(滝口幸広)たちの無事を祈る。
政宗は神妙な面持ちで、炎の奥に見える不動明王を見据えていた。


寺の門のあたりで正宗が来るのを待っていた
片倉小十郎(内田譲)、伊達成実(平野良)、大内定綱(片岡信和)は
田村愛(伊藤梨沙子)から“明日の朝食に食べたいもの”を聞かれていた。

愛は戦い終えて帰ってくるみんなに美味しいものを作ってあげたいと考えていた。

大内はハンバーグとマッシュポテト。小十郎は納豆とご飯。成実はオムライス。
愛の料理の腕前のことを考えたら、食事が大丈夫なのかもわからない。

朝から食べるメニューでもないし、腕前をバカにされて、ちょっと怒って見せる。

出陣前にこんな軽い会話は、気持ちがほぐれてちょうどいい。


政宗がみんなの所にようやく来た。急にピリッとした空気に変わる。
みんなに向かって正宗は小さくうなずく。みんなもうなずく。
言葉にしなくても正宗の言いたいことはわかった。

そんな空気を察して
「あの・・どうかみなさん、正宗くんの事を守ってください。
どうか・・どうか、よろしくお願いします。」


愛は3人の前に立ち、深々と頭を下げた。
待つしかできない自分にとって、みんなにすがってお願いするしかなかった。

そんなことは愛に言われなくても、よくわかっていた。
でも、一途な思いを見せられて、
成実は愛の頭を撫でながら笑顔を返し、
大内は愛の肩をポンポンとたたきながら笑顔を返し、
小十郎は愛に頭を下げた。

「愛、必ず帰るから。」
政宗は愛を心配させまいとしていた。
門を抜けて、出かけようとしたときに、正宗は振り返る。

「帰ってきたらプリクラ、一緒に撮ろうな。」


真田幸村(橋本淳)がこのごろ根城にしている埠頭に着いた。
行くことは告げてあったはずだが、

「話があるなら手短にね。僕、そんなにヒマじゃないから。」
興味のあること以外はヒマではないらしい。

「黒鎧の場所まで案内してほしいんだ。」
真田に小細工は通用しない。単刀直入に聞いた。

「もう、誰の下にも付かないんだ。」
いろいろありすぎて、誰かの下に付くことに疲れていた。

政宗は真田に自分の下に付いて欲しいわけではなくて、
ただ助けてほしいと願った。
2人の勝負はいずれ決着をつけたいと思うぐらい、“大事な正宗のケンカ仲間”
政宗は真田のことをこう思っていた。


ケンカ仲間・・・・
真田のことを仲間だと思ってくれる人がここにいた。
たとえそれがケンカ仲間だとしても。

「言っておくけど、あの人かなり強い。」
「じゃあ、なおさら力を貸してほしい。」
「いいよ。」

真田は、みんなと戦うことに決めた。


徳川家康(田中康寛)は側近の本田正信(井田國彦)に、
第六天魔会の書物の解読を任せていた。
今日ようやく解けた。
“失われた世界を取り戻す肉。
焼け崩れた円環の神殿に、北から北に黒鋼の男。光を包まれて・・・・“

本田が読み上げてくれるのを聞きながら、家康は嬉しさのあまり笑みがこぼれる。



案内してくれたのは、SLPM本社ビル。この下には、秘密の工房があった。
むかし、黒鎧が作られた場所・・・

エレベータに乗り、パスワードを入力すると、勝手に下降を始めた。
エレベータの扉が開く。到着した場所は、柱が無数に並び立つだだっ広い空間。
奥に、奥にと足を進める。

上階の柱の影から伊達一派の動きを徳川四天王の4人が見ていた。

真田が歩みを止める。目の前に居たのは徳川家康。

「やはりか。来てくれたんだね。」
「家康さん。あんたが言う“天下布武”ってのを聞かせてほしい。」

家康が思う“天下布武”を一言でいうと「世界平和」


「じゃあ、その世界平和のためにたくさんの人が死ぬんだよ!」
「僕はね、今までの常識には囚われない組織を作るんだ。
ネットを介して精神的につながる組織。
そして世界には、法律や国境。宗教や民族の垣根なんてなくなる。一つになるんだ。

人間には素晴らしい力がある。もちろん君たちにも。
しかし、3歩も歩けば痛い目に遭ったことを忘れる 愚かな生き物だ。
故に、優秀な人間が先頭に立って導いてやらなければいけない。
そうすれば、人類は同じ過ちを繰り返さなくなる。愚かな戦争など起きやしない。
そのためにもみんな、僕に従い、僕を崇める必要がある。」

「僕はね、もうすぐ神に近い存在になる。」

「神に逆らえば、黒鎧による天罰が下る。
黒鎧の力と僕の頭脳の恐れをなし、誰も争いなど起こりえなくなる。」



第六天魔会の書物が解けたことで、明確なビジョンが出来上がった。
家康はようやく自分の思い描いていた世界を作ることができる。
そのために必要なピースは伊達正宗だった。
懇切丁寧にビジョンを聞かせるのはこのためだ。

政宗は納得がいかない。こんなことでは、人を殺す理由にならない。

「俺にとって大事なのは、世界平和とかそんなんじゃない!仲間だ。」
「小さいよ。正宗くん。そんな身近でちっぽけなものはどうでもいいんだ。」


家康の背後に表れたのは、徳川四天王。

徳川四天王の顔を見て、大内は思い出した。
以前、豊臣秀頼の護衛をしていて、正宗がいないときを狙ってさらって行ったやつら。
政宗が駆けつける前に秀頼を助け出してくれたのは、家康だった。
これは家康がわざと仕組んだことだったのか・・・・

周到に練られた作戦に、唖然とするしかなかった。
その隙に徳川四天王たちが戦いを仕掛けてきた。



「家康!!!!これが、あんたの言う平和なのか?
これが、あんたの望む“天下布武”なのか!!!!」
押さえきれない怒りが込み上げてくる。

「そうだよ。武力には、圧倒的な武力で対抗し 押さえつける。
残念ながら、我々人類が繰り返してきた唯一の心理と言ってもいい。」

「圧倒的な武力・・・そういうのを暴力って言うんだよ!!!!」
拳を天高く突き上げる。正宗、顕現。
青い龍が体に取り巻き、天に向かって伸びていく。


徳川四天王は、
真正顕現者だが、自分たちの思うどおりにならない正宗を邪魔者だと思っていた。
そんな面倒なやつなどいらないことを家康に進言する。
家康は徳川四天王の提案を受けた。
政宗を倒すこと、決定。


自分たちの言葉を聞き入れてくれた家康のために、顕現をする。
全員が正宗を狙って間合いを取っていたら、真田が先に手を出した。

「あれ???たいしたことないね。」
徳川四天王たちをあおってから、伊達一派たちも顕現をする。
戦いの準備は整った。

「言っとくけど、そいつらかなり強いよ。」
高みの見物を決め込んでる家康が、忠告とも取れる言葉を言った。

「伊達一派をなめんじゃねぇぞ!!!」成実が怒りをあらわにしながら答える。

散らばって、一対一の戦いに持っていく。
小十郎の相手は本田忠勝。だだっ広い場所を使って戦う。
真田の相手は酒井忠次。少し細くなった通路を使って戦う。
真田が使うトリッキーな技を出すにはちょうどいい。

大内はボイラー室で井伊直政と戦う。初っ端から大内劣勢。
成実は榊原康政と階段近くで戦う。
成実は、榊原の細かく刻んだ動きに翻弄されている。

残ったのは正宗と家康。
政宗は戦い始めようと構えたとき、家康に制された。

「いいもの見せてあげるよ。」

さらに奥に進んでいくと、整えられた空間が広がっていた。
金網の奥に、椅子に縛り付けられた旭日(佃井皆美)の姿が見える。

「僕はね、ゲームのボスキャラなんかとは違うよ。ボスキャラはそっち。」

言われた方を向くと、黒鎧が刀を手に飛びかかってきた。
政宗は逃げながら、置いてある柱を倒して攻撃を阻む。
その柱は黒鎧の腕に当たり、握っていた刀を落とす。
その隙に旭日の元へ行き、縛られていた紐をほどく。

黒鎧の攻撃は止まらない。何かに取り憑かれたように正宗を狙う。

「やめて!お兄さん!!!」

旭日の言葉で何かのスイッチが入った。
正宗を追いつめ、今にも殺してしまいそう。
黒鎧は追いつめた正宗を放し、ステップを踏む。

これは、服部半蔵が子供の頃に、
今川義元の側で練習した技を出すときの足さばきと同じ。
その技で正宗を攻撃。黒鎧の中で、半蔵の意識が戻ってきているのだろうか?


攻撃を止めない黒鎧に、体当たりでやめさせようとする旭日。
鎧に心を奪われたのか、倒れ込んでいる正宗に容赦なく攻撃をし続ける。

気合の入った拳を振り降ろそうとしたときに、黒鎧の動きが停止した。
鎧の胸元から金色の切っ先が飛び出てくる。

後ろから刺したのは北条氏直(三浦力)。
氏直が刀を引き抜くと、刺さっていた胸のあたりから鎧が金色に変わり
鎧は半蔵の体から飛び散るように離れて行った。

半蔵は力なく倒れる。

氏直は復讐を果たしただけ。でも、真の敵を見誤った。
恨みに凝り固まった氏直。半蔵にトドメを刺そうとして、かばう旭日を斬った。

「世に恐ろしいのは、勇者ではなく臆病者だな。」

高みの見物をしていた家康は、氏直の前に姿を現す。
氏直は家康に斬りかかろうとするが、家康が刀を持つ手を蹴り上げる。
刀を失った氏直。攻撃では家康にかなわない。
家康が気を溜め、攻撃をしようと構える。
気はこの周りの物すべてに影響を与え、机の上に置かれていたビーカーは割れ、
柱が倒れだす。氏直はその柱の下敷きになってしまった。

ちょうどそこに、井伊と戦いながら大内が駆けつけた。

「大内!こいつらを病院に連れて行ってくれ。」

行くのはいいが、井伊との戦いの決着が着いていない。
井伊の背後から蹴りが入る。駆けつけたのは真田。

「そのレベルなら、僕が二人まとめてやってやるよ。」
こんなこと言われると井伊も酒井も黙ってられない。
2人掛かりで真田に攻撃を仕掛けてきた。
大内の手が空く。急いで氏直を担ぎ、旭日たちと共に病院に向かった。

「全ては、運命の導き通りだよ。正宗くん。
君が僕と天下布武を実現させることは、真正顕現者である君の運命なんだよ。」
「それは、あんたが勝手に決めたことだろ。」

「まだ解ってないようだね。」
バラバラになった黒鎧が金色に光り輝き、何かに共鳴を始めた。

「呼んでるんだよ。選ばれし真正顕現者である君を。
黒鎧が君を呼んでいる。本当の主を求めて・・・」

真田は2人を相手に決定打が出せずにいた。
一人を投げ飛ばした瞬間に別のもう一人が攻撃をしてきて、休む暇がない。
投げ飛ばされて蹴られた真田。

「悪いな。二人まとめて攻撃してくれるんだろ?」
真田を完全に挑発している。


小十郎は本田に手を出せずに、蹴り飛ばされ続けていた。
端の方に蹴られながら追いつめられ、防御もなく下に落とされた。
本田は小十郎の所に飛び降り、動けない小十郎にエビ反りをする。

相手が油断するときを攻撃されながら待っていた。
ようやく反撃のとき、本田に腕ひしぎをかける。

成実は鉄製の細い通路を逃げ回っていた。
通路の細さを利用して榊原が攻撃を続けてくる。
階段を下りながら逃げる成実の顔に榊原の蹴りが入る。
榊原は近くにぶら下がっていたチェーンを手に取り、
ターザンごっこのようにぶら下がりながら成実を攻撃する。
榊原の攻撃が首の後ろにキマる。



「君は、選ばれし者なんだよ。かつての、あの人がそうだったように。」

黒鎧が金色に輝くときに家康は正宗を諭すように話しかける。
いつもお守り代わりに身に着けていたネックレスのチャームが黒鎧の金色と共鳴する。

「あのひと・・・・」
「あれは偶然の出会いなんかじゃない。織田信長が君を選んだその日から・・・」


政宗は戦う信長のピンチに、つい声を出してしまっただけ。
そのご褒美にネックレスを投げてよこしてくれたと思っていたが、
それも偶然ではないのか?

黒鎧は空中に浮かび、正宗を取り巻く。
鎧は正宗を真の主と決め、自分の力で正宗に合体するかのように
政宗に貼りついていく。抵抗しようにも体は動かない。

「決まっていたんだ。きみの運命は・・・」

成実は榊原がさっき使ったチェーンを使い、忍法“鎖ムカデ”を発動する。
変幻自在に動き回り、榊原を翻弄する。
成実は、チェーンがぶら下げられている上部に上がり、
持っていた一本のチェーンを榊原に向かってグルグル回し始めた。
鎖が榊原の動きを封じ、無事勝利となった。

蹴られ続けた小十郎は倒されてしまう!!そんなときに反撃を始めた小十郎。
本田に気合の飛び蹴り。そのまま置き出すことはなかった。


さなだはようやく起死回生の一撃をヒットさせることができた。
一人が倒れて動けないところに、もう一人に飛び蹴りを食らわせた。
2人共動けない。気絶してしまったようだ。


望んでいないのに、勝手に黒鎧が自分に貼りついてくる。
顔の部分以外は全部装着。鎧を支えきれずにヨタヨタと歩き続ける。


「運命にはあらがえない!!」

家康の言葉を聞いた黒鎧の面にあたる部分が遅れて正宗に近づく。
逃げることも、顔をそむけることもできない。
ただどんどん近づいてくるのを苦しみながら見ているしかなかった。

「うあああああああああああ・・・・・・」

悲鳴のような、絶叫のような声がこだまする。
伊達一派は正宗の身に何かが起こったと察知した。
相手を倒して手が空いたので、急いで正宗の所に向かう。

「まさむね・・・・・」

駆けつけたが遅かった。正宗の顔に装着され、緑色の気が光り輝く。


「失われた世界を取り戻すべく、焼け崩れた連環の神殿に
北から来る、黒鋼の男。光に包まれて立ち上がる。」

「さあ行こう!僕らの理想の世界に!」








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戦国男士 第24話 第24閃 雲蒸 龍変 あらすじ ネタバレ [戦国男士]

戦国男士 第24話 第24閃 雲蒸★龍変

虎哉宋乙和尚(鶴田忍)は書をしたためる。
差出人は伊達正宗(滝口幸広)の父、伊達輝宗。

資福寺で寝かされているのは旭日(佃井皆美)
片倉小十郎(内田譲)、大内定綱(片岡信和)、伊達成実(平野良)
田村愛(伊藤梨沙子)は心配して枕元についていた。


政宗が右目に眼帯を当てて帰ってきた。
傷は直接眼球についていないから、周りの傷が治れば大丈夫らしい。
深手を負っていたように思っていたので、一同は安堵した。


旭日が眠り続ける訳は、少し時をさかのぼる。
政宗が黒鎧に怒りの鉄槌を下した。
その力は強大過ぎた。黒鎧に自分まで巻き込んで高層階のビルから吹き飛ぶ。
地面に落下しながらも拳は黒鎧のボディに入ったままで、
地面に叩きつけられたときには、黒鎧が正宗のクッション代わりとなった。

2人分の衝撃を受け、黒鎧のつけていた仮面が剥がれ落ちる。
正宗は動けずにその場に座り込んでいたが、黒鎧は背中を向けて立ち上がった。
やおら立ち上がり、正宗の方に向き直った。
そこには、目から血を流して立っている黒鎧を着けている服部半蔵(鈴木信二)がいた。
政宗の元に駆けつけた伊達一派。その後ろに旭日もいた。

黒鎧を着けていることに苦しむ半蔵は、うめき声をあげながら兜を脱ぎすてた。
動けない正宗の方に一歩づつ近づいていく。

「もうやめて!!!!お願いだから・・・。」

半蔵の前に立ち、止めさせようとする旭日。
前をふさぐものは容赦なく排除する。旭日は振り飛ばされた。


「このままじゃ、本当に死んじゃう!!」
後ろから抱きついて動きをどうにか止めようとするが、殴り飛ばされた。
旭日はこの衝撃で黒装束に戻ってしまった。

謎の黒装束の人が旭日だったとわかり、成実はびっくり。
自分を最終的には忍術の道へと進ませてくれた人だったからだ。


一歩ずつ正宗の方に進んでいく。
動けない正宗の前に伊達一派が立ちはだかった。
半蔵の力もすでに尽きていて、戦えるほどの余力が残っていなかった。
歯を食いしばり、力を蓄えようとしたが 余計に力を消耗し、崩れ落ちてしまった。


「もう行きましょう。お兄さん。」
倒れた半蔵を起こそうと旭日が腕を持ったとき、本気で殴りつけてきた。

「我らが天命を忘れたか!」
腕を持ち振り回し投げ飛ばす。倒れた旭日を足蹴りし、馬乗りになって殴りつけた。
思うどおりに進まないいら立ちを、旭日を殴ることで解消をしようとしているよう。


半蔵が拳を大きく振り上げる。
その姿を見た正宗は残りの力を使って半蔵に体当たり!
旭日から半蔵を引きはがすことができた。

大の字になって倒れる正宗に向き直った半蔵。
伊達一派で正宗をかばうと、分が悪いと感じた半蔵は、
煙玉を使いこの場から逃げだした。

どこに連れて行けばいいのかわからずに、旭日を寺に連れてきたのだった。

黒鎧を使って人殺しや、企業の乗っ取り。
徳川家康(田中康寛)は何をしようとしているのか?
今の知名度と権力があれば、何でも可能・・・
それは、総理大臣よりもこの国に与える影響力が高いと言っても過言ではないほどだ。
ネット社会を制した家康の影響下にあるこの国の若者や、
共感する世界中の若者は、数億人は下らない。


凄い影響力を持った家康が、なぜ正宗を必要としているのか?
それは「天下布武」と関係があることなのだろうか・・

政宗は一度豊臣秀吉からこの言葉を聞いていた。
「天下布武」とは、
武力を持って天下を支配する。
敵に勝ち、己の活路を開いていく。そう話してくれた。
天下布武の真意は・・・


地下倉庫で寝かされている半蔵。

隣ではPCを使い黒鎧のメンテナンスに余念のない家康が居た。
半蔵は目覚めるとすぐに家康に謝りを入れる。

「実際君はよくやってくれたよ。残るパーツは伊達正宗。
それで全てがコンプリートされるんだ。」
半蔵の体調を気にしているというよりも、
自分の理想に近づいていることの方が大事なようだ。


旭日が目覚めた。
語られるのは旭日が幼い時に助けてくれた頃の黒鎧の話にまでさかのぼる。

「あの日から、黒鎧は信長という主を失い、秀吉に引き取られました。」
半蔵兄妹をかばって、黒鎧を身に着けていた信長は死んだ。
その後、秀吉の言葉通り、半蔵兄妹は秀吉の元に引き取られたのだった。

「じゃあ、あの人と秀吉が実現できなかった“天下布武”
家康さんが実現しようとしているのか?」

政宗が気になるポイントとして旭日に家康のビジョンを聞く。

「いいえ。黒鎧は、信長のような真正顕現者にしか、使いこなせません。
借正顕現者の兄では、あの鎧をまとうには限界がありました。」


家康が話した
“古代の文明と、我々の英知が融合することで、黒鎧はさらにパワーアップする。”
この言葉で半蔵は家康を心酔していき、鎧を着けて実験に耐えた。
旭日が止めても、家康は実験を止めなかった。
さらに重い苦しみを半蔵に与えているように見えた。

「そのときに気づきました。
彼の天下布武は、信長の思い描いたそれとは、全く別の道を歩み始めていると。」


もう一つだけ聞きたいこと。
「小田原学園の北条氏政と、上杉景勝の死。そして、石田光成の追放。
これも全部家康さんの指示?」

旭日は深くうなずき「はい。」と答えた。
「私たちも共犯です。でも、気づくのが遅かった・・・
このままでは、本当に彼のやり方で天下布武を成し遂げ、
この世の全てが彼に支配されてしまう。家康と兄を止めてください。
あの二人を止めることができるのは、信長と同じ真正顕現者のあなたしかいない。
お願い!どうか、兄を止めてください。」

「なりません。」虎哉和尚が話に割って入ってきた。
既に自体は、学生が関わる域を超え、これ以上危険なことはさせられないと思っていた。
旭日に丁重に、引き取ってもらうように告げた。

帰る場所もない旭日を追い出すように出て行ってもらった。
旭日をみんなで見送る。

「正宗、これ以上この件に関わりを持つことは、絶対に許さん。よいな。」
先に和尚にくぎを刺された。



Buke Show Hat オフィスの建物入り口前で、家康は取り巻く記者に話を始めた。

「我々は、SLPM社はすでに、現代社会が果たす役割を終え、
過去の遺物と化してしまったことを認識しています。」
「では、今後SLPM社はどうなるのでしょうか?」
「そうですね、必要ないので潰します。」
噴出したように笑い、その質問自体が愚問だと態度で示した。

「では、IT業界の今後の母体となる会社はどうなるのでしょう?」
「そういう物事自体が必要ないんじゃないでしょうか。
あえて言うなら、僕自身が母体となればいい。」

「今日はここまで。明日の記者会見でお話しします。」



政宗は旭日の話してくれた事をじっくりと考えていた。
「あの二人を止めることが出来るのは、
信長と同じ真正顕現者のあなたしかいない・・・」

子供の時に、ネックレスを投げてくれたあの人と自分は同じ・・・
信長が変えようとしていた世界・・



旭日は兄が心配で、アジトに帰ってきてしまった。
誰もいない。昔の古文書だけが残されていた。
それを手に取り、持ち出そうとした背後に気配を感じる。

振り向くと、黒鎧が刀を振り上げて斬りかかってきた。
本気でかかってくるのをかわすだけで精いっぱい。
「止めて!お兄さん!!!」
心を黒鎧に奪われてしまったのか、旭日の声は届かない。
とどめを討たれると覚悟を決めたとき

「自分の妹を、殺しちゃうの?」家康の言葉は黒鎧の動きを止めた。

「旭日、明日に決まったよ。全世界に向けて、会見を開くんだ。」

旭日に向かって投げたのは江戸経済新聞。
見出しには“徳川氏 明日正式発表”SLPM解体を示唆 新たな時代 天下布武

「ついに実現するんだ。僕らの天下布武が。」
「ぼくらの?あなたのでしょ!」
「昨日からの一連のことは忘れてやる。もう一度、僕たちと行こう。」
「あなたの計画は間違っている。何もかも。」

家康は旭日の頬にキス・・・その瞬間に平手打ちをする。
「君はバカなの?もうすぐなんだ。
あとは、あそこに正宗というパーツが揃えば、全てが・・・」
「彼は、黒鎧は着ないわ。」
「あはははははは・・・それはどうかな?
運命っていうのはね、どんな意思を持ってもあらがえないものなんだよ。」

半蔵が黒鎧を着るのに限界が迫っていた。
真っ直ぐに立っていられなくなり、倒れこんでしまう。
旭日は慌てて兄の元に駆けつける。

「ほら!呼んでる。織田信長が黒鎧の主、伊達正宗を。」


隠れ家で筋トレを続ける北条氏直(三浦力)
たまにやってきては情報を吹き込んでいく、怪しい男は明智光秀(林剛史)
氏直に江戸経済新聞を見せた、刀を一振り渡す。


不動明王と対峙し、正宗は自分のあるべき方向を考えていた。
頭の中に浮かぶのは
家康が話していた「僕らはこの国を、いえ、世界を変える。」
豊臣秀頼は話していた「顕現者の人は、選ばれしエリートなんだって。
新しい日本を作る幹部になれるって言ってたよ。」
上杉景勝が話していた「家康がお前を必要としている。天下布武のために・・」
黒鎧と対峙したときに家康がもらした「ラストフェイズ」

心の中は決まった。伊達一派の証スカジャンを手に取り出かけようとする。
寺の門の目では虎哉和尚が待っていた。

「言ったはずじゃ。金輪際関わることを禁ずると。」
「行かせてあげてください!!!」愛が和尚の前に立った。

「正宗くんを行かせてあげてください。
あのまま家康の計画が進んでいけば、とんでもない事になる。
それを止められるのは、他の誰でもない正宗くんしかいないと思います。」

一番行かせたくないと思っているはずの愛が、
自分のことで和尚に立てついてくれる。政宗は愛の気持ちがうれしかった。

「和尚さんは言いました。憎しみは必ず己の身に刃を帰すって。
でも、その代償はいつも正宗くんじゃなくて、
正宗くんが一番大切にしている仲間に刃が向くの。政宗くんはもうたくさんなの。
それに正宗くんは、今まで人を憎んでケンカしたことなんかは一度もない。
だからお願いします。今回だけ、正宗くんを行かせてあげてください。」

愛は、和尚に頭を下げてお願いをする。

「俺、これ以上仲間を傷つけたくないんです。失いたくないんです。
仲間を守るためなら、どんな手を使ってでも守り抜く。たとえ、鬼になってでも。」

「悪魔を降伏させるため、自ら鬼になるというのか。不動明王のように・・」
「はい。」

2人の気持ちはよくわかった。これ以上は何を言っても止まらない。
そう判断した和尚は、懐にしまっていた手紙を正宗に見せる。
これは正宗の父上に宛てた手紙。

いろいろあったことは一切書かず、
文武両道励んでおりますと書きしたためられていた。
この手紙を明日、正宗自身がポストに投函する。
それが出来るかどうかを尋ねられる。

「生きて、帰ってくるもんね。」愛は正宗が帰ってくることを信じていた。
「はい。明日必ず。」正宗は和尚と約束を交わした。

「お供させてもらいますよ。最後の最後まで。」小十郎が正宗に声をかける。
「ウザいだろうけどな。」大内も、
「出発いつにする?」成実も、みんな正宗について行くために寺で待っていた。

「今夜だ。小十郎、もう一人連絡してほしいヤツがいる。」

アジトでは家康が一足早く乾杯の準備をしていた。
眠る半蔵、縛られて気絶している旭日。

「さあ、明日から始まる、我々のイデアのために。乾杯。」
グラスを手に取り黒鎧に杯を傾ける家康。


そこに、徳川四天王が到着した。
本田忠勝(北代高士)、酒井忠次(入江賢)、
井伊直政(藤井祐伍)、榊原康政(玄也)

「今夜は前夜祭。君たちも付き合ってくれよ。
君たち四天王は、僕が知る顕現者の中でも最強の4人だからさ。」


埠頭で寝そべっていた真田幸村(橋本淳)は小十郎から連絡をもらう。
「あぁ別にいいけど、手短にしてよね。あんまり時間が無いからさ。」

和尚は無事に帰ってこられるように護摩木を焚いて祈りをささげてくれる。
政宗は、揺らめく炎の向こうに見える不動明王をじっと見据える。

「我々のイデアのために・・乾杯!」




戦国男士 第23話 第23閃 恩讐 分明 あらすじ ネタバレ [戦国男士]

戦国男士 第23話 第23閃 恩讐★分明

「あんたらの暴力、俺たちがケンカでねじ伏せる!」

伊達正宗(滝口幸広)のこの言葉が口火になって、ケンカが始まった。
政宗の相手は石田三成(大口兼悟)
伊達成実(平野良)の相手は島左近(坂田 聡)
片倉小十郎(内田譲)の相手は真田幸村(橋本 淳)
大内定綱(片岡信和)の相手は直江兼續(山本匠馬)だった。


成実は島と取っ組み合いながら廊下を引き返していく。
大内は踊り場で学生たちに囲まれながら直江と戦う。
代わるがわるに攻撃をされ、休む暇もない。
そこには五家同盟の蘆名義弘(三上俊)と佐竹義重(山岸拓生)もいた。
政宗と石田が戦っているところには、
五家同盟の白河義親(新田健太)、岩城常隆(大森亮)、
石川昭光(草野イ二)が控えていた。


数では勝ち目がないので、大内は一人づつと戦えるように階段側に入り込んだ。
階段を飛ぶように逃げ、直江と学生たちを引き離す。

成実は戦いながら少しづつ従業員用の小さなエレベータのほうに近寄っていく。
ちょうど島と取っ組み合っているときに扉が開いた。
島を連れ込み、扉を閉める。


「僕にあなたがあちら側についている理由がわからないのです。」
屋上に来たのは小十郎と真田。
徳川家康(田中康寛)についていた真田が、石田側につくことが考えられずにいた。

「小田原の決着、ついてないじゃん。」
真田は旭日(佃井皆美)に言われた言葉を思い出したが、小十郎には語らなかった。


「わかりました。その前に、一ついいですか?
空と海の間には、何があると思います?」

小十郎は、何かをはかるためにいつもしている質問を真田に投げかけた。

「なにもないでしょ。」

この答え、正宗と同じ・・・
伊達一派に入るきっかけになった答えと同じだった。
小十郎は真田に向かって優しい笑みをもらす。

「そんな顔をするところを見ると、正宗くんにも聞いたんだ。答え似てた?」
「同じでした。」

「何を期待しているのか知らないけど、僕があいつと組むとかありえないから。」
「そうでしょうか?」


石田は自分の力をなるべく使わずに正宗を倒したいと考えていて、
学生たちを先に戦わせようとばかりする。
学生たちが正宗に切り込んで来るが、
「あんたらと戦う理由がない!」
政宗は学生たちには攻撃をせずにかわしていく。

石田は岩城と石川を急き立てるが、正宗に圧倒されて手が出せずにいた。
「卑怯者だとののしる気か?」
「そんなことはない。けど、こんなのケンカじゃない!!」


大内は空き室に投げ出された。佐竹と蘆名は容赦なく大内を殴り続ける。
戦わずに取り巻いている学生たちを無理やり戦わせようとし、
動かなかない、邪魔な場所にいる学生たちも容赦なく殴る直江。

「仲間もお構いなしかよ。」
「手駒の間違いだ。」

自分たちは駒扱いで、使い捨てなのだろうか・・・
佐竹と蘆名の気持ちが少しづつ揺れていた。


成実と島を乗せたエレベータは地下駐車場に着いた。
戦いは島が優勢。成実は殴られるばかりで返すこともできずにいた。
島が成実を投げ飛ばしたときに、成実のポケットに入っていた小銭が散らばる。
島は戦いを忘れて小銭を拾うのに夢中。



身軽な真田はフェンスにつかまりヒラリとかわす。
上に下にとトリッキーな動きをする真田に、小十郎は一撃を入れられずにいた。
右腕を取られ左で防御すると、戦いが少し止まった。

「これが真正顕現者のちから。」
「えっ?ぼく仮正だよ。」
「あなたも・・・?ならば、僕の知っている真正顕現者は正宗くんただ一人ということ。」


政宗は学生たちにやられながらも、
白河、岩城、石川に守られている石田の方に近づく。

背中を金属バットで殴られても、学生には目もくれない。
「あんたらと戦う気はない。」正宗は自分の言葉を体現していた。

石田の前にいた白河は、戦わずに正宗を前に進ませる。
その白河の行動を見て、岩城も石川も正宗を石田の元に進ませた。


暗い空き室の中では大内が直江と戦い続けていた。
力は直江の方が上で、大内は叩きのめされて動けなくなってしまった。

「次で終わらせてやる。顕現の力とお別れだな。」
「いらねえよ。こんな物騒な力。俺にはな、もっと大切なもんが・・あるんだよ。」

かなり体力を消耗して、言葉がすらすらと出てこない大内だが、
自分の言いたいことはきちんと話す。

大内にとっての大切な物・・・・


この状態でいながらも、大切な物のために力を振り絞っている大内の姿に
佐竹と蘆名は圧倒されていた。
大内にトドメを打とうとする直江を佐竹が羽交い絞めにする。

「何のマネだ。」
「直江さん。あんたには実験だか何だかで借りがあるんだ。俺は忘れてはいませんよ。」

佐竹は直江をぶん投げた。
力を振り絞り立ち上がった大内だが、
足元がふらつき倒れかけたところを蘆名が手助けしてくれる。

「まったく見てられない。もう少し、ましな戦いしてくれません?大内先輩。」
「俺、お前らのこと大嫌いだったけど、ちょっと好きになったわ。」

大内は蘆名に笑みを浮かべて話す。蘆名もまんざらではなかった。
「僕は、佐竹さん一筋です。」

「行くぞ、義弘。」「はい。」
佐竹と蘆名は自分の心のままに戦うことに決めた。


成実も限界まで戦っていた。島に向かって舌戦は出来ても攻撃が効かなかった。
柱に投げ飛ばされて立ち上がったところに体当たりをしてくる島。

「にん!」
成実は忍法で逃げ、島は柱に激突!

「わりいな。俺ちょっと開眼してんだ。」


真田の方が有利に戦いは続き、小十郎はトドメの一撃を食らわされようとした。
そのとき、真田に向かって飛び蹴りしてきたのは白河と岩城。

「立て片倉!手加減してんじゃねぇよ。お前は俺たちを倒したなんだ!!」

白河は小十郎に手を差出し、立たせてくれる。
「あなた方にも響いたみたいですね。伊達正宗という人が。」

「あなたにも響いているはずですよ。真田さん。」
「その名前、口に出すなって言っただろ!!」



佐竹と蘆名は直江に打ちのめされてしまった。次は大内がやられる・・・
「よお!」成実が加勢に来てくれた。
島と戦っているはずの成実がここに来たということは・・・
直江は事態が呑み込めないでいた。だが、島は成実が忍法で倒したのだった。

直江は成実を先に倒そうと、2~3歩歩くが、崩れ落ちるように机に手をついてしまう。
「さすがに、疲れた・・・・」
周りを取り囲む学生たちに後を任せようとするが、学生たちは身動き一つしなかった。


政宗は石田と一騎打ちをしていた。
そこに直江が駆けつけたが、力尽きて倒れてしまった。
後ろを追いかけるように成実と、佐竹と蘆名に抱えられるようにして大内が駆けつける。

「まさか、兼続がお前らごときに・・・」
「俺らを誰だと思ってるんだ?ビビんなよ、伊達一派をよ。」

「これが俺たちのケンカだ。」
「遊びの時間が終わっただけだ。行っただろ、私には国家権力がついている。」

石田は外で待機していた機動隊の大谷善継に再突入の電話を入れる。
だが、小早川長官から“石田のために動く必要が無い”と指示されていた。
小早川秀秋が石田を切った。石田の味方は誰もいなくなっていた。


「貴様の仕業か!!!!」
戦いを終焉させ、悠然と現れた徳川家康。後ろには旭日がひかえていた。
旭日はノートPCを開き、ぶけしょ動画をみんなに見せる。


そこには、豊臣秀頼(橋爪遼)が記していた後見人を
石田が脅して書き直させる映像がUPされていた

家康はこの映像を使い、小早川長官を退けたのだった。
自分の夢は潰えた・・・石田は膝から崩れ落ちた。

「よくも秀頼にあんなひどい事を・・」
憎しみを拳に溜めて、石田の顔面を殴りつけた。
石田の抵抗もなく、ぶっ飛ばされた。


「これで、邪魔者はいなくなったね。」
よろよろと倒れるように来た真田は、旭日に向かって話す。

あのときロビーで旭日から聞かされた話は・・・
「黒鎧を操っているのは“徳川家康”です。あの人を止めてください」だった。

「上杉のおじさんの仇、討たせてもらうよ。」
真田は家康に向かって宣言した。

この言葉は正宗が欲しがっていた答え。それも、想像を超えた形で。

「家康さん。今の話・・・」
「なぜ幸村が知っているのかは謎だけど、
黒鎧に上杉景勝を殺すように指示したのは、たしかに僕さ。
彼に、いや、彼を操っていた光成に渡すわけにはいかなかったからね。君を。」

「じゃぁ、俺を必要としているって話は・・」
「本当だよ。天下布武のために。」
「どうして天下布武と俺が関係あるんだ!!!」

政宗は家康を信じていた。
なのに、自分が駒のように扱われ、そのために人が死んだ。
何をどう納得すればいいのか・・・


足音が響きわたりこちらに迫ってきていた。この足音は黒鎧。
黒鎧との対面に、正宗は拳に気を込める。
成実は正宗を制し、学生たちも揃って黒鎧にかかっていく。
黒鎧は足技を使って、全員を吹き飛ばす。

この技は幼い時に見たものと同じだった。

「まさか・・なぁ、これ覚えてんだろ。あんたがガキだった俺にくれたんだよ!」
お守代わりにつけていたネックレスを外して黒鎧に見せた。

「俺は、あんたみたいな強い男になりたくて、なりたくて!
どうしてそんな物、着てんだよ。天下布武ってなんなんだよ!!!
そのために、人を殺してるんだったら・・・」

政宗が話をしながら黒鎧に近づいていた。
黒鎧は刀を手にし、下から正宗の顔に向かって刀を振り上げた。
政宗が顕現したとき、ブルーに変わる右目を刀はかすめた。

「知りたきゃ、倒せってことか。」
政宗は右手にネックレスを持ったまま、右腕に気を溜める。


「ラストフェイズ。」家康はつぶやくように言った。
この流れは、家康にとって予定されていたことだったのだろうか。

自分が踊らされているとも知らずに、正宗は怒りをあらわにしていた。
黒鎧は正宗に向かって刀を振り下ろす。
避けきれない!と思ったところに、真田が六文銭を投げる。
太刀筋がそれて正宗は助かった。

怒りの全てを拳に込めて黒鎧のボディに打ち込む。
窓ガラスを突き抜け落下。地面に叩きつけられる。

黒鎧の面が外れた。黒鎧は立ち上がり正宗に顔をさらす。
黒鎧の中にいた人・・・服部半蔵

「半蔵さん。どうして・・・」
下まで降りてきた小十郎は半蔵に問いかける。

半蔵は目から血を流しながらその場に立っていた。


上巻が発売されて、下巻が楽しみで仕方がないですね。
発売は決定されてますが、どんな感じになるのかは内緒ってところですね。

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戦国男士 第22話 第22閃 旗鼓相当 あらすじ ネタバレ [戦国男士]

戦国男士 第22話 第22閃 旗鼓★相当

上杉景勝(鈴之助)が伊達正宗(滝口幸広)の目の前で殺された。
片倉小十郎(内田譲)、大内定綱(片岡信和)、田村愛(伊藤梨沙子)は
死亡記事やTVのニュースで探してみたが、どこにも出ていなかった。

黒鎧は一人の人間の死をも簡単に揉み消すことができるほどの力を持っているようだ。
これは、小田原学園で北条氏政(志賀廣太郎)が殺されたときと同じ・・

上杉は正宗に「徳川家康(田中 康寛)がお前を探している。天下布武のために・・」
そう言っていたことを思い出し、家康に連絡を入れた。
これまではマメに連絡をしてくれていた家康が、電話にも出ないし、メールの返信もない。



真田幸村(橋本 淳)は、SLPM社に来ていた。
子供の時に自分を拾ってくれた人、真田の死を受け止めきれていなかった。
よろよろと力なくロビーを歩いていると、旭日(佃皆美)が真田を待っていた。

「家康くん、居るよね?」
真田は、旭日を見てから少し気を張って、いつものように歩く。
すれ違いざまに旭日が真田の腕をつかんだ。

「何?」真田は旭日の顔を覗き込むと、
旭日は深刻そうな、思いつめた顔で真田を見ていた。



何度電話をしても家康は出てくれない。
「まさか、家康ってやつが黒鎧?」
成実が可能性の一つとして口にした言葉に、正宗が激しく反応をする。

「あってたまるか!そんなこと!!!」

政宗は家康にシンパシーを感じていたので、そんなことはありえないと思っていた。
でも、今の家康の立場はSLPM社の新社長。
立場が変われば、何が起こっても不思議はない。


「ともかく。また一人、人の命が奪われたことは事実なんだな?」
虎哉和尚(鶴田忍)が話に割って入ってきた。

「これはもう、お前たちのケンカのレベルを超えておる。
その黒鎧とやらは、いつまた襲ってくるとも限らない。
父上にそなたを託されたものとして命じる。
“金輪際、この件に関わりを持つことは 許さん!”」


不動明王の前で座禅をしながら、自問自答を繰り返す正宗。
殺された2人の事件に少なからず関わりを持っている自分・・・

「悪魔をも降伏させるため、自らが鬼の形相で全てを打ち砕き、
正しい道へ導く。それがこの不動明王じゃ。」

虎哉和尚が寺で祀っている不動明王の言われを語ってくれた時のことを思い出した。


「家康さんが俺を必要としてるというのは、本当のことなのか・・?
天下布武のためって、どういうことなんだろうか。」

この件に関わりを持たないと決めるのは、このことを聞いてからにしようと決めた。
1人で悶々と考えていても、答えが出るはずもない。


家康の所に行こうとしたときに、成実、小十郎、大内が目の前に居た。

「やっぱ行くんだな!」
みんなは正宗が家康に直接話を聞きに行くと推測していた。
共について行くことを告げるが、正宗は許さない。

「和尚さんが言ってたろ?これはもう俺たちのケンカのレベルを超えてるって。」

みんなの間を抜けるように歩く正宗。
成実は拳を握りしめ、正宗の横面に拳を入れる。

「政宗、何のために俺が戻ってきたと思ってんだ!
なのに、昨日も一人で出かけやがって。
いつまでも自分ひとりでなんとかしようなんて、勝手なこと考えてんじゃねぇよ!」

「俺たちは、伊達一派・・・だろ?
いつでもお前と一緒に喧嘩がしたくて、うずうずしてんだぜ。」

「僕らを危険に巻き込むまいなどと考えないでください。
1人では危険なことも、伊達一派がいっしょなら!」
小十郎も一人で行動する正宗を歯がゆく思っていた。


みんなが自分のことをこんなにも考えていてくれていた。
「ごめん。」
言葉はシンプル。だが、気持ちは十分に伝わった。
この伊達一派の熱い男の友情のシーンを、真田は窓越しで見ていた。
さっき聞いた旭日の話が頭から離れない・・

「本当なの?どうしてそんな話を僕に・・・」
「あの人を止めてください。」
悲壮感にあふれた旭日の言葉には信憑性があった。

政宗に要件があったはず。だが、真田は誰とも合わずに寺を出た。


伊達一派として、さらに固い絆が生まれた。
そのままみんなで話をしていると、
虎哉和尚が帰ったはずのみんなが残っているのを見つけた。

「今帰ろうとしていたところです。」
何もなく、ただ雑談をしていたようにふるまう小十郎。

「そうだぜ。今からSLPM社にガチコーンだなんて・・・」
成実は考えたことがすぐに言葉に出てしまう。
虎哉和尚に今からしようと思っていることがバレそうになり、
大内は慌てて成実の口をふさぐ。

虎哉和尚の側を成実の口を押えたまま離れ、隣の部屋に逃げ込んだ。
そこでは愛がTVを見ていた。


ニュース番組で、SLPM社の前を機動隊が包囲している様子がライブ映像で流れていた。

“警察の発表によりますと、石田光成前社長代行(大口兼悟)が、
徳川家康現社長の、社長就任に関する不正な株取得の証拠を提出。
新たに雇用された学生社員たちの、即時退去を求めましたが
返答が得られなかったための措置であるということです。・・・”

TV のアナウンサーが話す、家康の不正な株取得。
政宗はニュースで話すことよりも、家康のことを信じたいと思った。

今からみんなで家康に話を聞きに行こうと思っていたが、
そのためには機動隊ともケンカをしなければいけないのか・・・


「意外に早い対応だな。大谷さん。」
石田がビルの前で、機動隊員の大谷善継に話しかける。
「小早川長官からの要請なので、当然である。」
この素早い行動は、石田がコネクションを使って実現させたものだった。


TVの中継では機動隊が突入する瞬間が流れている。
第一弾の機動隊、突入。
学生たちは懸命に侵入を食い止めようとするが、多勢に無勢ですぐに鎮圧された。

石田は直江兼續(山本匠馬)と島左近(坂田 聡)を伴って、
第二弾の機動隊突入と同時に突入。狙いは徳川家康の首。

島にとってのこの戦いは、言い値でもらえる報酬。
兼續は亡くなった上杉景勝(鈴之助)の弔い合戦。

そこに真田が姿を現した。「僕も混ぜてもらえるかな?」

「家康の飼い犬になったのではなかったのか?」
石田は本気で取り合っていないが、

「だから、飼い主を変えてもいいって言ってんだ。報酬、僕も言い値でもらうから。」
お金のために付く相手を変えたようにふるまう真田。
本当の所は旭日から聞かされたあの言葉のせい・・・

各自の思惑はバラバラでも、気合を入れて突入の時を待つ。


家康は社長室の窓から下を眺め、考え事をしていた。
机の上に、マナーモードにされた携帯が着信の光を発している。

政宗は家康が電話に出ないので、会いに行こうとしていた。
「正宗、正直 勝てると思うかこのケンカ?」成実の言葉に一同は固まる。
「やる前から勝てるってわかっているケンカ、お前楽しいか?」
政宗の言葉にハッと気づいて笑ってしまった。

「ちげえねぇ。実際、強いわお前。」
今までの正宗では言えなかったであろうセリフを聞いて、
政宗が、今までよりも強くなったことをみんなは実感した。

「少しは近づけたかなぁ・・・」
ネックレスのチャームを指で撫でながら、

これをくれたあの人のことと、
豊臣秀吉(波岡 一喜)から聞いたあの人のことを思い出した。
秀吉に生きる目的を与えてくれたお方で、天下布武という考えを示してくれた方。
(天下布武=武力をもって、天下を支配する。)

でも本当にあの人の考えなのだろうか。

考え込んでいたが、事は急を要していた。伊達一派でビルに向かう。
愛はそんな後姿を心配そうに見ているしか出来なかった。

和尚は行くとわかっていたが止められなかった。
出来ることはみんなが無事で帰ってくることを願うことだけ・・

「あの小僧どもを、お戻し下され。」
護摩木を焚きながら不動明王に願をかける。

「和尚さん、ごめんなさい。」
寺の門の前で正宗は独り言を言うように和尚に詫びた。



警備室のモニターを見ながら外の様子を確認していた五家同盟。
蘆名義弘(三上俊)、佐竹義重(山岸拓生)、白河義親(新田健太)、
岩城常隆(大森亮)、石川昭光(草野イ二)は手をこまねいていた。


蘆名が第二弾機動隊突入のあとに石田たちが入る姿を見つけた。
一番後ろを歩くのは真田。いつの間にか真田が仲間に入っていることに驚いた。
これは五家同盟、出番の時・・

「どけ。妨げるな、我らを。」
石田達は顕現をして、腕に気を集めた。
全員同時に気を放出。
五家同盟に率いてきた学生たち、全員弾き飛ばされてしまった。
圧倒的力の差に、五家同盟の誰も立ち上がれない。

「一つ言っておくが、私には国家権力が就いている。家康に勝ち目はない。
さあ、どっちにする?」

石田は悠然と社長室の方に歩き出す。後ろに率いる共の者が増えた。
五家同盟は早々と石田の側に寝返っていたのだった。


SLPM社のビルの前についた伊達一派。でも、ビルの中に入る手段が浮かばない。
「こっちだ。急げ!」

声の方を見ると、服部半蔵(鈴木信二)
正宗はこの人が何者かも知らないが、小十郎を顕現してくれた人物。
ついて行くのが中に入る一番確実な方法だと考えた。
人ごみをかき分けるように半蔵を追いかけていく。

その人ごみの中に、北条氏直(三浦力)の姿もあった。
正宗たちは気づきもせずに横を通りすぎる。


家康と旭日は石田達と廊下で対峙する。
「辞任会見を開く準備は出来ているようだな。」
社長のイスを奪取で来たこととして話を始める石田。

エレベータの扉が開いた。
「フェイズⅢ」家康がつぶやいた。家康の待ち人が到着したようだ。

中から出てきたのは伊達一派。
政宗は、ただ真っ直ぐに家康に向かって歩みを進める。

「質問が2つあります。1つは、ニュースで言っていた不正。」
「その人のほうが詳しいよ。」家康は石田の方を指さしながら答えた。
「そういうことか・・」正宗はこの言葉で納得がいった。

「もう1つは、家康さんが俺を必要としていると聞きました。天下布武のために。
本当なんですか?」

「今は、説明している時間が無い。ねえ?石田さん。」

政宗は石田の方に向きを変えると、五家同盟が石田側にいた。
「どうしてお前たちがそっちについてんだ?」

五家同盟の者たちは、視線を外し下を向いた。真田は口元だけで笑みを浮かべる。
「伊達正宗くん。きみも私につきたまえ。」
石田は、優しい言い回しで正宗を自分の元に取り込もうとする。

「あんたにつく理由がない。」
「そうか。私には国家権力がついている。彼らのように賢く立ち回るべきだと思うがな。
彼らは自分の意思で、家康でなく私を選んだんだ。」

「ふざけんな!!!!
自分の意思、自分がやらなきゃならないことを選んだ人間が、
そんな楽しくなさそうな顔してるか!
あんたが今やっていることは、暴力だ!
俺はケンカは好きだけど、暴力は大っ嫌いだ!」

政宗の言葉を聞いた直江と島は、正宗以外の者に殴りかかる。

「あんたらの暴力、俺たちがケンカでねじ伏せる!」

伊達一派が揃って顕現をする。ケンカをする準備が整った。





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戦国男士 第21話 第21閃 窮途 末路 あらすじ ネタバレ [戦国男士]

戦国男士 第21話 第21閃 窮途★末路

「いよいよ始まるよ、信長さん。
秀吉のおじさんに出来なかった、あんたの理想 僕が叶えるからさ。」
徳川家康(田中康寛)はビルの屋上で夜景を見ながらつぶやくように言った。
傍らには半蔵兄妹がひかえていた。

別のビルの屋上の上では、黒鎧が夜景を見つめていた。
「ステージ2へ移行しました。」黒装束の者が黒鎧に報告。


SLPM社の社長室。部屋の中には石田と家康と旭日(佃井皆美)
「もう一度言ってみろ!!!」
激高する石田三成(大口兼悟)耳を疑う言葉を聞かせられた。承服できない。

「あなたは、社長代行解任。SLPM社は今日から僕が預かります。
いずれ秀頼くんに託す日が来るまで。」

家康は書類を見せる。“大量保有報告書”
「そんなバカな・・・どうやってこれほどの株を買い占められた・・・」
書類を見ながら、自分の知らない間にどうやったらできるのか・・

「僕にどれだけの賛同者がいるのか、ご存じない?」

社長室の扉が乱暴に開けられると、
蘆名義弘(三上俊)、佐竹義重(山岸拓生)、白河義親(新田健太)、
岩城常隆(大森亮)、石川昭光(草野イ二)たち五家同盟が入ってきた。

「何だ、ここはお前たちガキの来ていい場所じゃないぞ!」
冷静でいられない状態なのに、面倒事が増えた石田は五家同盟を追い返そうとした。

「いいえ、俺たち学生の場所になったんです。」
佐竹がそう言うと蘆名は雇用契約書を石田に見せる。

2月18日:雇い入れ
従事する警備内容:関ヶ原本社ビル敷地内の警備
事業代表者:徳川家康

すでに契約が履行されていた。石田は社長室から追い出された。
廊下では、島左近(坂田聡)が床に這いつくばって小銭を探していた。
一番肝心な時に側に居なかった島を怒っていると、部屋の中の声が漏れ聞こえてきた。
石田は気配をけし、扉に耳を近づける。中では

「あとは彼を呼ぶだけだね。伊達正宗(滝口幸広)くん。・・・」
偶然聞こえた正宗の名前。石田は直江兼續(山本匠馬)に連絡を入れる。


慈雲山 資福寺。一緒にテレビを見ていた田村愛(伊藤梨沙子)と正宗。
ニュース番組でSLPM社の社長交代劇を知った。
画面の下には“SLPM社の株を買収 徳川家康氏 SLPM社 社長就任”
アナウンサーは「劇的な社長交代劇は、若きカリスマ徳川家康さんでなければ
成し得なかったとの声が多く聞かれ・・・」と語っている。

政宗はこのTVを見ながら、家康に会った時のことを思い出していた。
この時「SLPM社って組織だけは信用できない。」と家康に話した。

「けど、家康がトップに立つのなら・・・」
自分の考えとよく似た考えを持つ家康は、正宗の中では信用できる人だった。

ニュースはまだ続いていた。
本社ビル正面口から蘆名と佐竹を伴って出てきた家康。
いつの間にか家康の側に付いていた2人をみてびっくりしていると、
テレビから視聴者に家康が語りかける。

「我こそは!と言う人は、すぐにでも来て欲しい。
新たなSLPM社は僕ら学生のみで運営される企業体へと生まれ変わります。
この国を支配する古い価値観を打ち滅ぼせるのは、僕らの若い力しかありません。
僕らはこの国を、いえ、世界を変える!」

世界を変えるという理想を掲げた家康。
この言葉を聞いていると、本当にやるかもしれない。
政宗は自分の世界も広がったように思え、顔がほころんでいた。
水を差すかのように電話が入る。

「久しぶりですね。」この声は直江兼續
「実は、徳川家康の社長就任に関して、ある疑惑が持ち上がっています。
詳細を君にお伝えしたい。君に連絡したのかも含めて、お会いできればと。」

家康に関する話は聞いておきたいと思い、正宗は指定された場所に行くことにした。


直江の撒いた餌に正宗が食付いた。後は来るのを待つだけ。
「任せていただけませんか?上杉さんのことだ、暴れたいんでしょ?」

上杉景勝(鈴之助)は机の上に置いてあったペットボトルの水を乱暴に手に取り、
リクライニングのいい椅子にもたれかかり、数口水を飲んだ後、残りの水を頭にかけた。
今までのモヤモヤしたものが、体の中をくすぶり続け爆発寸前!
頭に水をかけ、少し冷静に考え 「兼續の言う通りだ。」



相馬義胤(六本木康弘)、木幡高清(榎木智一)、
水谷胤重(森渉)は路地でたむろしていた。

「相馬さん。俺らもSLPM社に雇ってもらいません?」
木幡の言葉に乗って、
水谷は相馬のラップをSLPM社の社歌をキメるのはどうかと言いだした。

「俺はあんな爽やかなのを大嫌いなのはよく知っているはずだぜ。
伊達正宗みたいで・・・」
相馬が二人に話をしていたら、相馬の目に入ったのは伊達正宗・・?
噂をすると現れた!?と思ったが、メモを片手にキョロキョロ辺りを見回す正宗。


寺に真田幸村(橋本敦)が正宗を迎えに来た。今日は戦う相手ではなく、家康のパシリ。
政宗が出かけたのは、直江兼續から電話が入ったからだと、愛は真田に話した。

そこに片倉小十郎(内田譲)、大内定綱(片岡信和)、伊達成実(平野良)が、
楽しそうに話をしながらやってきた。
ということは、正宗の単独行動!!


また正宗の姿が視界に入る。しかもこれで3度目!
相馬たちは正宗が迷子になっていると推測した。
天気が悪くなり、雨が降り出してきた。傘もないまま まだメモの場所を探している正宗。
相馬はラップで正宗に話しかける。
要約すると「ここで会ったからには相手をしてやってもいいが、お前は今迷子だろう?」

相馬は正宗のメモを取り上げ、案内をしてくれる。
木幡は正宗を傘に入れてくれた。
相馬は困っている人を見過ごせない性質(たち)だった。
服装や話し方で、困っている人も逃げられてしまうこともあるが、根は良いヤツだった。


「俺を倒して南奥のテッペン取った気分はどうだ?」
転校早々相馬を倒し、正宗は南奥の事実上のトップは正宗だった。
「別に、テッペンなんて興味ないし。」
政宗の今、興味のあることは“呼び出した奴らが何を考えているか?“

相馬は呼び出しだということに反応した。
「ケンカなら、加勢してやってもいいぜ。同じ南奥生だからな。」
困っている人は見過ごせない性質・・

「もしケンカになるんだったら、巻き込むわけにいかないし。ダチを。
この街に来て最初のケンカで出会った。
あんたがどう思っているか知らないけど、俺はそう思っている。」

相馬は自分のことをダチだと思ってくれている正宗の気持ちを聞いて、
政宗から視線をはずす。ちょっとうれしかった照れ隠し。


SLPM TSURUGAJO支社 に着いた。ここがメモの場所。
「ありがとう。ここまででいいから。」
さっきまでの穏やかな正宗ではなく、殺気をまとっている。
独りでビルの中に入っていった。相馬たちはただならぬ気配を感づいていた。


「教えてもらおうか。家康さんの疑惑って何のことだ?」
「教えてあげますよ。我らを倒すことができたら。」

奥にいる上杉と直江は顔を見合わせ、揃って顕現をし始めた。
「やっぱ 狙いは俺か・・・よかった。
家康さんの疑惑ってのは出まかせなんだろ?あの人は世界を変えようとしてるんだ。
そんな人が不正なんてしてなくて、本当によかった。」

政宗はメガネを外し、ケンカをする準備をした。
顕現をした二人はとても強かった。スピードもあるが、連携プレーが抜群で追いつめていく。
(同時に2人を相手にするのは無理だ。)
政宗は攻撃をかわしながら窓に近づき、バルコニーに出た。
顕現をしながらビルから飛び降りる。

「そんなに狭い場所だと、あんたらも存分にやれないはずだぜ!」
こう言いながら、正宗は走って逃げる。後を追う上杉と直江。
(あの2人を分断しなければ、勝機はない。)

追われながら策を考えていたところに家康が現れた。
「どちらか一人を引き受けようか?」

政宗と家康は別々の方向に走って逃げる。
直江は積年の恨みがある家康を叩く絶好の機会だから、家康を追うと上杉に言うが、
「兼續の言う通り・・ではない!
光成からの依頼は、正宗の拉致。我らが追うべきは、伊達正宗のみ!!」
この上杉の力強い言葉で、家康の追跡をあきらめ、正宗に狙いを定める。

誘いに少なくとも直江は食いつくと思っていたのに、かわされてしまった。
家康の姿から元に戻った旭日は家康に連絡を入れる。


SLPM TSURUGAJO支社に駆けつけた小十郎、成実、大内、それに真田も。
部屋は戦いの後が残され、人は誰もいなかった。


1人は戦わずに済むと思っていたが、2人とも正宗を追ってきているので
2対1の戦いは避けられそうにない。
腹をくくった正宗は、工場跡地に入り込んだ。

待ち構えていると、走ってきたのは上杉一人。
直江はどこに・・?と思っていたら上空からパンチを入れてきた。
2人は正宗の前後に立ち、サンドバッグを叩くかのように代わる代わる正宗を殴った。
この前後の攻撃をなんとかほどき、

「なぜおれが狙いなんだ!」
「良くは知らん。家康がお前を必要としている。ただ、天下布武のためだ。」

上杉は腕時計を外し、構えを取った。第2ラウンドが開始・・
やはり正宗を前後で攻撃を仕掛けてくる。
上杉は正宗の腕を取り、腹に重いパンチを入れた。
手のひらで顔面を握る。上杉のこの技から逃れられたものはいない。
政宗が最大のピンチを迎えているときに、

「そいつがやられるのは見ものだが、そいつは俺の獲物。」
ラップで話をしながら相馬たちが現れた。

「何しにここへ?」正宗はこんな時に現れた相馬たちを心配して言った。
「ダチを巻き込んじゃいけない気がするって言ったよな?
ならわかるだろ?俺はお前をダチだなんて思ってねぇ。だから巻き込まれてやるよ。」

ダチだと言ってくれた正宗に加勢しようと来てくれたのだった。
「南奥のテッペン取った男が、こんなおっさんに負けてんじゃねえよ!」

おっさんと言われ、カチンときた上杉は相馬たちを先に片づけようと相手になる。
直江が止めようとするが、直江の相手は正宗。

「分断成功。」「私独りだと勝てるとでも?」
今の状態では正宗と直江の力は五分五分だ。
直江は拳に気を集中させ、正宗にパンチをしようとする。
政宗も拳に気を集中させた。
直江の拳よりも先に、正宗の拳が腹にヒット。直江が吹き飛ばされる。

相馬のうめき声が聞こえた。見てみると、上杉が相馬の顔面を握りつぶそうとしていた。
うめき声が止まる・・・相馬は気絶してしまった。

上杉は、奥で動けずにいた直江の姿を見て
「よくも兼續を!!!」上杉の怒りが頂点に達する。
相馬たちがやられ、正宗の怒りが頂点に達する。
2人は距離を縮めていた。

「シュパッ」
鮮血が正宗の頬に飛んでくる。上杉の頭頂部から血がしたたり落ちてきた。
大柄の上杉の後ろにいた黒鎧。みんなの死角から刀を振り降ろしていた。

上杉は力を失くし、崩れ落ちるように膝をついた。
大きな爆発音と共に、黒鎧はいなくなった。
「上杉さん!!!」
残りの力を振り絞り、上杉の元に駆けつける直江。上杉の意識はまだあった。

「やっぱり兼續は間違いがないな。
お前の言う通り家康を追っていればこんなことには・・・・

大丈夫だ、たいしたことはない。
兼續 うちの近所にな、上手い焼き鳥屋見つけたから、今度一緒に行こう・・・」

直江の腕の中で上杉は逝った。


「また人が死んだ・・・・」
政宗は、上杉の亡骸を抱いて泣いている直江の姿を見ながら茫然と立ちすくんでいた。


石田に、上杉死去の一報が入る。
「黒鎧は豊臣秀吉が所持していたはず。それがなぜ景勝を・・・」

島に家康の始末を依頼する。
「見ていろ家康。SLPM社は必ず取り戻す!!」

打倒家康を改めて心に誓った。



家康のことを信用しきっている正宗ですが、
目の前で人が死んだことで少しは気持ちが変わるでしょうか?
伊達一派!肝心な時にいないんだから!!!


ポケモンのゼクロムとノブナガのコラボです。
ちょっと格好いいですね。



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戦国男士 第20話 第20閃 堅甲 利兵  [戦国男士]

戦国男士 第20話 第20閃 堅甲★利兵

織田信長という真正顕現者が現れたことで、
太原雪斎(板尾創路)研究に拍車がかっていた。

そんな研究室に入ってきたのは今川義元(水谷 百輔)
織田信長との戦いで体はボロボロだったはずだが、2週間でほぼ回復していた。

「やつが顕現できるなんて聞いてなかったぞ!」
「そんな情報は我々にも入ってきていなかった。」

太原は織田信長が真正顕現者。産まれながらの顕現者だと義元に告げた。

「俺を顕現させてくれ。あんたの仕事は顕現を成功させることだ。
俺が実験台になる。で、顕現した俺は自分の仕事をやり遂げる。
2人共ハッピーになる。なんか問題でもある?」

顕現の薬はまだ完成していない。副作用が大きすぎて使用には至っていない。
義元の力は薬を使わなくてもまだ強くなる可能性があった。
修行をすることで、もしかしたら自らの力で顕現できるかもしれない。
太原はそう考えて、義元に修行を勧めた。


義元は修行をしてみることにした。
付き合ってくれるのは半蔵兄妹。兄の半蔵(牧原颯也)と妹の旭日(飯塚萌木)
それと徳川家康(上妻 成吾)

山道を走り込みしたり、遠くにろうそくを灯し、気の力で炎を消す特訓をしたり、
目隠しをしても気配を感じられるように、半蔵に攻撃をしてもらったりしていた。


どれもこれもパッとせず、かなり長期的な訓練が必要だと感じていた。
眠るとき、思い出すのは信長と戦った時のこと。
この戦いを思い出せばどんなつらいこともやり遂げられる気がしていた。

毎日毎日特訓を続けていくうちに、出来ないことが当たり前のようにできていた。
ちょっと自分でも信じられないほどに。
でもいくら体内の気を放出しても、顕現は出来なかった。

気を放出するたびに半蔵兄妹に、顕現のマークが現れていないかを確認させる。
どこにも出ていない・・・自己の力では顕現できないのだろうか・・

以前より絶対に強くなっている。他に足りないものは何なのだろうか?
義元が考えを巡らせているとき

「義元君ってさ、なんでそんなに顕現したいの?」
顕現にこだわり続ける義元に半蔵が聞いた。

「絶対に倒さなきゃなんないやつがいるんだ。
黒鎧っていって、そいつがどうやら世の中をひっくり返そうなんて
とんでもないことを考えている悪人なんだ。
ま、俺にはそんなの関係ねぇんだけど。」

関係がないといいながら、でもなんでここまで頑張り続けるのか??
旭日は不思議に思った。
「俺よりちょっとだけ恰好よかったんだ。最強のやつが、最高カッコいい。」

「じゃあ、カッコ良くなりたいから顕現したいんだ。」
半蔵はまだ子供。義元の真意は掴めていなかった。

「まぁ、そうだ。後は、俺にとって数少ない大切なものを守りたいっていうか・・」

「じゃぁ、私がさせてあげる!
父ちゃんは大切なものを守るために必要な修行だって言ってたんだよ。
義元くんは大切な友達だよ。」

旭日の行動を止めたい半蔵と、旭日は口論を続ける。
兄弟げんかになるほどの勢いだ。
義元には二人のケンカの理由が、いまいちよくわからなかった。

「顕現させてあげる。」旭日がきっぱりと言い切った。


旭日が“授顕の術”を執り行う。構えると、拳に紫色の気が溜まっていった。
ため込んだところで、一気に義元に向かって放出する。
右首筋が痛くて悶絶する義元だが、よく見ると顕現のマークが浮かんでいた。

まだ幼き旭日。だが、今までの修行が功を奏して、“授顕の術”は成功した。



「あんたでも墓参りをするんだ。」
命日以外の日にも墓参りをする父:氏親(下條 アトム)に声をかけた義元。
氏親が振り返り話しかけると、義元の姿がない・・・

声がした方と別の方で話を進める義元。
息子の能力がいつの間にか向上していることに驚いた。
見舞いにも行けなかったことを義元に詫びる。

「そんなの期待しちゃないよ。それより、アジト見つかったらしいじゃない。黒鎧の。」
「でも、お前・・体は・・・?」
義元はストールで隠していた首元を父に見せた。顕現のマークが現れている。

「これで少しは親父の役に立てるのか?」
「すまない・・・・・」

氏親は義元の肩を力強く握り、詫びた。



「太原、薬はまだ完成していないんじゃないのか?」
氏親は太原の研究室に、息子が顕現した薬のことを聞きに来た。

「えぇ、副作用があるうちは完成とは・・・」
「ではなぜ、義元を顕現させた。まさか、義元までもが真正顕現者だとでも言うのか?」


太原には心当たりがあった。家に帰り、子供たちをしかりつける。
「この授顕の術は誰にも知られたらいけないと言ったじゃないか!」
「でも、大切なものを守るための力だって言ったでしょ!
義元くんは大切なものを守るために必要なんだよ!」
「お前たちは何もわかっていない!」

口論を止めるように市(佐伯陽菜子)は太原を部屋に呼ぶ。


「鎧の正体は織田信長だった・・・・」
市にそう告げると黒鎧のことを語りだした。

「第六天魔会に代々受け継がれている古文書が存在して、
そこに真正顕現者の力を増幅させる仕組みが記されているの。
そして、真正顕現者が現れたとき、その者が黒鎧になる。」

「ただの、パワードスーツではなかったのか・・・」
自分の想像していたこととずいぶん違っていたらしく、感嘆の声を上げる。

「鎧は真正顕現者にしか着用することが許されていないの。」

「信長は いや、お前の兄は黒鎧で何をしようとしているのか?」

「天下布武」


“授顕の術”の存在が明るみになれば、
織田の血を引く者は実験の対象にされるに違いなかった。
太原は市に子供たちとすぐに逃げられるように準備を整えておくように言う。

「第六天魔会の血筋を持つ者の定めですから・・・・」


この二人の会話は盗聴されていた。
氏親からの指示「太原の監視」はこういう形でされていたのだった。


太原は研究室に戻り、これまでのデータを一括消去し、荷物をまとめていた。
氏親は研究室に入り、「なぜ、黙っていた。」

太原は氏親の言うことが理解できていなかったが、
さっきの盗聴をICレコーダで持っていた。すでに内容はチェック済みだ。
自分の声が入っているので言い逃れは出来ない。

顕現に関することは、すでに一個人の問題ではなく、
人類の未来を左右する重大なことだと氏親は位置づけていた。

「顕現者を生み出せる術があるというのは本当か?
お前の妻子は第六天魔の血を引いているのだな。」

「家族を巻き込むつもりもなければ、モルモットにするつもりもない。
今までこのプロジェクトでどれほどの被験者が犠牲になっているかわかっているはずだ。」
氏親にこう言われると返す言葉がなかった。



NIHON UTSUKE JUKO この会社の倉庫に乗り込んだ義元。
黒鎧が潜伏していると教えられた場所だった。

「おじゃましま~す。黒鎧くんいますか?」「くろちゃん、あそびましょ♪」
友達の家に遊びに行ったように弾んだ声で挑発をする。
現れたのは、鉄パイプやら鉄バットを持った男たち。
男たちは義元の目の前で次々と顕現していく。

「顕現者?お前ら親父の・・・・」義元は全てを悟った。

「あの時と同じじゃん。今日は酔ってねぇから強ぇぞ。」
以前捕まったのは酔っぱらっていて力が十分に出せなかったから。
今日は酔ってもいないし、顕現の力も得ていた。

義元は片っ端から仮正顕現者を倒していく。


氏親は応接室で葉巻をくわえ、明智光秀(林剛史)と密談。
「そちらの首尾はどうかね?こちらは想定外のことが続いてね、まあ、いい意味でだが。」

「でも、顕現まですると思いませんでした。いいのですか?息子さん。」
「あぁ、最後に親の愛情と言うものに触れられて、満足じゃないのか?
おかげで、ネズミのしっぽをつかむことができ、受顕者という貴重なサンプルも手に入れた。
これで、黒鎧がいなくなってくれれば・・一石二鳥というか、三鳥だ。」


話の途中で部屋の扉が開いた。そこには豊臣秀吉(波岡 一喜)が立っていた。
「お取込み中だが、邪魔させてもらうよ。」
「今日の作業は中止になった。裏切り者が発覚した。」

秀吉は明智に向かってリモコンを投げる。
「危なかったよ。おまえの荷物の中から発見していなかったら
実験中の不慮の事故としてアジトが火の海になるところだった。
おかげでネズミを見つけられた上に、仮性顕現者を一網打尽に出来そうだ。」
「その上、敵の親玉も始末できそうだし。一石二鳥というよりは三鳥だよ。」

「発火装置は他にも仕掛けてあるから。」明智は悔し紛れに脅してみせるが
「でも、あそこには既に何もない。だぁれもいない。」


秀吉は飾りとして置かれていた日本刀に手をかける。ハッタリではないマジだ。

明智は秀吉の本気のときをよく知っていた。
「ち・・ちょっと待ってくれ。」
「お前も知ってるよな。うちの親方様のやり方を。」

刀を手にし、振り向きざまに振り下ろす。
明智の死に顔を見て怖くなった氏親は
「手を組まないか?私の組織と黒鎧があれば、世界を動かすことだってできる。」

「安心しろ。これぐらいの組織、私がすぐに作り上げてやるから。」
氏親も秀吉の手にかかる。


研究室では逃げ出さないように太原は椅子に縛り付けられていた。
かつての助手たちは興味深い実験者たちを自分だけのものにしていたことで
信頼感も何もなくなっていた。

太原の処理を命ぜられた助手たちは、腕に怪しげな液体を注射しようとしていた。
警報装置が働き、けたたましい音と、ランプがクルクルと回りだした。
助手たちは危険を感じて逃げ出そうと扉を開けると、そこには黒鎧が待ち構えていた。
刀を振り上げ、助手を斬り捨てる。

太原は家に戻り、以前決めた安全な場所に行くように妻子に告げた。
盗聴されていたこともあり、場所をきちんと言わなかったがみんな承知していた。
子供たちは、自分たちのしたことがこんなに大事に発展してしまい、
父親に泣き顔を見せる。
「私が行くまで、母さんを守ってくれよ。」
優しいお父さんの顔で子供たちに話した。二人とも大きくうなずく。


太原は研究室に戻った。黒鎧と対峙
「切れ!私を生かしておけば、これから先も仮正顕現者を作り続ける。
必ず天下布武の障害となるぞ!」
太原の腹は決まっていた。

「どちらかが息絶えるまで、この無益な争いは続くのだ。
第六天魔会の宿命に終止符を打つために・・・・私を切れ。」

「子供たちと市は頼んだぞ。お前のアジトに避難させた。」

黒鎧は切腹のときの介錯人のように、背後から刀を振り下ろす。



義元が全員倒して座り込んでいると半蔵と旭日、市が倉庫に入ってきた。
「半蔵か?」
半蔵の姿を見て義元が話しかけようとしたときに、倉庫の奥が爆破された。
瞬く間に火はみんなを取り巻くように燃え盛り、市は持病の発作を起こす。

「この子たちをお願い!!」
義元は上着を脱ぐと子供たちにかけてやり、二人を抱きしめながら

「ごめんな。大切なものを守る。大層なことを言って顕現させてもらったのに、
守るどころか裏切られてた。」

炎があたりを燃やし、大きな柱が子供たちの方に向かって倒れてくる。
市は子供たちに覆いかぶさる。義元は力を振り絞って柱を止めた。
重くて腕だけでは止められず、頭も使ったために血が流れ出してきた。


黒鎧はイマガワ製薬ビルを後にする。
ビルの上階から爆発が始まり、瞬く間にビル全体が崩壊した。
今川の終焉。


「俺何やってんだろ・・信じたくなっちゃったんだよな。カッコわりいな・・・俺・・」
父に愛情を感じ、でもそれが裏切りだったこと。
でも父を信じたかった。役に立ちたかった・・・走馬灯のように頭に浮かんだ。

義元の体の力は抜けて、足から崩れ落ちた。
柱が落ちようとするところに手を出したのは黒鎧。

「黒・・・鎧・・・?」「義元くん!黒鎧だよ!倒すんでしょ?」
旭日の言葉で目を開けた義元。

「くそっ、最高にカッコいいタイミングで現れやがって・・
よしもっちパンチ・・・・」

立ち上がる力も残ってはいなかった。
最後に右手の拳で黒鎧のすねのあたりにパンチを入れる。
入れると言うよりは、弱々しく当てただけ。
そのまま息を引き取った。

市が激しくせき込む。口に当てていた手には血が付いていた。
「ごめんね。守ってやれなくて・・・・」
「兄さん。この子・・・たちを・・・」
黒鎧に最後のお願いを言いかけて息絶えた。

そこにもう一本の柱が落ちてくる。
黒鎧は全身を使って柱を止める。市の最後の頼み、子供たちを守るために・・
この柱が引き金となり大爆発が起こる。


何もかもを焼くつくした大火事。
半蔵と旭日はがれきで座り込むしかできなかった。
焼け残ったテーブルの上に黒鎧が横たわっている。

足音が少しずつ近づく。
来ると約束していた父ではなく徳川家康(上妻成吾)だった。
「行こう!僕と一緒に。僕たちで未来を創るんだ。」

家康が二人に手を差し伸べる。半蔵はためらうことなく家康の手を取った。

全ての仕事を終えた秀吉が倉庫に駆けつける。
「お前たちは、今日から私の子だ。」


横たわったまま動かない黒鎧。中に入っていたのは信長?
鎧を置いていなくなっただけなのか、子供たちを助けるために命をおとしたのか・・
何もわからない。

これが、HONNOUJI の出来事だった。




これが本能寺の変!
顕現の秘密や服部半蔵兄妹のエピソードなど
内容は盛りだくさんでした。
この番外の全後篇で、話がすっきりしたように思います。

そういえば、正宗くんは真正顕現者でしたよね?
狙われてる理由や、秀吉が正宗にこだわるのも理解できます。









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戦国男士 第19話 第19閃 往古 来今 あらすじ ネタバレ 板尾創路 [戦国男士]

戦国男士 第19話 第19閃 往古★来今


10年前、それは顕現の力がまだ世に知られていない時代・・・・

“顕現 BATTLE TOURNAMENT”が、開催される。
一対一の戦い。ルール無用、どちらかが戦えなくなれば終わり。

レフェリー(清家利一)の合図で試合は始まった。
顕現をした二人は戦いを始める。
この様子をネット中継で見ていたのは豊臣秀吉(波岡 一喜)
隣には明智光秀(林剛史)がお茶を淹れていた。

戦う男たちの前に黒鎧が現れ、一瞬で刀の餌食にしてしまった。
二人がやられたのを見たレフェリーは顕現をし、黒鎧に立ち向かう。
鎧刀に対抗するために、側に落ちていた鉄パイプをつかみ胴に力いっぱい討ちこむ。
だが、鉄パイプが曲がっただけでダメージ一つなかった。
危険を感じたレフェリーは後ずさりして逃げようとしたが、上段で刀を振り下ろされる・・

黒鎧がここにいるみんなを殺してしまったことで、中継が切断された。
この一切を見ていた秀吉は、画面を見つめてほくそ笑んだ。



今は使われていない倉庫に置かれている黒鎧。
旭日(服部半蔵)は感慨深げに黒鎧を眺めていた。
そこに服部半蔵(旭日の兄)が現れる。


今をさかのぼること10年前、顕現と言う能力が世に知られる以前の話―――――

この未知なる能力の存在を知って、
日本のとある製薬会社が人類の新たなる進化を目指し、日夜研究が行われていた。


イマガワ製薬株式会社。ここでは黒鎧が出現した時の映像を解析していた。
研究者2名は、同じような顔、同じような体つき。
二人の違いと言えば、一人が話すと必ず言葉を取って話すおしゃべりがいること。
いつも先に口火を切るが、すぐに後を取られてしまう。少し不機嫌そうだ。

「顕現者が・・」
「顕現者が鉄パイプをフルスウィングした時の衝撃は、
およそ10トンは下らないでしょう。」

「信じられん。それをまともに食らっても、傷一つ与えられんとは・・・」
この研究所の所長:太原雪斎(板尾創路)は、この能力に驚いていた。

「ヤツに襲われた顕現者たちは?そうか・・・・」
今川氏親(下条アトム)はノックもなしに部屋に入ってきた。

「ヤツの正体は・・・」
「ヤツの正体は、現在調査中です。」


「今のプロジェクトの完成には、
日本の・・いや、地球上の全人類の未来がかかっている。
これはまさに人類の希望なんだよ。何としてもやつを止めないと・・・」

氏親の言うことはよくわかっているつもりだが、
被験者たちの、もともとの身体能力レベルでは、
到底ヤツに太刀打ちすることはできない。

どうやって対抗すればいいのか・・?

「太原!ヤツを呼び戻せ。」
太原は命じられたまま、部下を伴いビルの地下へと降りる。

一番奥の牢獄の前では、
足さばきの絵床に描いてそれに合わせて訓練する兄妹がいた。
中にいる男は、竹を使って動きをスムーズにできるように指導する。

「これで本当に強くなれるの?」妹の旭日(飯塚萌木)が中の男に問う。
「あぁ、最強のキックが身につくんだ。」
こう言われるとうれしくなって、兄:半蔵(牧原颯也)のやる気が上がる。

「お兄ちゃんは最強のキックが出来るようになりたいの?」
「あったりまえじゃねえか!!!!」
牢の中にいたのは今川義元(水谷百輔)
「男にとっての最強の強さは、最高の格好よさだもんな!」


「お前たち、ここに来ちゃいかんと何度言ったらわかるんだ。」
「お父さんごめんなさい。義元くんと遊んでいたの。」
義元は悪くないと懸命に弁護する旭日。

太原の子供たちは義元を慕ってちょくちょくと遊びに来ていた。
「いつも一人ぼっちで退屈そうな俺と、遊んでくれたんだもんな。」

「父ちゃん、見て!!」
半蔵は絵に合わせて足さばきをやって見せた。
太原は半蔵を褒めるが、今日来たのは別件。
「早く行け!もうすぐ修行の時間だ。母さんが待ってる。」

子供たちをここからうまく引き離した。

「困るんだよ。子供たちに変なことを仕込まれると。」
「遊んでただけよ!あの子たちも大変だよな。
今が一番遊びたい盛りなのに、毎日毎日理由もわかんない修行をさせられてさ。」
「大切な修行なんだ。」「昔っからこれだけは教えてくれないんだ」


「今日は何の用?俺を処刑する日でも決まった?」
太原は大きくうなずき、助手に牢の扉を開けさせる。

「出ろ!これよりお前は私の管理の元、全て指示に従ってもらう。」
「これは命令だ。今となっては、行政より司法より権力のある青方だ。」


「変わんないね、親父も。」
退屈していたから折角の機会だから牢から出ることにした。
大きく背伸びをし、子供たちが残していった足さばきの絵に合わせて足を使う。
飛び上がってから地面に足を降ろすとき、衝撃は重りにも向かう。
チェーンにくっついていた重りが外れた。


義元は階段を歩きながらこの会社の話を助手くんたちに聞く

「遺伝子医療の分野で・・・」
「遺伝子医療の分野で大きな成果を上げた我がイマガワ製薬は、
今やこの日本のリーディングカンパニーへと成長を遂げました。」

「そしてその収益を・・」
「そしてその収益をこの国のさらなる発展に役立てるために、
会長が新たに立ち上げたのが、顕現能力の開発ということです。」

義元を殺しに来たへんちくりんなアザのヤツ・・・でもヘボかった記憶が・・・
でも、ヘボと言われても、義元を捕らえることは出来た。
捕まってしまった理由は、酒に酔っぱらっているところを狙ってきたからと、
相手は8人がかり。仕方がなかった。

「結局何なの、顕現って?筋肉増強剤ってこと?」
「筋肉や敏捷性の向上は効果の一端に過ぎない。」


有史以来、歴史の転換期にいた偉人たちが持っていた能力の全てが顕現によるもの。
チンギス・ハン、レオナルド・ダビンチなど・・・
我々の研究の結果、
脳が臨界の信号を受け取ったとき特殊な物質を分泌することを突き止めた。

義元の目の前で、被験者に特殊物質を打ち込む。
この被験者の胸に、雲から降る雷のマークが現れ、怪力を発揮した。

「で、俺は何をしたらいいわけ?」
実験を邪魔する者が現れた。黒鎧。
こいつは顕現したものを次々と襲い、惨殺している。
でもずるい。顕現した者に自分を捕らえさせようとしたくせに・・・
こんな時だけ力を借りるなんて・・

「それは、お前のために仕方がなかったことだ。」
「俺を守る・・・?まぁ、俺は暴れられる場所がもらえるならどうでもいいけど。」


子供のころを思い出す。
義元(堀田輝平)が小学生のころ、学校で作った工作のロボットが表彰された。
嬉しくて研究室で父が部屋に戻ってくるのを待っていた。

「顕現の正体が判明したって本当か?」
氏親が待ち望んでいた報告。何も知らない義元はロボットを手に父へと駆け寄る。
父は義元に目もくれず、研究報告を聞く。
体を動かしたとき、義元のロボットを叩き落としてしまった。

「早く家に帰りなさい!」怒った口調。
自分の作ったロボットを壊したことすら気づかれていない・・・

この時以来、父とは距離を置くようになった。



義元は、ここ数年行けていなかったお墓参りをする。母の眠る場所。
「やはり、ここにいたのか?」
「外出は禁じられているけど、母親にあいさつぐらいはな。」

父と子の会話。あまりにも素っ気がない。


「で、何で俺?」
「お前に私の会社を、いや、人類の未来を救ってほしい。」
「人類の未来ねぇ・・・・じゃぁ一つ教えてほしいことがあるんだけど。」
「顕現した連中を使って牢屋にぶち込んだのも、人類の未来のため?」
「あれは仕方がなかった。
ああでもしなければ、お前を捕らえようとする警察を押さえ込めなかった。」
「サツ??」



父親に捕まるまでは、いろんなところで暴れ倒していた。
天誅などと大義名分もいいことに、暴力団組織と好き放題に暴れていた。
それは警察も黙認していた。だが利用されていた。
邪魔な組織の連中を潰してくれるのは、好都合。
大方片付いたところで、今度は義元を潰そうとマークされていた。
警察にとって、ここまでした人物は、組織以上の危険人物。

「すまなかった・・・・」氏親は義元に深く礼をする。

父親がこんなことをした理由と、礼を尽くしてくれたこと。
こんなことされると調子がくるってしまうようだ。
でも、自分を見捨てずにいてくれた父のことを恨んでいなかった。
むしろうれしい気持ちで一杯。

「まぁあれだ。人類の未来がどうとかは知らないけど、
俺は、俺が一番強くないとなっとくがいかねぇんだ。」

「最強の強さは。最強の格好よさ・・・・だろ?」
ようやく親子のわだかまりがとけた。



太原の家の庭では、半蔵と旭日が修練に励んでいた。
縁側で見守ってくれるのは織田家三女で母の市(佐伯陽菜子)
病弱で咳き込む母を心配する子供たち。


太原は自分のオフィスで羽目を外して楽しむ義元。
友達の女性を数人引き込んでいた。
その中に少年が一人いた。
徳川家康(上妻成吾)をただの子供ではないと義元は見抜いていた。
今日だけは無礼講として太原もお酒を飲んで楽しむ。

「は・・」
「博士!大変です!!!」


今日顕現した顕現者が殺された。黒鎧はこのビルの中にまで来ているようだ。


部屋で家康とチェスを楽しむ義元。
「義元さま。黒鎧が・・」
「黒鎧が鎧を脱いだという情報が!!」


さっそくツラを拝もうと家康を伴って出かけようと外に出たら

「ちょっと!水臭いじゃぁないですか!!!」
声をかけてきたのは朝比奈泰能(宮川康裕)と朝比奈泰朝(菅原健志)
朝比奈兄弟!義元と一緒にやんちゃをしていた仲間。

「聞きましたよ!なんか、祭りがあるらしいじゃないですか?楽しませてくださいよ!」

聞いた?そんな話、誰から聞いたのだろうか?
朝比奈兄弟の所に連絡を入れたのは氏親だった。
自分のことを本当に心配してくれている。これまでにないうれしい気持ちを感じる。

「いいか!俺の獲物に手を出したら、殺す!」
口調や態度も依然と変わらない。仲間は変わらない義元がうれしかった。

朝比奈兄弟に呼ばれて出てきたのは岡部元信(伊藤俊)
のぼりを何本も付けたママチャリに乗ってやってきた。
義元は免許を持っていないので、コレに乗って出陣!!
でも、義元以外の者が免許を持っていたら、乗せて行けばよかったはず・・
そこまでは頭が回っていなかった。
のぼりが邪魔でふらふらとしたハンドルさばきで出かけていった。


廃工場の中のドラム缶だらけの後ろに陣取る伊達成實(石井出海)
手招きして伊達正宗(大田愛翔)を呼ぶ。
「本当にいたんだよ!自転車に何本も旗を立てて、電柱に当たりながら走ってたんだ!」

チリンチリンチリン!自転車のベルを鳴らしながら廃工場の中に入ってきた義元たち。
なにかに激突しては豪快にこける。

成實と正宗はそのコケている姿が面白くて仕方がない。
大きな声で笑う成實を慌てて正宗が制止する。

奥から、全身黒の服、黒のロングコート姿の黒ずくめの男。
胸元から金色のクロスのネックレスが輝いていた。

義元の自転車がこの男の目の前で止まり
「たまには鎧もクリーニングに出さないとな!
あんたが中の人か?あんたのせいで家が迷惑しちゃってんだよね。」

義元は首にかけていたストールを外し、
「だから、やられちゃってくれない?」

相手に向かって走り込みながらパンチを繰り出す。
力は互角?どちらかといえば、義元が劣勢に見える。

「いいね!たのしいねぇ!!!」
久しぶりのケンカに義元の心は躍った。

「じゃぁ、これは?」
半蔵が義元の房の前で練習していた足さばきをし、アレンジを加えて蹴りを入れる。
肩元を重いキックが入る。黒ずくめの男は床に倒れこんだ。

「あれれ?そんなもん?やっぱ、鎧が無いとただの人なわけ??
続ける?それとも帰って鎧を着てくる??」

完全になめられた。黒ずくめの男は立ち上がると静かに顕現した。
右腕にドクロのマークが浮かび上がる。
顕現をしたら、後光が差すかのようなオーラが眩しく光った。


義元と黒ずくめの男のスピードが全然違った。
義元は黒ずくめの男の俊敏さについて行けず後ろを取られた。
後頭部にキックが入り、気を失う。

戦いの様子を見ていた朝比奈兄弟と岡部は、
そばにあった鉄パイプを手に取り攻撃をかける。

「後ろ!!!!」
黒ずくめの男の背後から迫る敵を見つけた正宗は思わず叫んでしまった。

黒ずくめの男は、3人まとめて吹っ飛ばしてしまった。
そのときにつけていたネックレスが外れる。

黒ずくめの男はそれを拾い上げて正宗の方に投げた。
(これが今の正宗がお守りのようにつけているネックレス。)


家康は倒れている義元の元に駆け寄る。一緒に来た太原は愕然としていた。

この戦いの全部を氏親に報告する。
「黒鎧の正体は、織田信長。生まれついての顕現者。つまり、真正顕現者・・・」

「一日でも早く、完全なる顕現者を作らねば・・・」
「はい!」太原は力強く答える。急いで研究室に戻っていった。

氏親はケータイを取出しどこかに電話をかけた。
「太原を監視しろ。」
太原が監視される理由はどこにあったのか?


与えられた一室で手当てを受けた義元は、ベッドに寝そべりニヤニヤしていた。
「俺より最高のヤツがいたんだ。こんなうれしいことはないだろ!」
見舞いに来てくれた半蔵、旭日、家康に話す。

この世で自分が一番で最高だと思っていたが、それを上回るヤツがいた。
本気を出して戦える相手がいたことがうれしくて仕方がない。


秀吉は黒鎧を眺めながら
「この腐りきった世界を変えるには、偽顕現者など必要ない。
第六天魔会、直系顕現者である真正顕現者である信長さまの圧倒的な力で
天下布武も成しえる。」

秀吉は第六天魔会と書かれた書物を手に取り、
石田は黒鎧にいろいろなコードを取り付けて研究している。
秀吉と石田はいったい何を始めるつもりなのだろうか?
このことは織田信長と関係があることなのだろうか?





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戦国男士 第18話 第18閃 英雄 欺人 あらすじ ネタバレ [戦国男士]

戦国男士 第18話 第18閃 英雄★欺人

「今、ネット上でどんな噂が流れているか?知らない人はいないでしょう。
新しい日本を望むのなら、憎しみがもたらす負の連鎖を経ちきる必要があるんです。
憎しみの心はもういらない。そこから、新しい僕たちの時代を始めてみませんか?」


徳川家康(田中 康寛)は豊臣秀吉(波岡 一喜)の追悼式で語った。
この言葉はネット中継され、かなりの国民が見守る中、新しい指針を語る。
家康は、SLPM社の社長代行 石田光成(大口 兼悟)を押しのけて
ニューリーダーに躍り出たような形になった。

ネット住人の関心は光成のネガティブキャンペーンの継続から、
ニューリーダー家康の動向を見守るように方向転換を始める。


この中継を伊達正宗(滝口幸広)、片倉小十郎(内田譲)、大内定綱(片岡信和)、
3人で見ていた。
政宗は家康の言葉が虎哉和尚(鶴田忍)の話していることと同じで、共感を覚え、
大内はただ素直に凄いと感じている。
小十郎はスピーチの内容よりも、家康の側にいる秘書の旭日(佃井皆美)に驚く。

この顔には見覚えがあった。
伊達一派に入るまで、自分をずっと付け狙っていた謎の忍びと同じ・・・
調べずにはいられない。

小十郎単独で、出没しそうな場所で張り込み、後をつける。
今は使われていない廃工場に入っていった。数拍おいてから小十郎も中に入る。

謎の忍びは小十郎がつけていたのを知っていた。
小十郎が中に少し入ったところで上から奇襲攻撃をかけてきた。
すばしっこく動く謎の忍びに、決定的な攻撃を与えられない。
小十郎は飛び上がりながら顕現し、そのまま攻撃をかける。
ようやく相手のスピードに追い付けるようになった。

殴るとみせかけて、キックを繰り出したとき、
謎の忍びがいつも身に着けている頭巾に足先が当たった。
かぶっていた頭巾がとれ、顔が見える。

「久しぶりだな、片倉小十郎。」小十郎に向かって声をかける謎の忍び。
「あなたですか・・・・・」
小十郎と謎の忍びの間にどんな接点があったのだろうか。


家康の追悼式典は成功した。それは光成にとっての失敗。
会社の窮地を救うどころか、乗っ取られるかもしれない危機感を感じていた。

社長代行になってから、政治の世界に進出しようと有力議員と親交を温めてきた。
その議員たちも光成を見限り始めている。
お金を使ってなんとか繋ぎ止めているが、どこまで有効なのかがわからないでいた。


家康の中継を見て、慌てて社長室に入ってきた浅野長政(長谷川 朝晴)
光成が会社のことよりも、政治のほうに目を向けていること知り声を荒げる。
浅野の話はいちいちしゃくに障る。

「クビだ!クビだ!お前はいつも私の失態を問い詰めるだけで、
何の解決の方向に進んだことはない。そんな者わが社にはいらない。」

「死ね!!!!!」
何があろうとも尽くしてきた浅野は光成に食って掛かろうとする。

「オマエ、イラナイ。」
警護として社長室にいた島左近(坂田 聡)が浅野を追い出す。


カフェで家康、旭日と話をする正宗。傍らには静かに小十郎がいた。

「昨日のスピーチ、共感しました。でも、幹部の件はお断りします。」
家康はさほど落胆していない。こうなる事も想定の範囲内だったのだろう。

「どうしてもSLPM社という組織だけは信用でき無くて・・・」
でも、なぜ正宗が幹部として声がかかったのだろうか?

「なんかフィーリングかな?
それに、豊臣秀頼(橋爪遼)が慕うのは、僕の他には君しか見たことがないから。」

「たいして何の役にも立たないかもしれませんが、
何かあったときには、言ってください。俺、家康さんの手伝いならします。」
「じゃぁ、こんど僕のオフィスに遊びにおいでよ。」「はい!」

政宗は家康のことを信じているようだ。慕う兄の一人といった感じ。
小十郎は、まだ旭日のことが気になっていた。


オフィスを使わず車の中で次の策を練る、上杉景勝(鈴之助)、直江兼續(山本匠馬)
家康のところに潜入させていた顕現学生からの報告を確認。

”家康のところは動きが活発になってきている・・・”
「こちらから、社会人らしい礼儀で宣戦布告してやりますか?」直江は上杉に聞くと
「兼続らしく、社会人らしくだ。」

直江はケータイを取出し家康にメールを打つ。


Buke Show Hat 家康のオフィスでは、家康の同志たちがPC前で忙しそう。
ここが拠点となって動き出すときも近いのだろう。

家康にケータイメールが入る。
それは直江兼続からで、“Fuck you! (`△´)凸 ”
とても社会人らしく、兼続らしいメールだ。

家康は横目でメール内容を読むと、
「旭日、あれ実行するよ。」

本格的に動き出すことを決めたようだ。トリガーはどうやら直江からのメール。

本田正信(井田國彦)を呼び、本田に向かって何も言わずに首を縦に振る。
初老のおじいさんのようだが、心得ているらしくすぐに作業に取り掛かる。


土砂降りの雨の中、思いつめたようにサックスを吹く小十郎。何かを決意したようだ。

小十郎は朝早くから山登り。道なき道をわけ進む。
ようやく山の中腹あたりまで歩いてきた。
ポケットからはがきを取出し、景色と絵手紙の景色を照らし合わせる。
同じような高さに、同じような景色・・

この手紙、伊達成実(平野 良)から送られてきていた。
“片倉くん、元気か?
俺はドシドシ元気でやっているから、心配すんな!じゃあな!”

この絵手紙だけを頼りに成実を探しに来ていたのだった。
さらに山を登り、川沿いに歩いて行くと、赤いスカジャンが大事そうに干してあった。
背中にはムカデのマーク。これは成実のスカジャン!
ようやく小十郎は成実にたどり着いた。だが、寝ぐらにはだれもいない・・・
あたりを探して回ると、そう遠くない場所で人の気配を感じる。
それは全方向からで、どこに存在があるのかつかめない。

背後に気配が!小十郎が振り返ると
「ひさしぶりじゃねえか。」髭面で笑顔の成実が立っていた。



廃工場を拠点としている黒鎧。
黒鎧は歩きながら足元の力が抜けて、崩れ落ちるように膝をついた。
助け起こす謎の忍び。


ビルとビルの隙間に、雨露をしのげる場所を見つけた北条氏直(三浦力)
父の敵を討つ。これだけが生きている理由。
秀吉亡き後、狙うは石田光成。顔を忘れないように新聞を切り抜き復讐心を募らせる。

誰にもばれない場所だと思っていたのに、大柄の男がやってきた。
「お前が北条氏直だな?心配するな、味方だ。」



小十郎が正宗の現状を成実に話す。
話しを聞きながらも修行は欠かさない。手裏剣を前方の木に投げつけていた。
「SLPM社のことは何もわからないが、忍法は少し開眼したぜ!」

成実の目に迷いは消えていた。
「戻りましょう。今の正宗くんにはあなたが必要です。」

「けどよ・・・俺は他人の力を借りて、ババーンと顕現しちまってるから
政宗が許さねえだろ・・・」

ずっと居場所を教えなかったのに、小十郎にだけははがきを送った。
“迎えに来て欲しい”のメッセージだったに違いない。

「黙っていてごめんなさい」小十郎が成実に深々と頭を下げる。
「実は・・僕も同じなんです。彼らの力を借りたんです。」

「正宗くんと出会うまでは、ずっと彼らを避けてきました。
ですから、正直この決断は迷いました。でも、この選択しかないという結論に至ったのです。
伊達正宗について行くと決めた男として。」

小十郎は服部半蔵(兄)から力を授けてもらい顕現できるようになったのだった。

「えぇ!!!そうだったんだ・・・・」
「彼を守るためなら、手段を選んでられなかった。」

二人とも思っているのは伊達正宗を守りたい、側にいたいということだけ。
他の理由は何もない。

「戻りましょう。本来我々がいなければならない、あの場所に。」
成実の心は揺れた。


「見つけた・・・SLPMゼロのデータ。」本田は凄腕ハッカーだった。
メインコンピュータはSLPM社にとっての命。
そこを掌握するための鍵を見つけたのだった。

「みんな!いよいよだ。後は頼んだよ。」



小十郎は一人で下山した。正宗と大内にありのままを話す。
「・・・というわけで、もし成実くんを許せないのでしたら、僕も同罪なんです。」

「小十郎!本当に体は大丈夫なのか?」
一番心配していたのは体のこと。
他人の力を借りて顕現した時の影響が出るのが怖い。
怒っていても、体のことは心配でしかたがない。

「ええ、今のところは全く・・・」

大内は顕現を失って、2度も顕現をさせられていた。
それでも体に問題がないから大丈夫だと、正宗を安心させるように話をする。

「成実は?」
「何度も戻るように勧めたのですが、首を縦に振りませんでした・・」

不動明王の顔をじっと見つめて考えをまとめる。
「小十郎。成実のところに案内してくれないか?」


こじれた糸をほぐすには、会って話をしないと始まらない。
3人で成実のいる山に行こうとしていた。
寺の入り口にバッグを抱えてしゃがみこんでいる成実・・・

立ち止まってしまった正宗。大内はそっと背中を押す。
「お前、体大丈夫なのか?」「うん。」
「あの時はすまなかった。」「もういいよ。」


「おかえり成実。」政宗は成実に手を差し出す。
「ただいまちゃん。」照れておどけて見せた。いつもの成実だ。

ようやく伊達一派、全員がそろった。心のもやもやも晴れ、笑顔が戻る。

「もしちょっとでも具合が悪いときは、3人共絶対無理しないと俺に約束してくれ!」



「出来た。これでSLPMのPLC産業用制御システムに入り込めます。」
本田が新しくプログラミングを立てた。後はキーを押すだけ。
旭日はためらうことなく、キーを押した。

SLPM社の電気が一斉に落ちた。
予備電源ですぐに復活するが、これが初期化の合図。

ちょうど真田幸村(橋本淳)も社に来ていた。
何かがあったと思い社長室に入ると、社長が座るはずの椅子に家康が腰かけていた。

「あれ?今度は家康くんのものになっちゃったの?この部屋。」
「ううん。これからは誰のものでもない。」

旭日から電話が入った。
「セキュリティシステム、掌握完了。
今後メインサーバーにアクセスした端末は、全てクリックジャッキング可能です。」
「これより、フェーズⅡに移行します。」

社長室のPCをクリックすると、SLPM のロゴが家康のロゴに変わった。

「幸村にも、これからたっくさん仕事してもらうよ。」
「いいよ。ヒマだから。」


石田はこのときに出かけていた。部下から報告を受ける。

上杉と直江は車の中でPCの監視をしていた。
家康のロゴに変わったことを確認すると、車をどこかに走らせる。

政宗は成実のおかえりパーティとして鍋を作った。
みんなで囲む鍋は最高においしい。
やっとそろった仲間との楽しいひと時を過ごしている。

氏直は自分の居場所を探してきた謎の男から、父を殺した本当の犯人を聞かされる。
「じゃぁ、親父を殺ったのは黒鎧だっていうのか?くそっ!」
真実を告げた謎の男は、氏直が悔しがる顔をみてほくそ笑む。


真田は家康がいなくなった社長室の机に腰かけて、部屋からの景色を眺めていた。
家康はビルの屋上から景色を眺める。

「いよいよ始まるよ、信長さん。
秀吉のおじさんには出来なかったあんたの理想、僕が叶えるからさ。」

後ろに控えていたのは、旭日と謎の忍び。
旭日は着ていたコートをはぎ取ると、謎の忍びに変化する。

「信長さんが残していった この、半蔵兄妹と一緒にさ。」

黒鎧は廃ビルの地下で雄叫びをあげる。





家康の本性が少しづつ出てきています。
半蔵兄妹!!!
服部半蔵が二人もいたとは!ということは、彼女ではないんでしょうかね。
政宗の胸につけているネックレスのチャームがきれいになったように思いました。
そういえば、ブログで新しいのと変えたと出てましたっけ?


黒鎧、本当にいったい誰でしょう?
こんな感じの兜をかぶってますので、やっぱり!



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戦国男士 第17話 第17閃 流転 無窮 あらすじ ネタバレ [戦国男士]

戦国男士 第17話 第17閃 流転★無窮

豊臣秀頼(橋爪遼)は伊達正宗(滝口幸広)に手紙をしたためる。

マー君へ
先日はダディの告別式やいろいろと、ありがとうございました。
正直 僕自身、
突然いろんなことが周りでいっぺんに起こって、何が何かわかりません。
でも、ダディがいない今、僕が頑張るしかないと思っています。

今回、石田さんの勧めで 自分の視野を広げるためにも留学することにしました。
マー君と過ごした日々は、とっても楽しかった!
いっぱい、い~っぱい!ありがとう!
また落ち着いたら手紙送るね!
秀頼


黒服の男が持ってきてくれた手紙を読む正宗。
別れは突然に、手紙と言う形でやってきた。



「おじさんが死んで、空っぽになったのは秀頼だけじゃない・・・・・」

真田幸村(橋本淳)は狂ったように喧嘩に明け暮れていた。


SLPM社の社長代行室(元社長室)では、
三成(大口兼悟)が鼻歌交じりに遺品の整理をしていた。
整理というよりは、この部屋にある品を無造作に捨てているだけ。

デスクには、社長代行として取材を受けた雑誌や、新聞が置かれていた。
その横には、石田を受任者とする後見人委任状。
留学と称して国外に秀頼を追いやり、実質SLPM社の社長になったようなもの。


石田は気配を感じて扉の方に向き直ると、真田が立っていた。
「おじさんにいっつも忠実めいたことばっかり言っていた人が、
よくそんなに遺品をポイポイと捨てられるねぇ。」

世間を知らないガキがわかったような口をきくのが気に入らない。
「社長の存在は偉大だった。でも、大企業のトップを預かる者として、
いつまでも悲しんでばかりいられない。」

「トップ?本当に秀頼があんたを後見人に選んだの?」

何も話さず、もくもくと部屋にあるものを捨てていく。
真田は小さい金色のひょうたんを見つけた。捨てられる前に拝借する。


真田が社長室にわざわざ出向いたのは、
徳川家康(田中康寛)が話していたことが本当かどうかを確かめるためだった。
家康の言った通り、社長気取りの石田の姿を見た。
次は家康の本当の姿を見るために、顕現者の幹部を集めた集会に行くことにする。



ビルを出ようとした時に出会った、上杉景勝(鈴之助)と直江兼續(山本匠馬)
真田は家康に言われて社長室に行ったら、
社長気取りのおっさんがいた。ことを二人に話す。

直江は家康に言われて来たことも気になったが、
石田が地固めを着々と進めていることも気になった。



この際だから真田は 上杉のおじさんに聞いてみたいことを率直に聞く。
「おじさん、何でいつも “兼続の言う通りだ”しか言わないの?」
「兼続は、間違いがないからだ。」
上杉が兼続に寄せる信頼は厚く、強固なものだった。


ビルから出てくるのを待ち構えていたのは片倉小十郎(内田譲)
真田から石田という人物の話を聞きに来ていた。
それというのも、今ネット上で話題になっているのは
石田光成の経歴詐称疑惑や、パワハラで部下を自殺させたのではないか?など・・

秀頼誘拐事件の時以来、正宗の存在を面白く思っていないようだから、
政宗に何か害が及んでからでは遅い。先手を打っておきたいと考えてのことだった。

小十郎が正宗に寄せる信頼や思い。それに、上杉が兼続に寄せる信頼。
今の真田にはとても重かった。


「あなたは?今度は誰について行くんですか?」
痛い所を突かれた。
時勢を読んで付く相手を変えていく生き方しか知らなかったからだ。
「僕は、僕だよ。」



割烹 佐和山 出てきたのは政治家と石田。
写真を盗み撮りされ、すぐにツイッターでアップされる。
若者の関心は今、石田に向いていた。
誰かが石田を見つけたら、すぐさま動向がアップされる。
ネガティブキャンペーン。石田を含むSLPM社が損をし、誰が得なのか?

走り出した若者の行き過ぎた行動に終わりがなかった。


石田は浅野長政(長谷川朝晴)から報告を受ける。
かなり怒っているものの、体制が整うまでの辛抱だと思っていた。
ネットでのことは事実無根として処理するように指示をする。


いつもの埠頭に真田を呼び出した正宗。
政宗は北条氏直(三浦力)が今どこにいるのかが知りたかった。
真田は小田原学園の一件から姿も噂も聞いていなかった。

2人で話をしているところに、血相変えて走ってきた小十郎と大内定綱(片岡信和)
けんかでも始まったか、真田の後ろにいる人物に呼び出されたか、
心配して来てくれていたのだった。
また仲間の信頼を見せつけられて居たたまれない。

「用が済んだならもう行くね。」ここから早く立ち去りたかった。

「あのさ、今度お礼にご飯でもごちそうするよ!」
「僕、そんなにヒマじゃないからいいよ。」

真田は一緒にご飯が食べたかったのか?食べたくなかったのか?
いつもヒマだと口にしているのに、素直に返事ができなかった。

真田は3人で楽しそうに帰る後姿を見ながら、幼い時を思い出していた。



小さい時から一人ぼっち。生きていくのが精いっぱいだった。
何かを盗まない限り食べるものもない。今日は市場で果物を盗んだ。
店主にはすぐにバレ、追いかけられる。
無事に逃げ、果物を食べていたら上杉がこっちを見ていた。
上杉はたまたま逃げている真田を見かけ、気になってつけていたのだった。

上杉は真田の手を引いて秀吉に合わせる。
秀頼は父に抱かれ、本を読んでもらっていた。
真田は初めて父という人を見た。

「幼いころから何の後ろ盾もなく、生き抜く術すら知らなかった僕が、
弱肉強食の世界で生き抜く法則・・・一番強いものについて行くことだけだった。」


Buke Show Hat この建物の中に入ることが正解なのだろうか?
だが、家康の言い分は当たっていた。とりあえず中に入ってみた。

大学生ぐらいの若者が集うサロンのような会場に、足を踏み入れた真田。
自分が浮いているだけだと思っていたが、一人不釣り合いなおっさんが混じっていた。
その人の横に座る。
ほどなく家康と旭日(佃井皆美)が現れる。

「みなさん!よく集まってくれました。
みなさんは顕現者の中でも特に優秀とされる、言うなればエリートです。
誰よりも強く、優れた力を持つみなさんこそ、
古き日本を破壊し、新しい日本を築くべく英雄となる存在です。」

「そんなみなさんに僕の方からの提案があります。
先日、僕らのようなはみ出し者に顕現という偉大な力とチャンスを与えてくれた
我らが父と言うべき人、豊臣秀吉氏が亡くなりました。
我々は彼の死に対し、最高の礼を持って弔わなければならないのだと考えてます。」

この発言に会場のほとんどの人が賛同した。
会場にいたおっさん。島左近(坂田聡)はぶつぶつと何かを口にしながら会場を後にした。


その姿を家康は横目で確認しながらも演説は続く・・・

「息子の秀頼氏を旗印に追悼式を催したかったのですが、彼は海外留学中。
ならば代わりに我々が追悼イベントを主催しようと考えてます。いかがでしょうか?」

誰も意義を唱えるものはなかった。満場一致でイベント遂行が決定する。


このBuke Show Hatの集まりを、外でこっそりとみていた直江。


家康は真田を味方につけたいと思っていた。なので、真田だけは別格。
イベントは自由参加でいいと言われるが、そんなことよりも真田は家康に頼みがあった。



まだ石田のネガティブキャンペーンは終わっていなかった。
接待で、高級クラブで飲んでいると、その店の防犯カメラから映像を抜かれ、
家の庭でゴルフをしていたら盗撮され、
また、料亭の接待が盗撮され、
休日に子供と公園で遊んでいたら盗撮され・・・・
家も外も・・どこも安らげる場所がなかった。

手足として動いてくれている浅野長政(長谷川朝晴)、上杉、直江に当たり散らす。
のんきに怒るだけでは済まなくなっていた。
石田本人だけでなく、家族にも被害が及んできていた。

「こんなものはでっち上げ!何者かの陰謀だ!
世間の誤解を解くためにも、明日の会見は、何としてでもやる!」

「僕も、今回のことは本当に遺憾に思っています。」部屋に入ってきたのは家康。

自分の方にも抗議が殺到して静観していたが、
そうも言ってられない事態まできているので様子を見に来ていた。


今の状況を打破するために、家康が若者に話をすることになった。
若者には若者が言った方が話は通じやすい。
ただ、命の保証はできないので
石田には表だった行動は慎んでもらい、会見は中止するように進言する。

「会見だけは中止にできない。脅迫など、どうせ口だけにすぎん!」

「僕ら若者をなめたら、痛い目に遭いますよ。
ネット上で騒いでいるだけ・・・なんて思っていたら大やけどします。
時代は変わったんです。よその国の若者が何か行動を起こすと、
次の日には、別の国の若者が反応し、行動を起こす。
世界は共鳴し、動いている。口だけでなく、実際に行動するんです。

今回の件、明日の夜の会見も含めて 僕に任せてもらえませんか?」


豊臣秀吉追悼イベントが始まった。SLPM社らしくネット配信されている。
会見も含めて全部を家康に任せた石田。配信された映像を見ていた。
横にはスキットルで酒を飲んでいる島がいた。
「そいつ・・・うそつき・・」

上杉と直江も配信を見る。
「あの家康というガキ、食えませんね。」
「兼続の言う通りだ。」
言葉はいつもと同じだが、持っていたペットボトルを握りつぶす上杉。

政宗と小十郎、大内。3人も配信を見ていた。
「人に対して、ネガティブな感情を持てば、必ずそれは自分に返ってくる。
つまり、憎しみは己に刃を返す・・・・」
そう演説をする家康の言葉は、
いつも話して聞かせてくれる虎哉和尚(鶴田忍)と同じだった。



「良い演説だったね。」廃倉庫にいるのは真田と家康。
「でもやっぱ、こういう形でしか伝わってこないんだよね。
ごめんね。わがまま言って。」

真田がしたお願いは、二人でタイマンを張ることだった。

「こんなことで幸村が納得するなら、僕はいつでも付き合うよ。」

真田の先制攻撃でケンカが始まる。戦いは終始、家康有利で運ぶ。
真田は殴られながら、また意識が過去に戻った。

秀吉の優しい微笑み、自分に向けられていた愛情。
それらを全部洗い流すかのように、一撃一撃と食らっていく。
ボディに痛恨の一撃を受け、倒れこんでしまう。もう立てそうにない。
寝そべっていると、ポケットから以前拝借した黄金のひょうたんが転がり落ちる。

勝負はついた。家康は倒れこんでいる真田に手を貸す。
倉庫のシャッターが開きだした。まぶしい太陽の光が、倉庫に差し込む。
旭日が迎えに来ていた。


ポケットから落ちたひょうたん。もう拾い上げる必要なない。
新しい関係を築いた真田と家康はその場を後にする。





体を動かすことでしか悲しみを拭いきれない。
悲しいからこそ動きで紛らわせる・・・
真田の悲しみがたまらなく痛かったです。

石田もかなりどんくさいですね。
こうなる事は最初から分かっていたはず。
先手がいくらでも打てたのに、残念です。
敵を作ることしかできないタイプでした。



ラピスは身代わり石だと言われてます。
秀吉の病気もひょうたん型のラピスだと吸い込んでくれたでしょうか?



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