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牙狼<GARO> 闇を照らす者 第10話 ネタバレ長澤奈央 大浦龍宇一 [牙狼<GARO> 闇を照らす者]

牙狼<GARO> 闇を照らす者 10話 誓 Promise

帰宅した北島遙華(高良光莉)は、バッグの中にケータイがないことに気づいた。
どこにあるかわからない状態で夜を過ごすのは心もとなく感じ、
夜の学校に忍び込んだ。
教室に滑り込み、置いて帰ったサブバッグの中を探り、机の中を探った。

「あった!!よかった~」

机の中の、教科書の下敷きになっていた。
ケータイを見つめながら安堵して、笑みがこぼれる。


いつもはにぎやかな音が響き渡る廊下、今聞こえて来るのは遙華の足音だけ・・
来るときはケータイの有無が気になって何も考えなかったが、
不気味なほど静かな学校に恐怖を感じてしまった。
少しの音にビクビクしながら、足早に歩いて帰りを急いでいた。


「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」

階段の上部から男子の叫び声が聞こえてきた。
恐怖は増し、遙華は声の方に目線を送る。
そこに映し出された影は、
口元が花が花弁をひろげるようにぱっくりと開く異形の者・・・
怖さのあまり、足早に逃げ出した。


10話 誓 Promise

ボルシティハイスクールに通う北島遙華。
昨日の恐怖が覚めず、朝一番に友達に昨日のことを話した。

「本当に、すっごい怖かったの!!」
「それって、もしかして道外流牙だったりして♪」

女子高生がネタに使うほど、流牙のことは世間に知れ渡っていた。
遥華の話もネタの一つとしか思われていないようで本気で聞いていない。

それでもまだ信じてもらおうと話す遥華は懸命に話しを続ける。
窓辺にたたずみ、ヘッドフォンで音楽を聞いていた
坪井浩輝(高杉真宙)と目が合った。

「あ!坪井のお父さんって、SG1なんだよね?」
思い出した遙華は坪井に話しかけた。

「あ~ ごめんね坪井、遙華ふざけているだけだから・・」
ヘッドフォンをつけていて遙華の話を聞いていなかった浩輝が
話を聞こうとヘッドフォンを外そうとしたとき、
先に話を聞いていた友達が話しを途中で止めた。

ヘッドフォンを着け、いつも音楽を聞いている
そんな坪井に相談してもムダだと感じていた。


ヘッドフォンは誰かに話しかけられないようにする、浩輝にとっての鎧だった。
音が流れているわけではなく、実は遙華の話は聞こえていた。
話しをするきっかけを奪われ、声をかけることができなかっただけだった。



チャイムが鳴り、遠山未歩先生(長澤奈央)が教室に入って来る。
遙華はなぜか着席出来なかった。

「北島さん、どうかしたの?」
いつまでも着席しない遙華を心配して声をかけてくれた。
先生は味方してくれる!確信した遙華は話してみることにした。

「昨日の夜、学校で怪物を見たんです!本当なんです!!」

真剣に話しをしたのに、教室中が大爆笑。
「北島さん、成績優秀のあなたが冗談なんて珍しいわね。」
やっぱり誰も本当の話だと思ってくれなかった・・・


放課後。トボトボと学校を出ようとしたときに友達に声をかけられた。
変なことを口走るのは、勉強のし過ぎでストレスが溜まっているからだと
遙華を遊びに誘ってくれた。

前を歩く坪井を見た遙華。
友達の誘いを断り、坪井の方へ走り出した。

パーカーにジーンズ、目深にキャップを被り
門に隠れて、学生たちの様子を道外流牙(栗山航)が見ていた。



学生たちが近くにいない場所まで遙華と浩輝は無言で歩く。
「あのね、本当に怪物を見たの!男の人の悲鳴も聞いたわ。」
不意に遙華が話し始めた。

怪物を見たのは遙華にとって衝撃が強く、
見て見ぬふりをできそうにもなかった。
少しでも心が軽くなるように、
SG1にも連絡したし、いろんな人に話した。

でも、いたずらや気のせいで片付けられてしまい
誰も本当だと信じてくれなかった。
坪井くんがSG1であるお父さんに話してくれたら
信じてもらえるのでは?と考えて坪井に話したのだった。


「俺から父さんに言ってみるよ。」
真剣な顔をして怪物のことを話す遙華を見て、肩入れしたくなった。
浩輝は真っ直ぐ遙華を見ると、静かに答えた。

「ホント!?ありがとう!坪井くんって、案外優しいんだね。」
あいさつ程度しか言葉を交わしたことがないクラスメイトが自分の味方になってくれる
遙華はとてもうれしかった。浩輝に向かって満面の笑みを見せる。

そんなほほえみで女子から見つめられたことがない浩輝は
思わず視線を外してしまった。

そんな浩輝の気持ちを知ってか知らずか、
遙華は浩輝が手に持っていたヘッドフォンを耳に当てた。

クラスの様子を知る必要のない登下校は音楽を聞いていた。
流れた曲は、シン(6話)がホラーの力を使わずに録音した“BRIGHT HOPE”
メジャーデビュー曲だった。

「カッコいいね!いい曲♪」

自分の趣味に同調してくれる初めての人が出来て浩輝は嬉しかった。
遙華のケータイが鳴り、
母親の誕生日サプライズを弟とするために帰ろうとする。

「あ・・明日!ディスクを持って行くから!!」
「うん!楽しみにしてる!!」



特別な友達が出来て何だかうれしかった。
仏壇にいる母の写真に帰宅の挨拶をしながら、遙華の笑顔を思い出して笑みこぼれる。

浩輝の母は他界していた。今は父と二人で一戸建て住宅に住んでいる。
父はSG1の仕事が忙しく、泊まり込みの日々が続いていた。
一人でいるには広すぎる家だった。

「また泊まり込みになる。
明後日の三者面談には必ず行く。 父」


そっけないメモを読み、父の忙しい原因“道外流牙”を恨んでいた。



次の日、教室でシンのディスクを渡そうと
頬を緩ませながら遙華の登校を、いつもの窓際で浩輝は待っていた。

始業のベルが鳴る。まだ遙華は来ていない・・
約束したのに・・・・

「え~ 授業の前にお知らせがあります。
急なことですが・・北島遙華さんが転校しました。」
遠山先生が淡々と話す。
浩輝はその言葉の意味が理解できずにいた。

「先生も残念に思っているわ。みんなによろしくと言付かっています。
じゃあ授業を始めます。ボルシティの成り立ちについて・・・・」


バケモノのことを気にして、話をしたことがない自分に話しかけてきた。
事の顛末を聞かずに転校するのは不自然過ぎた。
浩輝は放課後、遙華の家を訪ねた。

表札は外され、呼び鈴は空しく響き渡るだけ・・・
扉に手をかけると、カギはかかっておらず簡単に開いた。
ダメなことは十分承知していたが、そぉっと家の中に入った。


家具などは全く残っておらず、本当に引っ越しをしたように見える・・
諦めて帰ろうとしたとき、
残されていた荷物の隅に落ちているケータイストラップを見つけた。

(これは・・昨日弟とケータイで会話しているときに着けていたのと一緒・・)

パタン・・

誰もいない家のはずなのに、2階の扉が閉まる音がした。
ビクっと身を固くして、慌ててストラップをポケットにしまい込んだ。
ドキドキしながら2階への階段を上っていく・・

不意に扉が開いた。「うわぁぁぁぁぁ・・・・」
恐怖で上ずった声を上げた浩輝は、そこに立っている男の人を見た。
(まさか・・道外流牙!?)

殺される! 浩輝は慌てて家を飛び出し夢中で走った。
かなり遠くまで走った・・もう大丈夫・・・
電柱に手をついて荒い息を整えていると、
そこに貼られている張り紙が目に付いた。


WANTED RYUGA DOGAI ¥300.000.000- rewards

道外流牙が3億円の賞金首なのだと知った。
怖くてたまらず父に電話するが、出てくれない・・・

慌てて家に帰り、玄関の扉を厳重にして部屋中のカーテンを引いた。
追いかけられているように思い、カーテンの隙間からそーっと覗く。
門扉の前でニヤリとほほ笑む流牙の顔を見た。
こんな時1人で家に居るのが怖かった・・・・


玄関のカギがカチャガチャと音を立てる。
中に侵入してくる!?浩輝は柱の影から玄関を覗いた。

部屋は明るくなり、帰って来たのは父だった。

「なんだ浩輝、まだそんなところにいたのか。勉強は済んだのか?」
「そ・・それが・・・・」
「言い訳はするな!
それから、勤務中には電話には出れないと何回言ったらわかるんだ!
行くぞ!仕度をしろ!!」


父は話しを聞いてくれなかった。
しかたがなく言われた通りジャージに着替えて庭に出た。
ラグビーのタックルの稽古が始まった。
スポーツのためというよりは、SG1の隊員のための訓練だった。


「どうした!全く気持ちが入ってないぞ!
そんな調子でSG1の隊員になれると思ってるのか?
SG1の隊員になって、みんなを守るんじゃなかったのか?」

「父さん・・あの・・・・」
父はやっぱり話しを聞いてくれなかった。





「少し、自主性が足りないですね・・授業にもあまり集中していないようですし・・」
三者面談で遠山先生が話す浩輝の評価・・・

「確か進路は・・SG1隊員だったわよね?」
「わかりません・・・・」
自分の目指す姿と心のブレ・・・
進路の話を聞いていられなくなった浩輝は生徒指導室から抜け出た。


「浩輝、俺と同じSG1隊員になるんじゃなかったのか?
母さんとの約束を守らないつもりか?」
追いかけてきた父:正臣が詰問する。

「何がSG1だ!友達1人守れなかったくせに!!
母さんだって守れなかったろ!!」
妻のことを言われ、正臣は思わず浩輝の頬を打った。

「すまん・・・・」

ケータイが鳴り、召集がかかった。
「例の殺人犯を、近くで目撃したという情報が・・・すまん・・・・」
親子の話が必要なのはわかっていたが、呼び出しには応じないといけない・・・
正臣は後ろ髪惹かれる思いで仕事に向かう。


用務員の格好をした流牙が浩輝を呼び止めた。
殺人犯である流牙が目の前にいる・・浩輝は恐怖を感じて逃げ出した。
感じたことのない恐怖に襲われて逃げる浩輝の身体はガチガチ・・
足がもつれて倒れてしまった。

「俺のことは知ってるね。有名になったもんだ。
君は何を知ってるんだ?何か見たのか??
待ってよ!!彼女は俺が殺したんだよ。抵抗したのでもない。

親父か・・いいもんなんだろうな。
あれ、親父さんだろ?SG1か・・・やさしいんだね。

何も知らないならさっさと帰りな!
じゃないと君も、友達の命も危ない。

彼女は怪物を見た。だから殺されてしまった・・・・
俺はそいつを追っている。

そうだ!先生にだけは怪物のことは言うんじゃないぞ!
どうせ信じてもらえないさ。」

どこまで信じてもらえるかはわからないが浩輝に警告をする。
無用な犠牲者をこれ以上出したくなかった。
後ずさって逃げる浩輝に向かって抽象的な話をしてしまったが
浩輝はどこまで信じてくれるだろうか・・・



遙華は夜の学校内でバケモノを見たと言った。
夜になるとバケモノが出現する確率が上がるのだろうか・・・
とにかく証言が“遙華の言葉だけ”なので、証拠らしい証拠にもならない。
こっそりとみるぐらいなら大丈夫だと高を括る浩輝は、
校舎内に隠れて夜が来るのを待った。


遙華が見たと言っている場所を隈なく見て回る。
「坪井君・・・」
背後から呼び止められた。

びっくりして振り向くと、そこには神妙な面持ちの遠山先生が立っていた。

「心配したのよ。さっきのは何かあったのね?
言ってみて。ねえ、話して見て・・

お母さんの代わりじゃないけど、
坪井君の力になれたならっていつも思ってるのよ。」

この遠山先生の話を聞いて、浩輝は籠絡した。
「北島さんの家に、残ってたんです・・・・」
先生に、遙華が昨日まで使っていたケータイストラップを見せた。

「あの・・・北島さん本当は怪物に襲われたんじゃないかって・・・」

「だってコレ!!不味かったんだもの!!!」

さっきまでと様子がいっぺんに変わった遠山先生を見て、流牙の言葉を思い出した。

「うふふ・・・あはははは・・・ あなたには消えてもらうわ!」


浩輝の肩を掴んでは投げ飛ばし、立ち上がってきた所を突き飛ばし、
少しずつ浩輝を追い込んでいく。
足をひねり上げられ、歩くこともままならないが
逃げないと殺される・・・

ポケットをまさぐってケータイを探す。
な・・ない・・・・
流牙が怖くて逃げ出していた時に落とした・・・・


ココからは距離があったが行くしかない・・
追い込まれて不安に駆られながら、ケータイが放置されている教室を目指して歩いた。

廊下の突き当たりに人の気配が・・
顔を上げると、剣を鞘から抜いた鋼牙が立っていた。

「お前、先生に話したな?」

流牙に殺されると感じた浩輝は、来た道を戻ろうとする。
そこに遠山が立っていた。挟み込まれた・・・・


流牙は剣を構えて猛ダッシュで走ってくる。
「うわぁ!!!!!」
悲鳴を上げながらしゃがむ浩輝。
その横をすり抜けて、遠山目がけて剣を下す流牙。

動きを封じ、魔導火を眼前に点けた。
照らされた眼球がホラーの陽性反応を見せる・・

「お手柄だ、おかげで誰が怪物かはっきりしたよ。」

流牙が騎士だと知った遠山は、先制攻撃を仕掛けてきた。
流牙と遠山が戦いを始める。


様子を見た浩輝は、ケータイを取りにまた歩き出した。

剣を振るのに学校の廊下は狭かった。
決定的な一打を与えられず、打撃攻撃を受けるばかり・・

「邪魔をするな!私の楽園を穢すつもりか?
私が選んだ優れた生徒だけの学校にするんだ!!」

流牙を追い込んだ遠山が憎々しげに言葉を吐いた。



ケータイを見つけた浩輝。
慌てて父と連絡を取ろうとしたが、手が震えて上手くボタンが押せない・・・

コツ・・コツ・・・コツ・・・・ 靴音が浩輝の方に近づく・・

「坪井くん、最後ぐらい先生に面倒をかけないでくれる?」

ホラーの口を浩輝の眼前で開いて見せた。
怖くて後ろに下がる浩輝・・遠山は浩輝に襲いかかろうとした。
この攻撃を流牙が防ぐ。

「落ちこぼれは必要ないのよ。
北島さんは良い生徒だった。なのに、私の姿を見るから・・
おかげで、マズイあの娘の家族まで食らう羽目になった」

遠山の、奇声のような笑い声が教室内に響き渡る。
腹立たしく感じた浩輝は、父から教わったタックルを遠山にきめた。

力に差がありすぎて、浩輝は簡単に弾き飛ばされた。


「ふざけるな!!」
壁に叩きつけられて浩輝の意識が切れたのを見た流牙は、鎧を召喚した。
遠山の抵抗空しく、牙狼剣で瞬殺された。


「もっと早くお父さんに言っていれば、北島さんは・・・」
意識を取り戻した浩輝は自分の非力さを嘆く。

「でも、ちゃんと戦ったじゃないか。自分で・・
安心しな、もうここに怪物はいない。」
「また現れたら?」
「そのときは、俺をまた呼べばいいさ。」

「僕たちを、この街を守ってくれるんだね。」
「ああ、約束する。必ず守ってみせるよ。」



「動くな!!!」
SG1隊員スーツを着た父が浩輝の救出に来てくれた。
父は流牙を敵だと思っている。

流牙は牙狼剣を机の上に置き、手から放した。

「浩輝、こっちへ来い!
道外流牙、連続殺人事件の容疑でお前の身柄を・・」
「父さんこの人は!!」
「お前はいいからこっちへ来い!!」


父の誤解を解きたくて、流牙の前に立ちふさがった浩輝。
浩輝の身体で、流牙が父の死角に入った。
流牙はすかさず置いていた剣を取る。

刀を手に取った音が聞こえた正臣は、とっさに浩輝を剣からかばった。
攻撃されると思い、浩輝をかばって床に伏せた正臣だったが
流牙は攻撃をしてくることなく去っていった。

「大丈夫か?お前、よく頑張ったな。」
正臣は息子にねぎらいの言葉をかける。



「授業の前に、皆さんにお知らせがあります。
急な話ですが、遠山先生は昨日の夜から行方不明になっています。
現在捜索中です。」

生徒たちは 先生が駆け落ちしたとか、道外流牙に殺されたとか
道外流牙のような人殺しは死ねばいいんだとか いろんな話を始める。

「違う!!!道外流牙は人殺しなんかじゃない!!」
唯一真実を知る浩輝は、机を叩いて主張した。
だが、クラスメイト達は信じるはずがなかった・・・


学校の中にまでホラーがいました!
自分の隣ももしかしたらホラー!?なんて考えると怖いですね。
長澤奈央本人が所々で戦っていました。
気合ハンパないですね。


くすんでいてもGAROは最強ですね!

夏場は特に爪に目が行きますよね。簡単に綺麗が仕上がりますよ!

私の中の最強大浦龍宇一はコレです。



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牙狼<GARO> 闇を照らす者 9話 ネタバレストーリー 井村空美 倉田保昭 [牙狼<GARO> 闇を照らす者]

牙狼<GARO> 闇を照らす者 9話 乱 Sonshi

「VOLCITY TV」看板アナウンサーのRIVERA(井村空美)は
プロデュース力にも長けていて、スタッフを従え的確に指示を出している。
そこに、意を決してリベラに会いに来た風見泰人(古山憲太郎)

恋人を殺したバケモノは“ホラー”だと
道外流牙(どうがい りゅうが)に教えてもらったが、
それ以上なのも教えてもらえなかった。

流牙(栗山航)のような“戦闘”の能力がないことは十分に承知していた。
でも、どうしても恋人の仇を討ちたいし、
シティの人たちを“ホラー”から救いたいと思っていった。
自分が出来るのは、ジャーナリストとして真実をシティの人たちに伝えること・・

一番に名前が浮かんだ協力者はVOLCITY TVのリベラ。
今までの付き合いから、
金城の名に臆することなく真実を報道してくれるはずだと思っていた。
アポがないので中に入れなかったので、リベラが通るのをただひたすらに待った。


「リ・・リベラ!!」姿を見つけて慌てて声をかけた風見。
「風見くん?」声に気づいて足を止めたリベラ。

リベラは金城を追って新聞社を首になった風見のことを心配していた。
ひと気の少ない所で風見が語りだす。

「彼女の失踪事件の犯人・・やっと見つけたよ。」

風見の話に食いついたリベラ。
それを確証した風見はバッグの中から写真を取り出した。

その写真は、流牙がホラーと戦う様子・・
カメラを流牙が斬り捨てて、データがなくなっていたはずの物だった。

「こ・・これって・・・」
「それを、今夜の放送で流して欲しい・・・」

人間態のホラーが口を裂き、流牙に攻撃をしている所・・・
顔色を変えたリベラが写真を持ったまま駈け出した。

その様子を莉杏(りあん)の魔界竜の稚魚が見ていた。
すぐに莉杏(南里美希)の所に戻り、報告する。


女神像のある公園で流牙と一緒にいた莉杏は
偵察に出した魔界竜の稚魚をショートジャケットの中に戻す。

「ほら!やっぱり記憶を消すべきだったのよ!!」
「俺はカメラも壊したし、忘れるようにも言った!!」
「おまけに“仲間だ”って言ったわ!」


風見は元新聞記者で恋人を殺された。
そんな流牙の言葉だけであっさりと引き下がるわけがなかった。
詰めの甘さを指摘した莉杏。
言われなくてもわかっていたが、面と向かって言われるとちょっとむかついた。
公園の中をイライラしながら歩いて行く。

いつもは流牙の方から声をかけ、住民と交流をもつが
今日はイラついているので声をかけるのを忘れていた。

いつもチェスをしている老夫婦が流牙に声をかける。
その声は流牙に届かなかった。
大道芸人(ピエロ)や、公園で遊ぶ子供たちも流牙の姿を見て声をかける。

イラついていて、誰の声も流牙の耳に入らなかった。



風見のあとをつけていた蛇崩猛竜(じゃくずれ たける)は
アジトに戻ると符礼(ぶらい)法師に話を始めた。

風見の会っていた相手はリベラ。
リベラといえば“正義の女神”と呼ばれる人だ。
そんな人が、ホラーの存在を知ってとる行動は一つしかない・・

そばで聞いていた楠神哀空吏(くすがみ あぐり)は
リベラと風見のホラーの記憶を消すように感情的に話す。

風見のことを容認した流牙の記憶も
いっそのこと消した方が早いのではないかとも思っていた。

「あいつには騎士としての自覚がまるでない・・・」



「風見くん!これはスクープよ!!」
「危険なネタだぞ。このテレビ局も金城グループだ。」

「ホラーと金城憲水が繋がっている証拠は?」
「ない・・俺の推論だ。」

リベラは少しの間視線を彷徨わせ、考えをまとめる。

「いいわ!上層部は無視、現場で一気に仕掛けるわ!
大丈夫、私はリベラよ。誰も私には逆らえない。」


放送するとなるとホラーと戦う男のことが気になった。
リベラはこの男のことを知りたがるが
風見は流牙との約束を守り、名前も語らない。

「じゃあ、あなたの敵なの?味方なの??」
「味方だ。 ・・・・・“希望”かもしれない・・」



風見がテレビ局で何かをしようとしている・・
それは騎士たちにとって不利なことに違いなかった。
風見の動きを止めるために流牙と莉杏は
ピザ屋のデリバリースタッフを装い、局内へ潜入した。


「風見さん!」
「風見さん!!」

控室や空いている楽屋の扉を無造作に開けながら風見を探した。
その途中、流牙は黒いスーツを着た男とぶつかってしまった。
風見のことで気を取られていたので、この男には違和感がなかった。

男は尊士(倉田保昭)金城憲水の秘書。
金城グループの汚れ役は尊士が行っていると言っても過言ではない人物・・
燕邦(佐藤寛子)を陰我ホラーへと転生させ、
以前、陰我ホラーとなった燕邦と流牙を対面させて流牙の反応を確かめた。


燕邦は転生したてだったので反応しないのだと思っていたが
流牙は尊士とぶつかったのに何の反応も示さなかった。
走り去る流牙の後姿を見ながら、尊士は次の仕掛けを思いついた。





風見は流牙に壊されたカメラを握りしめ、流牙とホラーとの戦いを思い出していた。
あの時はジャーナリスト魂に火がついて、夢中でシャッターを切っていた。
撮影したことを流牙にバレ、カメラを真っ二つに斬られたが
斬られる瞬間にメモリーをこっそりと取り出せた。

「どうやって説明する?平然と人を食う怪物の存在を・・」
「シティの人たちに真実を伝えるのが俺の仕事なんだ・・・」

風見は2人で言葉を交わしたときのことを思い出していた。
ここでホラーの存在を公表すれば、流牙くん、君と一緒に戦える・・

風見はジャーナリストという立場を使い
シティの人を守る、一緒に戦う同士となりたかった。


「本番いくわよ!」
リベラのNEWS TIME 臨時ニュースが始まった。
固唾を飲んで見守る風見。

「臨時ニュースをお伝えします。
先ほど ボルシティ治安維持部隊SG1は、自称:道外流牙を殺人犯と断定。
公開指名手配しました。」

テレビに映し出されたのは、流牙がホラーと戦っている時の写真。
これは風見がリベラに渡した物・・

風見の知らない所で加工され、
人間態ホラーが口を開いて正体を見せている途中だったはずの写真が
人間態ではなく人間を殺しているように処理されている。

これだけ見るとただの殺人犯としか言えない・・


テレビ局の外で風見を探していた猛竜と哀空吏も街頭ニュースで知った。
これはウソではない・・
一般人と関わってしまったことが生んだ結果・・・


「は・・ハメられた・・・」
処理された写真を見て風見はリベラの所へ走り出す。


流牙の現在の様子として映し出されているのは、
ピザ屋に扮装してテレビ局に入り込んだときの映像・・・

テレビ局の廊下に置かれているモニター映像を集まってみていた局員は
そこに流牙らしき人がいることに気づき、ざわめき始めた。

少し離れた所からその様子を見ていた尊士。
こっそりと中指を立てて攻撃し、流牙が目深にかぶっていた帽子を弾き飛ばした。

「キャー!!!」

報道されている本人が隣にいると気付いた女性が悲鳴をあげて後ずさりをする。
機転の利く者が非常ベルを鳴らして異変を通報した。
警備員がわらわらと集まる。

捕まると厄介のことになる・・・
慌てて廊下からビルの窓目がけて走り、窓をぶち破って建物から逃げ出した。
受け身を取って落ちたので、体のダメージはなかったが
下りた側にいた人もニュースを見ていて流牙のことを知っていた。

「キャー!!」

流牙に何かされた訳でもないのに女性の悲鳴が響き渡る。
その声を聞いてSG1が駆けつけた。

大人数の足音が流牙の方に近づいてくる・・
流牙は夢中で走るしかなかった。



「符礼法師、こいつは前代未聞の失態だぞ!
あんな間抜けな魔戒騎士は初めてだ・・・・」
魔導輪ザルバ(声:影山ヒロノブ)が映像を見ながら符礼に向かってつぶやいた。
符礼はいら立ちながらテレビを消した。

「各隊員に命令。逃亡中の道外流牙容疑者には波動銃で対抗せよ。
波動出力はMaxまで許可! 行くぞ!!」
燕邦の出撃命令でSG1が本格的に流牙確保に出た。


「大丈夫。スタッフには席を外してもらったわ。」
臨時ニュースを終え、リベラはセットに腰かけたままタバコをくゆらせていた。
風見が来ることは最初から想定の範囲だった。

「リベラ、あれはいったいどういうつもりだ?」
「報じた通りよ。SG1の本部から発表があったの。」

「う・・ウソだ!!」
風見はリベラに向かって小型拳銃を構えた。

「すぐに中継の用意だ。俺が真実を発表する。」
「冷静さに欠け、思慮が浅い。あなたに真実を伝える力なんてない。」

「早くしろ!」

リベラは持っていたタバコを床に投げ捨てると
優雅な足取りで風見の方へ一歩ずつ歩き出した。

「私たちはまだ“正体”を明かすつもりはないの。」

腰が引け、拳銃が撃てそうにもないほど怯えている風見の正面に立ち、
リベラ自らが自分の眉間に銃の先をあてた。

「ま・・まさか君は・・・」
「あなたもなる??最っ高の気分になれるわよ。」

「誰がホラーなんかに!!俺は人間だ!」
「だったら消えるがいい。」

風見の銃に眉間をあてるのを止め、背中をわざと見せた。
シュー・・・
小さな音が聞こえたと同時に、リベラの後頭部からホラーの顔が現れた。

(これは・・まさか・・・・・・・)

風見はこのホラーの顔に覚えがあった。
そう、恋人を殺したホラーと同じ顔!!!
まさか・・・あのホラーはリベラ!?

ホラーの顔の方から長い舌で、風見の持っていた拳銃を叩き落とした。
頭だけでなく、ホラーの姿をさらけ出したリベラ。

「さあ、愛しい彼女の所に行けばいいわ。」
「り・・流牙!!!!!・・・・・・・」

風見の断末魔の叫びがスタジオの中に響き渡り、そして消えた・・


残っているのは風見が護身用に持っていた小型拳銃だけ・・
それを尊士が手に取った。

「これでよかった?」
「ええ、十分ですよ。」

人間の姿に戻ったリベラは尊士と短い会話を交わす。



脱走プランを綿密に立てていなかったので、どこを走っても逃げ場がない・・
こんな結果になると想定されていなかったので無理もなかった。
執拗なSG1からの追跡で、流牙の足に疲れが出てきた。

すぐそこにまで迫ってきている・・

波動銃が放たれた。流牙の左肩にヒット!
出力がMaxだけあって、痛みでその場に倒れ込んでしまう。
きしむ体を何とか動かし、SG1の隊員を殺さないように攻撃を入れる。
人間相手に決定的な一打を出すことができない流牙は逃げるしかなかった。


いつもの公園まで逃げ込めた。
ここは木が多く、人の往来も多いので隠れる場所としてはうってつけ。
よろよろとしながら公園を歩いていると
流牙の姿を見た人が悲鳴を上げながら逃げ出した。

いつも合う人たちが自分を怖がって逃げだしていく・・・
いくら本人が違うと言っても関係がない。
テレビで報道されたことが。彼らにとっての真実だ。
もう、流牙は“恐怖の対象”でしかなかった。

一般人を殺すつもりなどないのに命乞いをしてくる・・・

やりきれない思いを抱えながら、流牙はここからも逃げ出すしかなかった。



「おい!!おい!!!」
木の陰に隠れている流牙を呼ぶ声が聞こえた。
声の方を見ると車の中から手招きしている金城滔星(かねしろ とうせい)だった。
本当は巻き込みたくなかったが、ここから逃げ出すために車に乗り込んだ。

「以前逃亡中の指名手配犯:道外流牙は、凶器を所持しています。
容疑者は今なお・・」

カーステレオから流牙のことがひっきりなしに流れていた。
こんなことを聞かせたくない滔星(津田寛治)は、ラジオを消した。


「すまん・・・俺たちのせい・・だ・・・
俺たちが余計なことをしたばっかりに・・・・」
滔星は悲痛な面持ちで流牙に詫びを入れる。

「風見さんは?」
自分よりも危険な立場にある風見のことが気がかりだった。
でも、風見に関する情報は全くない・・生死さえも・・・・


ドン!!!

車の大きな何かが落ちてきたような感覚が起こった。
振り向こうとした流牙の首を、フロントガラスを破った強引な腕が締め付けた。
油断をしていたので、クビにホールドされた腕をほどけない・・

流牙はその腕の反動を利用し、車の上に乗り込んだ。

「ホラーか!!!!」
「いいえ、あなたの敵です。」

流牙は剣を抜くと、素手の尊士と戦い始めた。
戦いは激しく激突し、そのたびにハンドルが取られる・・
尊士が剣を弾き返した。その弾みで剣は車に突き刺さった。
その切っ先は後輪のタイヤまで達し、空気が抜けた・・

ハンドルを取られたまま、車は壁に激突
流牙と尊士は外に投げ飛ばされた。

「と、滔星さん!!!」
流牙の声が滔星の耳に微かに聞こえたが、意識が切れた・・


流牙は尊士に向かって剣を構える。
尊士は銃を流牙へと投げ渡した。

「その男、最後は君の名前を叫んでいた。」

流牙は はっとして銃を取り、耳に当てた。
流牙は自分の能力を使い、銃の最期の声を聞く・・・
確かに風見が自分を呼ぶ断末魔の声・・・

怒りに任せて尊士の方に駆け寄り、力いっぱい剣を振る。
渾身の力を入れて振った剣を尊士は難なくかわした。
力を入れ過ぎたばかりに、剣の方に力が持って行かれ地面に手をついた。
その隙を逃さず尊士は流牙に手刀で攻撃を入れた。

鈍く思い一撃を受け、流牙は地面に転がされた。
荒い息をしながら立ち上がろうとする流牙を、涼しい顔をして尊士が迫る。

地面に剣を突き立てて立ち上がる流牙に蹴りを入れた。
剣から手が離れ、流牙はまた転がされる。

尊士は牙狼剣を手に取り
「黄金騎士も地に落ちたな・・・」

つぶやくように流牙に告げると、ゴミのように剣を投げ捨てた。


流牙の怒りは頂点にまで達していた。
怒りに任せて尊士に立ち向かうが、
尊士にとっての戦う相手にもならないレベルだった。

尊士が繰り出す攻撃が腹に、足に、腕に、ひねりあげられ、投げ飛ばされる。
自分の攻撃は一度も入らない・・・・


尊士が流牙を畳みかけるように殴り浸けているときに
背後を狙う矢が飛んできた。
尊士は軽く体を動かすと、手で矢を掴んで止めた。

尊士はっとして振り返ると、流牙と同じ魔戒騎士がいたことに気づいた。
手に取った矢を、尊士は哀空吏目がけて投げた。
弓を放ったような威力で矢が飛び、哀空吏を射抜きそうな距離・・
横から猛竜が走り込み、矢を刀で弾いた。


尊士は哀空吏と猛竜の連続攻撃を受けるが、逃げながら戦っていた。
2人で戦っているのを見て流牙も応戦に入る。

3人掛かりで戦うが、一撃を食らうのは魔戒騎士たちの方ばかりで
尊士はまともに攻撃を受けていない。

猛竜が飛ばされ、次に哀空吏が飛ばされた。残った流牙も弾き飛ばされた。
立ち上がると3人でアイコンタクトを取り、鎧を召喚する。

哀空吏は天弓騎士ガイを、
猛竜炎刃騎士ゼンを、
流牙黄金騎士ガロを召喚。
尊士はその少しの間、召喚の様子を見ながら待っていた。

「このような魔戒騎士が3名か・・・」

姿を見て確認すると、自分も魔戒騎士たちのような出で立ちに変化し
3人まとめて倒しにかかる。

鎧を召喚しても力の差は変わらず、尊士が圧倒的力で騎士たちを追いつめる。

「俺は正面から突っ込む。」流牙がこっそりと2人に話す。
「あとは?」作戦をきちんと詰めたい猛竜が意見を求めた。
「それ以外から、行くしかないだろ!」哀空吏がいら立ちながら答えた。

「相談は終わりましたか?」余裕の笑みで問う尊士。


流牙を先頭に、間髪入れず尊士向かって攻撃を入れた。
さらに追い込み、流牙が尊士の胴体へ斬りつけた。

尊士の斬られた胴体から黄金色の光が放たれた。
その光に連動するように、ガロスーツの黒に変わった部分が黄金色に輝いた。
黄金色に輝くスーツの衝撃は凄まじく、流牙は全身の痛みを感じて倒れ込んだ。
ガロスーツが解除される・・・


尊士は腹からろっ骨を取り出すと、骨が剣へと変化する。
スーツが解除され、息も絶え絶えの騎士たちの闘志はまだ消えていなかった。
トドメを刺しに一歩ずつ間合いを詰める尊士。
その肩に、魔戒獣 羅号(らごう)が噛みついた。

符礼と莉杏が援護に来ていた。
尊士は分が悪いことに気づき、笑みを漏らしながら羽を広げて大空へと消えた・・・


「しかし、なんだよ・・あいつ・・・・・」
「強い・・・あんな奴は初めてだ・・」
猛竜と哀空吏は尊士に圧倒されている。

「風見は?」符礼法師は流牙に聞いた。
「やつに食われた・・・俺のせいだ・・・・」
流牙は後悔に顔を歪ませながら地面に拳を叩きつける・・・

「これでわかったはずだ。我らは人知れず戦うしかない。
共に戦う仲間など・・・いない。」
符礼は自分の言葉の意味をこういうカタチで教えたくはなかった・・・


流牙は立ち上がり、重い足を引きずりながら歩き出した。
大事な人は自分で守る・・・「あの人は俺を助けてくれた・・・・・」



流牙は車の中で気絶していた滔星を外へ連れ出した。

「そっちは??」
ひどい目に遭わされたはずの滔星は
責めるよりもまず、流牙のことを気にかけた。

「なあ、あの男もホラーなのか?」
滔星は見覚えのある男だったので気になった。

「もう関わらない方がいい。」
何かを伝えることで滔星に何かが起こることを避けたかったので
流牙は冷たい口調で言い捨てた。

「そうだな・・・そうするよ・・・・・
君はこれからどうするんだ?シティから逃げるのか?」

「逃げないさ。俺はココで戦い続ける。」
これ以上何も言えないし出来ないと悟った流牙は
自分の決意を滔星に話した。
本当は自分の決意が揺らがないように言葉にし、退路を断ちたかった。

「そうか・・・死ぬなよ!」
去り行く流牙の後姿を見ながらつぶやいた・・・



真の敵がようやく姿を見せました。
3人も魔戒騎士がいるのに倒すことができませんでした。
何か秘策が必要なのかもしれません。

くすんだ赤は格好いいですね!

目を引く名前ですが、今流行りのデコです。





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牙狼<GARO> 闇を照らす者 第8話 ネタバレストーリー 井村空美 池田純矢 [牙狼<GARO> 闇を照らす者]

牙狼<GARO> 闇を照らす者 第8話 乱 Scoop

道外流牙(どうがい りゅうが)はホラーを探しながらも
シティを散策し、街の人たちと触れ合うことを楽しみにしていた。

休みの日になると、
女神像の建つ公園に人が集まり、思い思いの休日を過ごす。
大道芸人(ピエロ)が公園で遊ぶ子供たちを集めてマジックを披露したり、
老夫婦がチェスを講じたり、
それは絵に描いたような“穏やかな休日”だった。

流牙(栗山航)はそんな街の人を見るのが大好きだった。


そんな流牙の様子を近くのビルから隠し撮りする人がいた。
そのカメラには持ち主に不釣り合いなピンク色のリボンがくくりつけられている。

流牙の日常に興味を持っている感じは全くないが、
熱心にシャッターを切っていた。

男は流牙に接触をしようと、
護身用として持ち歩いていた小型拳銃を腰に挿し込み、
流牙がひと気の少ないビルの谷間に行ったのを見計らうと
小走りで後を追いかけた。


あれ・・?いない???

いい距離感で追いかけたはずなのに、角を曲がるといない・・・?

背後からジャケットをめくりあげられ、小型拳銃を取り上げられる。
・・・?
振り向くと、自分の拳銃を取り上げてこちらに向かって構えている流牙がいた。

「もしかして俺のこと、狙ってる??」
あとをつけられていることには気づいていて、
わざとひと気のない所に誘い込んでいた。

「ち・・違う・・俺は仲間だ!敵じゃない!!」

銃を突き付けられたので、抵抗の意志がないことを示すために
慌てて両手を上げた。

「仲間?敵?」流牙はこの男の話を全く理解できないでいた。

「お、俺もバケモノを追っている。
俺は風見泰人。この写真は、SG1を追っているときに偶然撮影した。」

風見(古山憲太郎)は尻ポケットから数枚の写真を取りだして流牙に見せた。
「教えてくれ、君は一体何と戦っていた?」

差し出された写真の1枚目の段階で、正体を見せたホラーが写っていた。
これは流牙がシティに来てから倒した5体目、
スピーカーの中に逃げ込むのが得意だった陰我ホラーの最期の姿・・
中には流牙の戦う写真もあった。

風見は得体も知れないモノに対する未知なる恐怖で
護身用の銃を持ち歩いていただけで、人に使って使うつもりはなかった。
流牙は風見の話に一応の納得を示し、銃を風見に返した。


「バケモノなんていないよ。何かの勘違いだって。」
「ウソをつくな!本当のことを教えてくれ!!」
「ゴメン、あんたと遊んでいるヒマはないんだ。」

流牙は写真を取り上げて、その場から帰ろうと歩き出す。

「俺は、愛する者をバケモノに奪われた!
そいつは・・俺の目の前で彼女を・・・・食ったんだ・・・・」

自分の手の内を見せないと流牙が本当のことを話しをしてくれないと思い、
去ろうとする流牙の背中に語りだした。
流牙の足が止まる・・


結婚式まであと数日のある日、
風見は彼女とディナーを食べ、地下駐車場に置いてある車まで戻ってきていた。

記念に飲もうと思い、彼女の生まれ年のワインを内緒でセレクトしていたが、
自分は仕事が押して直接ここまで車で来てしまったので、飲むのを止めた。
せっかくなので彼女に飲んでもらおうと進めたが、
帰ってから2人で一緒に飲もうと提案してくれた。
そんな気遣いがとてもうれしかった。

もうすぐ結婚する2人だと気付いた店の人は
ワインのボトルネックにリボンをかけてくれた。
彼女はとても喜んで、小脇に抱えている。


職場からの電話に気づいた風見は
彼女に車のキーを渡して先に乗っておくよう促した。
せっかくの甘い時を、仕事の話で台無しにしてしまいそうだった。
さっきまでの仕事の残務・・電話に出ない訳にはいかない・・

彼女に背を向けて電話で話をしていると

「ウッ・・・・」低いうめき声が聞こえた。


彼女の方に向き直ると、彼女の背後にバケモノが立っていて
明らかに彼女を襲っているのが見えた。

最初に腰の辺りを斬りつけられている・・
迫りくる恐怖に怯えながらもバケモノから少しでも離れようと
彼女は懸命に風見の方へ体を動かそうとする。

何事もなく、至極あたりまえのようにバケモノは彼女の魂を飲み干した。
嚥下されたと同時に彼女の身体が消えて無くなる・・・


慌てて彼女の所に駆け寄った風見、ここが駐車場だと言うことを忘れていた。
前方から車が入ってきて轢かれそうになった。
慌てて車を避け、彼女の方を見ると バケモノの姿はなくなっていた・・・

自分の車の側に残されていたのは
粉々になったワインボトル・・・・
ボトルネックにかけられてたリボンを見て、本当のことだと確信した。





流牙は符礼法師の隠れ家に戻り、写真を見せながら風見のことを話した。
莉杏(りあん)は流牙の話を元に風見の身元を調べる。


風見泰人 元VOLタイムスの新聞記者
1年前に恋人が失踪。それが元で辞職。

「失踪じゃない・・ホラーに食われた・・・」
「だからクビになったのよ。そんな話、普通の人は誰も信じないでしょ。」

写真を持ち、流牙はどこかに行こうとした。
符礼法師(大友康平)は魔導筆を使い流牙の持っていた写真を焼き捨てた。

「関わるな!
人知れずホラーを始末する。それが魔戒騎士の使命だ。」
「そんなのわかっている!」
「わかっていない・・・」

「目の前で恋人が食われたんだぞ!」
「だからなんだ!」

「仕方がないさ。事故みたいなもんだ。」
2人の会話に割って入った楠神哀空吏(くすがみ あぐり)

ホラーが人を襲うのに“理由”はない。
そこに“エサ”があったから・・・

哀空吏は簡単に感情に流される流牙のことを思い
ワザと解りやすく表現して見せた。

そんなことは分かっている・・・・
でも、心のなかはもやもやとくすぶっていた。
乱暴に扉が閉まる音が響いた。



ワンボックスカーを根城とし、バケモノ探しをしている風見。
やっと流牙を見つけて真相を聞き出そうとしたのに
取り合ってもらえなかったことにいら立ち、酒を煽っていた。

彼女との思い出で残されたのはリボンだけだった。
リボンを指で触りながら、バケモノへの復讐心を深めていった。



フラワーショップで働き始めた洲崎類(前田希美)
そんな様子を店の外で見つめる蛇崩猛竜(じゃくずれ たける)
そこに流牙もやってきた。

類の悲しい記憶は、符礼法師が封じ込めた。
家族は元からいなくて、生まれたときから一人・・・
それが類の上書きされた記憶・・

「声、かけないのか?」
「かけられるかよ!思い出したらどうするんだ?」

フラワーショップのオーナーに可愛がられ、
手ほどきを受ける類の姿を見ているだけで猛竜(池田純矢)は安心だった。

いつも店の前でちらちらと視界に入る男の人の存在に類は気づいていた。



流牙は風見に指定された場所に行くことにした。
行く理由はなかったが、素人が戦いを挑むのに ホラーでは相手が悪すぎた。
まともな戦いにもなりはしない・・

「やっぱり来てくれた・・ありがとう。」
「“俺に関わるな”それが言いたくて来ただけだ。」

「違う!俺たちは仲間だ!だから君はココに来た。
今日こそ本当のことを教えてくれ・・
あのバケモノの正体は?そして、君はいったい何者なんだ?」

「お前たちは何者なんだ?お前たちだよ!!」
流牙は背後に”ある”気配に感づいていた。

隠れて話を聞くだけのつもりにしていた
金城滔星(かねしろ とうせい)と燕邦(えんほう)が姿を見せた。

ステーキハウスで正体を見せたホラーの姿を2人は確かに見たはず・・
金城(津田寛治)はともかく、
燕邦(佐藤寛子)はこの前の戦いで自分に銃を撃ち放った。
流牙を信じると言ったが、もう信じていないのだと思っていた。
話しを聞くつもりなことが少し意外だった。

「もう一度話を聞こう。それしだいだ。」
燕邦は流牙を信じるつもりはないらしい・・・


流牙は魔導火を入れたライターを点け、3人の眼球に炎をかざした。
3人の瞳からはホラーの証は浮かばなかった。

「あ!俺は金城滔星。」
「金城・・・?金城って、あの金城!?」

「あの金城憲水に勘当された、愚かな息子だよ・・
だからSG1にもマークされてた。」

「君の名前は?」
「道外流牙。ただし、一切のデータはなかった。不法侵入者だ。」
燕邦が流牙の代わりに答えた。

「歓迎するよ。ボルシティにようこそ。」
金城は歓迎のしるしとして右手を差し出した。
流牙は金城の手をぎゅっと握りしめ、握手を交わす。


「ちょっと思うところがあって・・・
バケモノには金城憲水が関わっているかもしれない・・・」

滔星は渋い顔つきで父のことを話し始めた。


金城一族の長、金城憲水は
ボルシティのあらゆる場所に自分に服従する人間たちを置いてシティを支配し、
中央から分立した、完全なる独立地方国を作った。
それは“完璧な理想郷”とも言えた。
医療費・教育費はタダ。税金も物価も安い。物騒な事件もない。

その反面、多くの人々が抹殺された。
犯罪者とその予備軍。社会の不適合者。金城一族に逆らう者。
この3年間に行方不明者は1000人を超えていた。
これはわかる範囲の人数で、おそらくはそれ以上だと考えられた。

科学的な方法か、オカルト的な手段か、
金城憲水が何かの形で手を下しても不思議はなかった。


「どう思う?金城憲水はSG1のボスなんだろ?」
流牙は燕邦の見解が聞きたかった。だが燕邦は何も答えない・・


流牙は“滔星の推論”だと言い、これ以上関わらない方が身のためだと諭す。

風見は彼女が自分の身代わりになって死んだと思っていた。
そのときにしていた仕事は「金城家のスキャンダルを見つける」ことだった。
それは金城一族に逆らっているのと同じこと・・

「俺は、仇を討ちたいんだ・・・」
「人間が操れるような連中じゃないよ。やつらはあんたが倒せるような相手じゃない。」

そんなにも恐ろしい相手・・・滔星の身震いが止まらない

「ならば、なぜ君は戦う?
ひょっとして・・・それが君の仕事なのか・・・?」

流牙は黙して何も語らない・・


滔星は流牙のことを知り、あきらめるように風見を諭す。
流牙は自分たちとは違う世界で生きている人物・・・

「道外流牙!お前なら必ず倒せるのか?」
今まで何も語らなかった燕邦が、去ろうとする流牙に問う。

「・・必ず、倒す!」流牙は新たな決意を言葉で表した。

「なら・・頼む!必ずこのシティの人々を守ってくれ!!」
風見は流牙の言葉を信じ、自分の恨みも全て流牙に託した。



さっきまでそこにいたはずの燕邦の姿が消えた・・・


「うまくいったようですね。」
建物の外で燕邦を待っていた尊士(倉田保昭)

燕邦の正体を流牙が見抜けなかったことを喜んだ。

「私は、あの男と戦うのか?」「はい。いずれ・・・」



類は使わない道具を頭上にある棚に戻そうとしていた。
重い道具を持ち上げるのは苦手だったが、
頭の上に段ボール箱を乗せ、脚立を上る。

一歩ずつ慎重に足をかけて登るが、最後の一段でバランスを崩した。

「キャ!!」

落ちそうになり悲鳴をあげたとき、ふわりと暖かなものが体を包む・・・
外で見ていた猛竜が類を抱きかかえていた。

「大丈夫??けがはなかった?」
「は・・はい。」
「よかった・・・・ 手伝うよ!!」

流牙が落とした段ボールを持とうとして、類の手とぶつかる。
嫌悪感を露わに、手を引っ込める類を見てしまった・・

「ゴメン・・・怖い・・よね?」
「・・・多分・・良い人かなって・・・・」
「良い人!?俺が??」

拒絶されたと思っていたのに、良い人だと言われて嬉しくなった。
2人の顔に笑みがこぼれる。

「私、洲崎類です。」
「可愛い名前だね。俺は猛竜・・・です。」

「た、猛竜さん、コレ!」
猛竜がいつも着けているエクステを類は触る。
一瞬ギクリとしながらも、猛竜は触られるままにしていた。

「ステキです!」

記憶がよみがえったのかと思ったが、猛竜の取り越し苦労のようだった。
類がひっくり返した段ボール箱を代わりに棚に置こうとした。

「あ!ちょっと待ってて!!」猛竜は慌てて店を出た。

そこで待っていたのは哀空吏。

「君はそれでも魔戒騎士か?」
「おめぇにはわかんねぇよ!」
「情を持ったら苦しむだけだぞ!」

「情があるから・・人間なんだよ・・」

哀空吏は猛竜をこれ以上止められなかった。



符礼法師は新しい道具を作るために意識を集中させていた。
“魔導ホラー探知機”
これが出来ればホラー探しが楽になる。
だが、肝心なところが上手くいかない・・・

「・・ん?ホラーの気配がする。今夜は強いぞ!」
符礼の机に置かれていた魔導輪ザルバ(影山ヒロノブ)が気配を察知した。



流牙から詳しく話を聞けず、ため息交じりで街を歩いていた風見。
不意にすれ違った男から肩を掴まれる。
慌てて銃に手をかけるが、男に阻止されてしまった。
驚いて向き直ると、金城憲水の秘書:尊士・・

「風見さん、どうぞ私と御一緒に。
あなたが望んでいる物をお見せしますよ。」

尊士の得体も知れぬ威圧感と好奇心に勝てず、ついて行くことにした。


「陰我ホラーさんよ、戦いついでに聞くけどさ
金城憲水って知ってるか?」
「何の話だ?」
流牙とホラー、お互いに打撃のみの戦いが続く。

その様子を見て、夢中でシャッターを切る風見。
ふと見上げた方向に風見の姿を見つけた流牙。

「魔戒騎士か?締まった肉も悪くない。」
ホラーは流牙の身体を食べようと、口を大きく広げる。
チェーンのようなもので出来た触手を流牙に繰り出し
からめ取ろうとしていた。

ここでガロを召喚しようとして思い出す。
風見によってガロが写真に残される・・・・

思いとどまり、生身のまま戦いを続けた。
ホラーが正体を少しずつ見せてくることで、力の差が生まれていた。
流牙は建物から振り飛ばされた。
そこはちょうど風見から見て死角だと気付いた流牙は、ガロを召喚。

金色の光の眩しさに、風見は目をそらした。
その一瞬にホラーのトドメを刺す。
風見から見て、流牙がホラーを倒したように見えた。


金色の光がなくなると、そこにいたはずの流牙のいなくなっていた。
目を凝らして流牙を探す。
流牙はすでに風見の所にまで来てた。

「もう関わるな!」
「待ってくれ!俺の気持ちだってわかるだろ?
俺は、愛する女をバケモノに殺されたんだ・・」

流牙は有無も言わさずカメラを真っ二つに叩き斬った。

「ホラーだ!
いにしえの時代から俺たちはやつらのことをそう呼んでいる。
あとは忘れろ。」

「ふざけるな!俺はジャーナリストだ!
シティの人々に真実を伝えるのが俺の仕事なんだよ。
お前だけが戦っているわけじゃないんだ!」

「どうやって説明する?
建物を破壊し、平然と人間を食う怪物の存在を?」
流牙に問われ、答えることができなかった・・
風見はジャーナリストとしての力の無さを痛感する。


「流牙!あいつの記憶を消しておこうか?」
あまりにも多くのことを知りすぎた風見を警戒する莉杏。

「やめろ! あいつも俺も、思いは同じ 仲間だ・・・」


夜上空でいつも映し出されるニュースタイム
アナウンサーのRIVERA(井村空美)が、
いつもと変わらず穏やかな一日の終わりを語る・・・・



次の朝、風見は意を決して「VOLCITY TV」へと歩き出す。
看板番組はアナウンサー:リベラのNEWS TIME


-☆-
恋人だけを食べて風見は残されました。
人間をエサと思っているはずのホラーが”お残し”したのは不思議です。
まだ話しが発展しそうですね。

類と猛竜がもう一度意識し合います。
今回のGAROは猛竜が女性とのからみ担当なのでしょうか(笑)
切ない再会でしたが幸せがくるといいですね。

欲しいと思ったら、すぐに手に入れないと無くなります・・

PCのし過ぎで肩こりしてませんか?
これ、とても気持ちが良いんですよ♪




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牙狼<GARO> 闇を照らす者 第7話 ネタバレストーリー 星野あかり 前田希美 [牙狼<GARO> 闇を照らす者]

牙狼<GARO> 闇を照らす者 第7話 住 Dining

「今度こそ、今度こそみんなで幸せになるわよ!」
「どうやったら幸せになれるわけ?」
「だから、みんなで頑張るのよ!」
「ここは医療費も学費もタダ。
何もかも安い、最高の街だっていうウワサなんだから。」

州崎幸子(筒井真理子)は
女手一つで、母:良恵(別府康子)と2人の子供の生活を支えてきたが
生活に行き詰まり、新天地に選んだ「ボルシティ」へと車を走らせていた。
弟の元気(椙杜翔馬)は家族旅行気分ではしゃいでいる。

洲崎類(前田希美)は、母:幸子の口癖「頑張る」という言葉に嫌気を差していた。

頑張っても変わらない現状・・・それはどこに行っても多分一緒・・・

“仕方がなく車に乗せられている”そんな気分だった。

「VOLCITY」
街の入り口で看板だけが自分たちを歓迎してくれた。



ひまわりのコサージュをスーツの胸元に留め、
バックミラーに映り込む新婚カップルを微笑ましく見つめる白波秀行(水橋研二)
運転しながらも笑顔が伝染してして、つい微笑んでしまう。

車は一戸建てが建ち並ぶ、新興住宅地の中の一軒に止まった。

このカップルは二人の新たな生活のためにボルシティにやってきた
街の新たな住人だった。


街に住むことが許可されると、住居と職が与えられる。
これが新たな街の定住者に与えられるボルシティの歓迎の証。


白波は家の中を案内してまわった。
この家は地上2階、地下1階の豪華な造りだった。
カップルは地下室まである大きな家に住むことができ、興奮していた。
白波の勧めに応じ、地下室へ降りていく。

白波は、地下室へ降りていく2人の後姿を見ながら
2人の住民登録カードを眺め、おもむろに顔写真部分を舐めた。
カラー写真からモノクロへと色が抜けた・・・


さっきまでと様子が変わり、地下は薄暗くて雑然と物が置かれていた。
足元には写真の色が抜けた無数の住民登録カードが散らばっている。
背後からゾンビのような人間態ホラーに襲われ、生気を吸い取られていく・・

ギャー・・・・

断末魔の叫び声が地下室に響き渡った
その様子を楽しそうに眺めていた・・・



第7話 住 Dining

「本当にこの街に移住出来るの?」
「類、ボルシティは弱い者の見方なのよ。必ず許可は出ます!」

幸子はこの移住に賭けていた。
不安な気持ちを押し殺し、家族に心配させまいと自分に言い聞かせていた。



蛇崩猛竜(じゃくずれ たける)は今日の女(星野あかり)とお楽しみ中。
女は猛竜(池田純矢)のテクで絶頂を向え、
ベッドでけだるそうに寝ころんでいた。

猛竜の心の中はいつまでも満たされることがなかった。
女を抱いて、ひと時だけ現実逃避がしたいだけ・・だから女を抱く・・・・

空しい思いを抱えたまま、女に背を向けベッドの隅に腰を下していた。

「最高に幸せ・・・」
「最高に幸せか・・・・」

余韻に浸りながら女がつぶやいた。
その言葉を聞きながら猛竜は“幸せ”と言う言葉に思いを馳せる・・

振り返って女を見ると、背中に魔界竜の稚魚の影が映り込んでいた。
部屋の中を動き回る魔界竜の稚魚を見つけると、
見つかったことに気づいた稚魚は窓の外から逃げ出した。

何かあったのか?これを扱うのかあいつしかいない・・
猛竜は服を着ながら外に出た。
その気配を感じた莉杏(りあん)は、
魔界竜の稚魚をショートジャケットの中にしまい込み、その場を離れた。



移住管理局で手続きを済ませ安堵した洲崎一家は
書類が出るまでの間、持ってきたお弁当を広げて昼食を取っていた。
ロビーの中は新しい生活に胸躍らせる人たちが集まり
和やかな雰囲気に包まれていた。

「美味しい??」「うん!!」

お弁当箱に手を伸ばし、おにぎりを頬張る猛竜。
ロビーで待っている間に元気と仲良くなった猛竜は
洲崎家のお弁当をごちそうになっていた。

「すっげぇ美味い!最高!!」
猛竜はお婆ちゃん手作りのおにぎりと思い、良恵にお礼を言うと

「違うよ!おにぎりを作ったのはお姉ちゃん!」
元気はそう言って類を猛竜に紹介した。

「すげぇ・・ごちそうさま。」
高校の制服を着た類の姿を見て、一瞬言葉に詰まったが
何もなかったように話しかけた。

猛竜に褒められ、類は少しくすぐったい気分で恥ずかしくなった。
逃げ出すように、少し離れた所に腰かけた。


「洲崎さま、おめでとうございます。
御一家のシティへの移住が許可されました。」
許可書を見せながら話をする白波。

次の手続きは、希望の丘と呼ばれる無償で提供されるシティ住宅の手続き。
手続きが済めば、明日からでも入居が出来る。
呼び出されて書類を持ってきたのは、職員として入り込んだ莉杏(南里美希)

移住管理局の動向を探りに猛竜と莉杏は潜入捜査に来ていた。

移住の許可に住宅の無償提供。洲崎家みんなで喜び合っていた。
その間から腕を伸ばし、白波の眼前で魔導火を点けた猛竜。
白波の眼球にホラーの証が浮かばなかった。

「誰だ君は?出て行きなさい!!」
手続きに来た人ではないと見抜いた白波は警備員を呼ぼうとする。


「キャー!!みんな逃げて!!!!」
猛竜の状況を見た莉杏は非常ベルを鳴らし、猛を逃がそうとした。
事態について行けない猛竜はその場から動こうとしない。

一拍置いて気づいた猛竜は、慌ててその場から逃げ出そうとした。
正面に立っていた類にまともにぶつかってしまった。
慌てて倒れそうな類を抱きかかえた猛竜。
類の目の前には、猛竜がいつも着けている
オレンジ色のエクステの飾り羽が揺らめいた。

姫を助けるナイトのような出来事は、類の心に甘い傷を作った。


今日移住許可が下りた人たちは、
ID制作用の顔写真撮影に笑顔で挑んでいた。
これから始まる新しい生活に胸を弾ませる人ばかりで笑顔が絶えない。
シティに着くまで笑顔を忘れていた類でさえ、
今までにないほどの笑顔を見せていた。



「白波って男はホラーなんだろ?」
「間違いないわ。あの男の周りで100人以上の人間が消えてるの。
だけど、瞳に刻印がなかった・・・」

符礼(ぶらい)法師に報告を入れる莉杏。
話しを聞いていた道外流牙(どうがい りゅうが)は
刻印が出ないホラー=魔導ホラーに興味を持っていた。



符礼法師(大友康平)のアジトへ報告に戻らず
シティ移住希望者のための仮宿泊施設に足を伸ばした猛竜.
白波に目をつけられた洲崎家のみんなのことが気がかりだった。

どこにいるのかわからず、
入り口近くの駐車場で洲崎家の誰かが通るのを待っていた。
猛竜はコンビニ帰りの類を見つけた。

「すぐにこのシティを出ろ!」
「誰なの?」
「悪りぃ、そいつは言えない。この街は危険なんだよ。
ここは、人が幸せになれるような場所じゃねぇ!」

類の胸に一瞬甘い感情があったのは事実。
猛竜のエクステを見ると、思い出して胸がときめいた・・
でも猛竜がどんな人なのかは知らない・・

今までのことと猛竜の話を天秤にかけてみる。

このシティでは家があり、働く場所がある。
家族全員揃っていて、借金もない。
ココの暮らしが幸せでないなら、何を幸せというのだろうか?

理由を告げず、
押し付けられた猛竜の感情を類は受け止められるわけがなかった。

「許可が下りなかったからって、逆恨みしないで!」
「頼む!俺を信じろ!!」

さっき会ったばかりの人を信じる!?
猛竜の目にウソは微塵もなかった。でも、そんなに簡単に信じられない・・・
類はそそくさと部屋に戻っていった。


今まで下を向いて、ただひたすら歯を食いしばって生きてきた。
これから始まる新しい生活に安らぎがあると信じていた。
家族みんな、笑って生活できるそんな暮らしを・・・
幸子は希望に燃えていた。

そんな母や祖母の笑顔を見ながらも、
必死に訴えかかてきた猛竜の眼差しを類は思い出していた。





白波の運転する車で、これから住む家まで案内してもらう。
車がトンネルを抜けると、一戸建てが建ち並ぶ住宅地が広がった。
その中の一軒に車が停車した。
ここは白波が新婚カップルを案内した場所と同じ家・・
その事実を洲崎一家は知らない。


「おい!待て!!」
家の中に入ろうとした洲崎一家を猛竜が止める。
説得力が足りないと感じた猛竜は流牙(栗山航)を連れて来ていた。

「こ・・来ないで!邪魔しないで!!」
類は訴えるように猛竜に向かって話す。
流牙はそれでも止めようとしていた。その流牙を猛竜が止めた。
類の必死なまなざしを見て、止めるなんて出来なかった・・・

「迷惑です。どうぞお引き取り下さい。」
白波は勝利を確信したような顔をして2人を促す。
その顔を見て、洲崎家のみんなのことが心配になった猛竜は
慌てて玄関に向かって走り出した。


入口のポーチ部分に結界が張られていて先へと進めない・・
流牙と猛竜は結界を打ち破ろうと、剣で結界を斬りつけた。
だが、剣の力は結界を打ち破れそうにない・・



「決めた!お姉ちゃん、僕の部屋はあそこね!!」
新しい家に自分の部屋、元気は喜んで部屋中を走り回った。

玄関あたりで様子を見ていた白波が、こけそうになった元気を受け止め
地下室の扉を開けて見せた。

「うわぁ!ねぇねぇお婆ちゃん!地下室があるよ!!」
元気の声を聞き、みんなで地下室へと降りていく。


「流牙!猛竜!どいて!!」
莉杏はおふだを楠神哀空吏(くすがみ あぐり)の弓の先に取りつけ
哀空吏(青木玄徳)は結界の中心へ向かって弓を放った。
結界は消滅し、中へ入れるようになった。


白波は地下室の扉を閉めると州崎一家の住民登録カードを取りだした。
舌なめずりしながら写真を見つめると、
カラー写真からモノクロへと色が抜けた・・・

地下室に入ると、ゾンビのような人間態ホラーが一家を待ちわびていた。
カップルの時よりも幸せそうな顔をしている州崎家はとても美味しそうで、
後ろにひかえていたホラーがナイフとフォークを持って狙っていた。

「キャー!助けて!!」幸子がたまらず声を上げた。
「心配ありません。幸せになれますよ♪」
白波が口元だけに笑みを浮かべて話しかけてくる。

「うおぉぉぉぉ!」
地下室に入り込んだ流牙、猛竜、莉杏。

「ここはホラーの食堂ってか!」
猛竜は類をかばうように前に出た。
類は背中越しに見えるエクステを見つめて安堵し、思わず肩に手をかけた。

莉杏は一家を安全な場所に逃がそうと促すが、
猛竜の肩を掴んで安心した類は、そこから動こうとしない・・

莉杏が類を猛から引き剥がす。
体ごと引っ張られた類の手は、思わず猛竜のエクステを掴みとってしまった。
返すひまもなく外へと連れだされた。


「俺が片付ける!」ホラーに向かって走り出す猛竜。
「何が幸せにするだよ!」流牙は白波と対峙していた。

「見ろ、ここにいるすべての人たちを私が幸せにした。みんな笑顔だ!
私のおかげだ!!私が夢を魅せた。」

床に散らばる無数の住民登録カードを誇らしげに見せつけると、
のどの皮を剥ぎ取り、刀を出した。

剣を合わせて戦う。
白波に向かって振り降ろした剣を、白波は素手で受け止めた。
手のひらが黄金の光を放つ・・
これは以前と同じ現象・・

また母の顔が、懐かしい風景が脳裏によみがえる・・

(でも今は、戦いの最中!)

意識を戦いへと向け直し、白波を追いつめていた。


今日の怒りのパワーはハンパなかった。
猛竜は同時に4体のホラーと戦うが、全然負けていない。
これはヤバいと察知した2体のホラーが地下室から逃げ出した。
哀空吏の弓は、そんなホラーを同時に串刺しに仕留めた。

「流牙、先に片づけてやるぜ!楽にしてやるよ。」
猛竜は鎧を召喚する。
炎刃騎士ゼンとなり、雑魚ホラーも含めてメッタ斬り。
あっけなくホラーを倒した。


流牙は白波を追いつめていた。
「私には仕事がある。戻らなければならない。」
「残念・・俺はお前を斬るのが仕事だ!」

ホラー態へと姿を変えた白波。流牙は鎧を召喚した。
黄金騎士ガロとなり、ホラー態と対峙していた。
まわりのホラーを片付け、猛竜は流牙に加勢する。

「流牙、やれ!!」猛竜はトドメを流牙に任せた。
流牙の一撃でホラーは跡形もなく消え去った・・

黄金の光を浴びたとき、戦いを終えると劇痛が襲う。
前回経験したので対処できるが、体の力を奪うほどの痛みが襲う。



州崎一家は乗ってきた車のなかで眠らされていた。
莉杏はホラーの出来事を記憶の中から消し去った。

「これで悪い夢も全て忘れる・・・
いつかきっと、幸せになれるから・・・・」

幸子の指にホラーに狙われないようになる指輪をはめた。
これでこの一家は普通の暮らしを送れるはず・・
“移住不許可”と思わせるために、書類を書き換えてわざと車の中に残した。



州崎一家は新しい土地を目指して車を走らせた。
“弱い者の味方”だったはずのボルシティが不許可・・・
でも、そんなに絶望していなかった。
“次の街なら受け入れてもらえる”そう信じていた。


道の真ん中に立つ、スーツ姿の男の人・・
男は車に向かって指を指すと、莉杏が幸子に着けた指輪が消滅した。
幸子はおもむろに車を止めた。


「おはようございます。書類を拝見できますか?」
親しげに話しかける男:尊士(倉田保昭)

指を動かし「許可」へと瞬時に書き換えた。

「おめでとうございます。ボルシティはあなた方を歓迎します。」


狐につままれたような気分だが、許可が下りていた。
車をUターンさせ、シティへ向かって走り出す。

類は車の中に無造作に置かれた飾りを見つけた。
これは・・・・?

「ここは、人が幸せになれるような場所じゃねぇ!」

猛竜のエクステを見て、消された記憶がよみがえった。

「母さんダメ!!車を止めて!!!」
類は必死になって母に話すが、3人共尊士に心を奪われていた。

車がトンネルを抜ける前に、車から飛び出した。



車と荷物が残され、一家は消えた・・・
助けたはずの命が奪われたことに悲しみを隠せない。

猛竜は自分の力の足りなさを悔やみ、泣きさけぶ・・
少し冷静になると、色の抜けた住民登録カードを確認した。
あの娘がいない・・・


符礼法師が類を探して連れて来てくれた。
血だらけで意識を失っているが、死んでいない・・・
その指には猛竜のエクステが絡みついていた。


このシティの誰かが、ホラーを支配している。



今回ようやく「炎刃騎士ゼン」の姿が見れました。
ちょっとあっけなかったので、もっとじっくり見たいなぁ・・
なにがびっくりって、倉田保昭でしょ!!
香港映画でよくやくざ者を演じられていましたが
渋い大人の雰囲気がとってもいいですね!
展開が楽しみです。

ゼンは10月までお預けです・・

簡単に栄養が取れますよ。
毎日の習慣にしてみませんか?







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牙狼<GARO> 闇を照らす者 第6話 ネタバレストーリー 太田基裕 [牙狼<GARO> 闇を照らす者]

牙狼<GARO> 闇を照らす者 第6話 響 Rock

道外流牙(どうがい りゅうが)がボルシティに来てから対峙した2体目のホラーは
流牙にとってホラーと戦う意味を自覚させるものだった。

ホラーに斬り込んだとき
なぜか頭の中に浮かんだ子供の頃の懐かしい景色や、
ホラーの傷口から放たれる黄金の光を受け
ガロが黄金の輝きを一瞬取り戻し、
戦い終えてもガロスーツが体から離れなかった・・

これまでいろんな戦いをしていたが、
今まで戦ったどのホラーよりも強く、流牙にとって意味のある戦いだった。


流牙が放つ最後の一撃で、ホラーの体はバラバラに分散されて散った・・
そのカケラの一つが消滅せずに外に飛び出した。
飛び出して消滅していなかったことを流牙たちは知らない・・


飛びだしたホラーのウロコはジッポーライターほどの大きさで
淡い水色の光を放ち、ガード下の壁に刺さっている。


第6話 響 Rock

蛇崩猛竜(じゃくずれ たける)はホラーと戦っていた。
太っていて、一見動きが鈍そうに見える人間態ホラー
猛竜(池田純矢)は一気に倒そうと、飛びかかって斬りつけようとするが
ホラーは戦おうとせず、必死の形相でその場から逃げ出そうとする。

「ごめんなさい・・勘弁してくれよ・・・・・」

見逃してもらえるように、一生懸命手をついて頭を下げる。
こんなホラーを退治するのは手ごたえがなくて本気になれない。


ちょうどそのとき、ギターの激しい旋律が響き渡ってきた。
近くで路上ライブを始めたようだ。

このギターの音に反応したホラーは首を激しく降り、音に身を任せた。
音に合わせて体が反応し、対戦モードに突入してきた。

さっさと片付ける気になった猛竜は、さっさとトドメを打とうとホラーに近づく。
音で覚醒したホラーの力はさっきまでとは比較にならない・・
一撃を与えるはずが、ホラーに一撃を食らってしまった。

この豹変ぶりに驚きを隠せない・・

何度殴りつけてもすぐに起き上がり、猛竜に挑んでくる。
終わりが来ない戦いに恐怖を感じ、使っていなかった剣で斬りつけようとした。
突きで差し出した右腕を取られ、ヒジに攻撃を受けてしまった・・・

痛さのあまりすぐに次の攻撃を繰り出せない猛竜。
ロックのリズムを聞き、小刻みで体を震わせるホラーは
猛竜のことなど忘れ、音に身をゆだねていた。


路上ライブの終了・・・
音がなくなり、ホラーが正気を取り戻す。
怒り狂った猛竜は、剣を振り回してホラーに斬りかかろうとするが
利き腕を痛めつけられたことで、逆手で剣を持っていたので
上手く斬りつけられず、逃げられてしまった。


音を聞いて反応したホラーを取り逃がしたので、挽回のチャンスを掴みたい!
路上ライブを終えた男の所まで重い体を引きずる。
痛めた腕は鉛のように重く感じ、思うように歩けない・・・

男の名はシン(太田基裕)
今回路上でライブをしたのは、客の反応をダイレクトに知るためだった。
明日出演するライブハウスでプロデューサーの御眼鏡に適えば
メジャーデビューも夢ではなくなる。
路上での客の反応を見て手ごたえを感じていたシンは、
明日のライブに賭けていた。

シンは持っていたギターピックを見つめる。
それは、ガード下の壁に刺さっていたホラーのウロコ・・・
これが手元に来てから物事が良い方に転がり出した
ぎゅっと握りしめ、大事そうにポケットにしまった。





猛竜は朝一番にホラーを取り逃がしたことの報告を入れる。
莉杏(りあん)は仕事をしくじった猛竜をなじった。

「音楽にノリ出したんだ!!」
途中で豹変をするホラーだったと説明するが、
証拠は何もなく信じてもらえない。


「音楽?音によって力を増幅させているな。」
2人の話しを聞いていた符礼(ぶらい)法師が反応した。

符礼法師(大友康平)の話に納得した猛竜は
今晩開かれるライブ潜入し、リベンジしようと考えた。
自慢げにチラシを莉杏に見せつける。

チラシを取り上げたのは楠神哀空吏(くすがみ あぐり)
ホラーを取り逃がしてけがをした猛竜は足手まといだと考え
莉杏(りあん)を連れて現場へ向かう。



道外流牙(どうがい りゅうが)は、町に潜むホラーを探して散策をしていた。
たまたま哀空吏(青木玄徳)が向かっていたライブハウスの近くにきたとき
妖しく光るペンダントヘッドをつけた男を見かけた。

あの光は、もしかして・・・・
前に倒したホラーと同じ色を発している・・・

男のあとを追いかけ、控室にまで入り込んだ。
タバコを吸おうとする男に、ライターに蓄えられている魔導火をかざした。

「あ、すみません・・・」
火を貸してくれたと思った男は、タバコを火にかざそうとした。

この男からホラーの反応が全くない・・・
「ゴメン・・何でもないんだ・・・・」火を使われる前に消した。

けげんそうな顔で流牙(栗山航)を見つめているところに、
スタンバイの声がかかり、ステージに出て行った。


「何でお前が?やっぱり、ホラーなんだな。」
音も立てずに流牙の背後に来ていた哀空吏の気配を察知した。
見間違いだと思っていたが、ホラーだと確信する。


「単独行動はするな!様子を見るんだ!!」
「ホラーが入るのに流暢にしてられるか!」
「焦るな。いくらあの男に関係しているからと言って・・」
「焦ってなんかない!」

相変わらずウマが合わない2人・・



ライブが始まり、哀空吏と莉杏は客に紛れ込んでホラーを探す。
今日の客はノリがよく、かなり盛り上がっていた。
ライブ終盤に差し掛かり、新曲のお披露目・・

シンは思い出したように
ペンダントヘッドにしていたホラーのウロコをギターピックとして使う。

「これだ!」

この曲にホラーの気が感じられ、流牙は目を閉じて音に集中する。
曲に乗せられ、昨日猛竜と対峙したホラーもやってきた。
客が少しずつ音に反応し、狂ったように暴れ出す。

音で力が増幅されていて、ねじ伏せるのは困難だし、
人が多すぎておおっぴらに斬りつけるわけにもいかない・・

シンを見て、流牙はにやりと笑いながら舞台に躍り出て、演奏を止めた。


「ちょっと借りるよ♪」
ギターを奪い取ると、シンが歌っていた曲を流牙が歌いだした。
客の反応が一気に高まる。これを演出の一環だと思っているようだ。

ホラーは流牙の音に興味はなかった。
みなぎる力が一気に冷め、ライブハウスからさっさと出て行く。
シンのライブを潰す形になったが、ホラーから人は守ることができた。


この失敗に、たシンはうなだれていた。
にっこり笑顔で現れた流牙は、抵抗することなくシンに殴られる。
そのついでに、ホラーのウロコを取り上げた。

「これ、どこで手に入れたの?」
「返せ!!」
「こんな物、持ってちゃダメだって!」
「大事なライブぶち壊しておいて、なに偉そうなこと言ってんだ!!」

「こいつには恐ろしい力が宿ってるんだ。まあ、信じられないだろうけどね。」

これは、5年間全く売れずに諦めようとしたときに見つけた物で、
ギターピックとして使うと、周囲やファンの反応が変わった。
メジャーデビューまでもう少しの所まで導いてくれた物だった。

「明日のレコーディングには必要なんだ!頼む、返してくれ!!
俺の命を賭けてるんだ・・・」


シンの本音が知りたい流牙は、シンがいつも使っているギターに耳をあてた。
物を通じて人の想いを感じ取る特殊な能力を持つ流牙は
ギターから、シンのメジャーデビューを楽しみにしていた母が死んだことを知った。
命を賭けているという話も本当なのだろうと推測できた。

「あの新曲は俺も好きだ。でも、お前の気持ちは心に響かなかった。
なぜかは、お前が一番よくわかっているはずだ。」

理由は分かっていた。
でも、このチャンスにすがりたいとの思いから
理由について考えないようにしていた。
第三者からの指摘は、心に重くのしかかる・・・・



「原因はそいつだ。」
持ち帰ったホラーのウロコを符礼法師に投げ渡す。

「やはりな・・ホラーのウロコか・・・」
符礼法師は手のひらでもてあそびながら、ウロコをしげしげと眺める。

シンの歌声とウロコから発せられる波長とが共鳴し、ホラーの力を増大させていた。
メジャーデビューしたら、
町中にホラーの力を増大させる音楽がばら撒かれてしまう・・・


「莉杏、返して来い。レコーディングさせるんだ。」
ここまでわかっていながら符礼法師は返すように指示を出した。
騎士たちは一斉に「否」を唱えるが
その慌てふためく顔を見て符礼はにやりと笑った。


シンは朝から何テイクも重ねながらレコーディングをしていた。
夜になってもまだ、納得のいく音を出せていない・・
ブースの中から見ても、関係者の顔が曇っているのが分かる・・
焦る気持ちが余計に音を乱していた。

「ストップ。全然ダメ!こんな音に付き合っている時間がもったいない!
お前の命がけってさ、そんなものだったのかよ。
次がラストテイクだ。いいな・・」

みんなが休憩に出て行き、シンはブースの中でうなだれる・・


誰もいないはずのレコーディングルームの扉が開き
にっこりとシンに微笑みかけながら莉杏が入ってきた。

「はい。これで思いっきり演奏ができるね♪期待してるわよ!」
「だけど、これは・・・・」

莉杏はホラーのウロコをシンに手渡して帰っていった。
ウロコを使わず勝負しようと思っていた気持ちが揺らぐ・・・


レコーディングルームのあるビルの下にスピーカーを引き込み、準備完了。
猛竜・哀空吏・流牙・莉杏と全員でウォーミングアップを始めた。
あとはウロコを使って演奏をしてくれるのを待つだけ・・

「頼みがある・・・・」
深刻そうな顔をして流牙がみんなに頼みごとを話した。


シンの心は葛藤していた。流牙の言葉が引っかかって重くのしかかっている。
「シン、ラスト行けるな!」
「はい!行かせてください!」

シンはウロコをピックに使って演奏を始めた。
その音は、外にあるスピーカーからも流れ出した。

ノリノリのホラーがスピーカーに向かって集まりだした。
これが符礼法師の作戦だった。
音に引き寄せられるように集まったホラーを倒す。
一体ずつ探すよりも効果的だ。

哀空吏は弓を引き絞り、
猛竜は刀を鞘から抜いて構えを取り、
莉杏は魔戒銃を構え、トリガーに指を置き
流牙も刀を構えた。


力が増大しているが、元の力を考えるとそれほどの強敵ではない。
流れ作業のように、ホラーを次から次へと倒していく。

曲が間奏部分にまでさしかかると、強いホラーだけが残された。
倒しても 倒しても起き上がり戦いを続けるホラーに苦戦する。

「おい!演奏を止めないとまずいぜ!!」
ホラーだと解れば演奏が止まった状態の方が倒しやすい。
今の状況を考えると演奏を止めるのが一番の策だった。



「頼む、最後までスピーカーを切らないでくれ・・」
戦いの前に話した流牙の頼みごと・・

「何、これはホラーを釣る目的で流しているだけだ。」
哀空吏の言うことは正論。

「あの音と声でパワーアップしてんだから、
音楽が流れていると不利に決まってんだろ!」
猛竜の言うことも間違っていない・・

「あいつの命がけの演奏を聞いてやりたいんだ・・・・」

「ご自由に。」哀空吏はあっさりと流牙の気持ちを受け取った。



ピンチになり演奏を止めさせようとする猛竜を、哀空吏は止めた。
だが流牙はどんどんと追いつめられていく。

「流牙!!」猛竜が助けに入ろうとする。
「待て!自分を生かすことの出来ないようでは、彼にガロの資格はない!」
哀空吏は猛竜を止めた。


流牙はホラーが正体を見せたと同時に鎧を召喚し、
バッサリと斬り捨てた。


演奏は終わり、ここに集まったホラーはすべて倒した。
シンは演奏を褒められたが、心は晴れないままでいた。

限界まで力を使った流牙は、
よろよろとしながらレコーディングルームに入って来る。

「命がけの演奏、聞かせてもらったよ。」
「どうだった?」
流牙はあえて言葉にせず、首を横に振った。
「そうか、やっぱりな・・・・」

流牙は刀を抜き、録音されている機材を叩き割った。

「いいんです。それには俺の心がこもっていない・・
命がけだなんて恰好つけていただけなんだ・・」

シンは気づいていた。
力に頼ってデビューしても、死んだ母さんは喜ばないと・・


ビルを出た所で莉杏が待っていた。
限界まで力を使い、気持ちだけで歩いていた流牙は
莉杏の姿を見ると力が一気に抜けた。


「あの音を背負うのは、俺だけで十分だ。」
「だけど彼、デビューできなくてかわいそう・・」
「いや、あいつなら必ず・・・・」

願いを込めてホラーのウロコを斬りつぶした。



分散したホラーのウロコが残る!?
こんなに驚いた回はありません。
これまで倒したホラーは大丈夫だったのでしょうか?
考えると気味が悪いですね。
太田基裕ファンにはたまらない、歌声満載の回でした。

予約!!

予約!

流行り!





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牙狼<GARO> 闇を照らす者 第5話 ネタバレストーリー [牙狼<GARO> 闇を照らす者]

牙狼<GARO> 闇を照らす者 第5話 夢 Nightmare

「居ました!ここです!!」

満月が闇夜を照らす夜、
陰我ホラー(人間態)とビルの屋上で戦う 道外流牙(どうがい りゅうが)
追ってきたSG1の吉富(福山一樹)は流牙(栗山航)を見つけると
隊長の燕邦(えんほう)を呼んだ。

ホラーが投げた配管の一部が燕邦(佐藤寛子)目がけて飛んできた。

「危ない!!!」

配管が当たる寸前の所で、流牙が燕邦の腕を引き寄せた。
とっさの出来事で、何が起きたのかが理解できず
いつのまにか地面にあおむけに寝かされていた。

「逃げて、遊びは終わり♪」

燕邦にキスするほど顔を寄せ、流牙は警告を出した。
この街のシンボルとして建てられた巨大な女神像から
歌声が聞こえてくる・・・



燕邦が女神像からの歌声を自分の部屋で聞いたとき
何者かに操られ、生贄としてベッドに置かれていた魂を飲み込んだ。
でもこれは、陰我ホラーが魂をすするところを偶然に見てしまったことで
夢の中に出てきたからだと思っていた。
でも、あまりにもリアルな夢だったので忘れられない・・・


夜中に流れる女神像からの歌声で目が覚めた。
また魂を飲み込むリアルな夢を見た・・・・
全身は寝汗で濡れている・・
汗を手で拭うとすると、力を入れてネックレスを握りしめていた。
これは誕生日の日に吉富がくれたネックレスだ・・・

なぜ握っていたのだろう・・・

「僕にとって、世界で一番大切なのはあなたです。」
今になって、カードに書かれていた吉富の言葉が心に引っかかる・・・



SG1に早めに出勤し、トレーニング室の腹筋台に寝ころんだ。
燕邦は思い出していた・・魂を嚥下するときの感触を・・・
唇が、舌が、のどが もう一度感触を求める。
腹筋をするどころか、
恋人との甘い一夜を思い出しているかのように、恍惚とした表情を見せていた。


コツ、コツ、コツ・・・・足音が近づき、影が視界を暗くする。
この影の正体を知り、慌ててトレーニングを開始した。

「顔が真っ青ですよ。お昼も何も食べて無かったでしょ。」

腹筋中の燕邦の顔に、吉富は顔を近づけながら話す。
キスされそうな距離に驚きながらも、冷静を装い腹筋を続けた。

「私にかまうな。」
「上官を気遣うのも、仕事のうちです。
家でゆっくり休んでください。」
「わかった・・・」

吉富の言うことに従い、燕邦はトレーニング室を出て行った。
その後ろ姿を、切ない眼差しで見つめることしかできなかった・・・



「あのホラー、音と同じようにスピーカーから出たり入ったりできるわけか・・・」

流牙の報告を反芻しながら蛇崩猛竜(じゃくずれ たける)は聞いていた。

スピーカーならどこでも出たり入ったりできるホラー・・
神出鬼没なうえに、戦う意思を持っていない・・
どうやってあのホラーを捕まえればいいのか・・・?
闇雲に戦うよりも、戦術が必要になっていた。


「莉杏(りあん)、アレは出来上がったのか?」

符礼(ぶらい)は莉杏(南里美希)に頼んだ品の出来を確認した。
出来上がってはいたが、魔道具の中でもとびっきりの高級品だったので
せっかくの品が残念なことになりそうなことを危惧して渡せずにいた。

「失敗なんかするかよ!」
スカイブルーの液体が入った入れ物を莉杏から受け取ると
手のひらに置いて見つめながら流牙はニヤついた。

この自信満々な発言をしながらニヤつく姿を見ていると、
渡したことを、つい後悔してしまう・・・

「大丈夫だ。次は俺も行く。」

楠神哀空吏(くすがみ あぐり)が、ため息をつく莉杏を安心させた。







「こんばんは、また会ったわね♪」

いつものBarに顔を出した莉杏は、燕邦を見つけた。
男たちに絡まれていた莉杏を助けた所から飲み友達になった2人。
2人共、旧年来の友人のような親しさを感じていた。

吉富に言われた通り、仕事を休んで家に帰ってきたが
酒を飲む以外にすることが思いつかずに飲みに来ていた燕邦。
首には吉富がくれたネックレスが輝く。
仕事が恋人・・他意はなかった。


「あら?つまんない・・もっと女を楽しまなきゃ。」
「女を楽しむ・・か・・・・・」
「私が探してるのは、最高にゴージャスで最強の男。
男も酒も、安っぽいのは御免だわ・・自分が安くなるもの。」

女として生きることを理解している発言だと思うが、歪んでいる気もする・・
だが莉杏の言葉がハズレだとは思わない。
そういう生き方もあるというだけ・・・

燕邦は子供の頃からずっと、ただひたすら“強い人間”になりたいと思っていた。
正しくありたい・・そのためには強い力が必要だった・・・

同じ女性でも考え方が全く違っていた。
でも、だからこそ気が合うのかもしれない・・



今回は男3人でホラー退治にやってきた。
ホラーの潜むビルの地下駐車場へ向かう途中、
無造作に捨てられているヘッドフォンを見つけた。
こんな小さなスピーカーからも出入りできるのか・・・と思った矢先

「うわぁ!!!」
人が襲われる声が聞こえる。
流牙は素早く人間態のホラーの顔を確認した。

「あいつだ!」

流牙の声を聞いたや否や、哀空吏(青木玄徳)がホラーに弓を放った。
ホラーは弓を素早く避け、走って逃げ出す。

全速力で走っていたホラーの動きが止まり、顔がきょろきょろと何かを探している。
ホラーのそばを、音楽を鳴らしながらビッグスクーターが走ってきた。
ホラーは人間態から姿を変え
ビッグスクーターに取り付けられたスピーカーの中に入り込もうとした。

「逃がすか!!!」

流牙はさっき莉杏からもらった魔道具を、ホラーに向かって投げつけた。
逃げることに必死になっていて、避け切れなかったホラーに命中した。
変態したホラーはスカイブルーの光を放つ。
これでどこに逃げてもホラーを特定するのに手間取らないことだけは確定した。


スカイブルーの光を追っていたとき、SG1の巡回と遭遇してしまった。

「どうする流牙!」いらだちながら猛竜(池田純矢)が問う。
「いや、大丈夫だ。」流牙は前回 燕邦と話しをつけたので害はないと思っていた。

「そうだ、あそこの隊長さんとお友達になったんだもんな。」
猛竜はこっそりと流牙の背中を蹴り飛ばした。

「あ!あいつだ!!!」
派手に転んで音を立てた流牙に向かって走ってくる。
猛竜の読み通り、流牙おとり作戦成功!
その隙に2人でホラー探しに向かった。



閉店後も居座って酒を飲んでいる2人。
マスターはカウンター席で舟を漕いでいた。

立ち飲み形式のゾーンにいたが、すっかり出来上がった2人は
床に酒を並べて座り込んで飲んでいた。

「ひょっとするとお前の言う通りなのかもしれない・・
私も。もっと素直に女を楽しむべき・・か・・・」
真面目な表情になった燕邦が、莉杏に話し出す。


「探しましたよ!ダメじゃないですか、具合が悪いのにお酒なんて!!」
燕邦の背後に吉富が立っていた。

「また会おう。」燕邦は莉杏に告げると吉富を引き連れて帰っていった。



ようやくホラーのいるビッグスクーターを見つけた2人。
追いつけたと思った時、ホラーは駐車場のスピーカーの方に飛んで逃げた。
そんなに気にしていなかったが、スピーカーが至る所にありすぎる・・



吉富を自分のマンションに招き、女としての性を味わう。
寝顔を見つめ、眠っている吉富の頬を優しく撫でた。
これは愛情からというよりは、ホラーが魂を抜く時の動作に似ていた。

ベッドの中にいても、思い出すのは魂を飲み干す快感・・・

頬の感触に、吉富は目を覚ます。
目を覚ますと思っていなかった燕邦は、目が合った瞬間に驚き のけぞる。
そんな燕邦の後頭部を大きな掌が包み込み、優しく胸元へ引き寄せ
驚きを忘れさせるように、熱い濃厚なキスを交わした。
部屋の中は衣擦れの音と燕邦の甘い声だけが聞こえる・・・・

眠る吉富の隣で、喜びに顔を緩ませる燕邦。
甘ったるい空気を打ち消すように、SG1から支給されたケータイが鳴り響いた。
これは緊急招集の知らせ・・・

「召集だ。仕度をしろ!!」

吉富に声をかける燕邦は、SG1の隊長の顔に戻っていた。



ホラーはスピーカーを転々とめぐり、外まで出てきていた。
それを追って流牙も外に出るが、
SG1に追われたままホラーを追跡するのは骨が折れた。

さっき放った魔道具のおかげでホラーの位置を見つけ出すのは容易だが
SG1が近くに来て、戦うことができない。


「二手に分かれ、B班はビルの周囲を見て回る。」
燕邦と吉富が部隊に合流し、的確な指示を出した。



ようやくホラーを追いつめた流牙。
スピーカーからスピーカーへと飛び移るホラーの動きを読み
飛び移ったと同時にスピーカーを叩いた。
次に移動しきれていないホラーは、叩かれた衝撃で地面に落ちる。

やっと実態を見せたホラーに斬りかかっていた。


「居ました!ここです。」
戦いの途中で吉富と燕邦に居場所を特定されてしまった。

ホラーが流牙に向かって投げた配管の一部が、燕邦目がけて飛んでくる。

「危ない!!!」

配管が当たる寸前の所で、流牙が燕邦の腕を引き寄せた。
とっさの出来事で、何が起きたのかが理解できずにいたが
いつのまにか地面に仰向けに寝かされていた。

「逃げて、遊びは終わり♪」

燕邦にキスするほど顔を寄せ、流牙は警告して走り去った。
その時、この街のシンボルとして建てられた巨大な女神像から
歌声が聞こえてくる・・・



ホラーを追ってビルからビルへと渡り飛ぶ。
ホラーは身軽ですばしっこく、なかなか追いつけないでいた。
そのあいだにも、配管を蹴り飛ばしてくる。

流牙が配管をよけると、後ろから追いかけていた燕邦と吉富の所に飛んだ。
燕邦はうまくかわしたが、吉富の頭に当たってしまう。

「吉富!!しっかりしろ!」
「す・・すいません・・・」

額から血を流しながら燕邦に謝る。
優しく傷口を押さえる燕邦は、ホラーが魂を取る姿と重なることを思い出していた。

燕邦は肩を貸し、2人で出口に向かって歩く。

「食ってしまえ・・・食え、その男を・・・食ってしまえ・・・・」
吉富の口が、吉富と違う声を出し燕邦に命令する。

「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
この聞き覚えのある声に燕邦は悲鳴をあげた。
そう、自分が魂を飲み干したときに聞いた声と同じだ・・


「隊長??」吉富の体が吉富の意識を取り戻した。
燕邦を安心させるように顔を向け・・・・・

燕邦の姿を見てへたりこみ、腰が引けたまま後ずさりを始める。

「いや・・来るな!!!!」

吉富の目に映る燕邦の姿は、もう燕邦ではなかった。
ホラーに姿を変えた燕邦は、ゆっくりと吉富を追いつめる。
吉富は持ってきていた銃を取出し、ホラー(燕邦)に向かって連射した。

「どうしたんだ?吉富・・何を言っている?」

優しく微笑みながら声をかけてくれるホラー(燕邦)
吉富が撃った弾は燕邦の心臓を貫いたが、そこからホラーの妖気が吹き出していた。
燕邦は自分がホラーに変わったとは思っていない。

「バケモノ!来るな!!!」
「どうして??」

月夜に照らされ燕邦の影が映し出された。
その姿はもはや人間の物ではなかった・・・

そのことを自覚した燕邦は、見よう見まねで吉富の頭を掴み
魂と体を分離させた。

体はビルの上から自殺をしたように落とされ、
残ったのは燕邦が握る魂だけ・・・

燕邦は吉富にキスするように小首をかしげて魂を飲み下した。

魂がなくなり、もぬけの殻となった吉富の体は魂の消滅と共に消えた。


「う・・・美味い・・・・・」

自分から進んで行為を行ったことで、本物のホラーに変わってしまった。
燕邦の目は真っ赤に光り、瞳孔はホラーの物と同じになった。

のどから口へ何かが移動する。
吐き出すと、吉富が撃ちこんだ銃弾が出てきた。
魂を得たことで、新たな力が備わったのだろうか・・・・



気配を消し、身を潜めてホラーに近づき、横蹴りを食らわせる。

「逃げても無駄だよ。」

追いつめたとき、スピーカーから少女の歌声が聞こえてきた。
女神像から出されている歌声は、
中にいる少女(白本彩奈)が歌っていたのだった。


「さあ?どうかな。」

ホラーは歌声のおかげでスピーカーの場所を特定し、入り込もうとする。
またスピーカーの中に入られると探すのが大変なので
流牙は懸命に足止めした。

「逃げるな!堂々と戦えよ!!」
「なぜおまえと戦う必要がある?俺は人間を食う。ただそれだけだ。」


ホラーはスピーカー目指して走り出した。
その様子を素早く察知した流牙は、
刀を投げてホラーをけん制し、鎧を召喚する。


流牙に向かって飛んでくる鎧に、ホラーの体勢が崩れた。
装着を終えたと同時にホラーの胴体に刀を刺した。

これが致命傷となり、滅。

「俺は、ホラーを斬る。それだけだ・・・」



アジトに掲げられたシティの地図に点灯していたホラーの気配が一つ消えた。
符礼(大友康平)は、流牙たちが仕事を終えたことを知った。

「何だ?あの光は??」
魔導輪ザルバ(影山ヒロノブ)は、
消えた光のそばに燃えるように沸き立つ光を見つけた。

ホラーが消えたすぐそばに別のホラーが現れた。
ゲートから現れるのがホラーだとばかり思っていたが、
ゲートもなく誕生したホラー。
これが魔導ホラーなのだろうか・・・



燕邦たちがホラーに攻撃をされたところを見ていた流牙。
様子を見に戻ってきていた。
そこには何の気配もなく、ねっとりとした液に包まれた銃弾だけが残されていた。
なにげなく銃弾をひろった。


「なんだ・・探したんだぜ!」
走ってくる足音が聞こえ、それが燕邦の出す音だと思った流牙。
振り向きながら燕邦に話しかけた。

だが、SG1の部隊が流牙を取り囲む。

「え???」
話が付いていると思っていたので驚きながらも油断した。
燕邦が警告として構えているだけだと思っていた銃が火を吹き、流牙に当たった。

「お前は我々の仲間を殺した・・」
「何を言ってるんだよ?俺を信じるんじゃなかったのかよ・・」

流牙の言葉は燕邦に届かず、2発3発と連続して弾は発射された。
今は逃げるしかない・・
飛びながら逃げ、ビルを下りた。

「逃げても無駄だ。
流牙、この私がいつか私がお前の息の根を止めてやる。絶対に!」

走り去る流牙の背中を見ながら、ひとりごとのようにつぶやいた。



自室戻った燕邦。ホラーと会話を交わす。
ホラーは燕邦の体の中にいて、燕邦の体を使って意志を示す。

「お前は力を得た。」
「力を?」
「これからはあの男を監視せよ。それがお前の役割だ。
あの方に尽くせ・・・」


燕邦が耳を撫でると、耳たぶにピアスが付き、
唇を撫でると、蠱惑的な口紅が唇についた。

「力を・・得た・・・・」

漠然とした喜びを感じながら月夜を眺める。
人間の体で燕邦としてそこにいるが、影はホラー態を隠せずに映し出していた。



次の日、女神像のある公園に足が向いた流牙。
昨日の燕邦の態度と、以前の燕邦の態度が頭から離れずにいる。
どうして急に人が変わったようになってしまったのか・・??

「いつかお前の息の根を止めて見せる・・・絶対に・・」
この言葉は流牙の耳に届いていた。
なぜこんな挑戦的な言葉を言ったのだろうか・・・・



体のラインがはっきりと映るタイトな服に身を包みBarにきた燕邦。
マイクロミニから見える足に、男たちは見とれてる。

「ずいぶんと女を楽しんでいるじゃない♪」
燕邦の気配に気づき、莉杏が声をかけた。

「そのネックレスステキよね♪あの人からでしょ?」
「あぁ、そうだ。」

燕邦は莉杏の正面に立つと、髪を触りピアスを見せながら答えた。




とうとうホラーに変わってしまいました。
身近に感じる人がホラーになったら、気が付かないのかなぁ・・
何人の男を手玉に取るのでしょう(笑)


タバコを吸わなくても欲しい!!

みんなと違ったケースを持ちませんか?
完全受注生産です。

梅雨の時までに手に入れておくと安心ですね。



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牙狼<GARO> 闇を照らす者 第4話 ネタバレストーリー 燕邦 佐藤寛子 [牙狼<GARO> 闇を照らす者]

牙狼<GARO> 闇を照らす者 第4話 夢 Dream

気を付けて歩いているつもりだったが、SG1に見つかってしまった・・・
道外流牙(どうがい りゅうが)は、走って逃げ出した。

人間と戦うつもりは全くなく、SG1との戦いをずっと避けていた流牙(栗山航)
今回も適当にやり過ごしたいと思っていたが、
SG1女性隊長の燕邦(えんほう)は、流牙確保のために執念で追いかけてくる。

建物の角を曲がり、背後からの攻撃を避けながら走る
今回はたやすく逃げられそうにない・・


「吉富!!!」
燕邦(佐藤寛子)が呼ぶと、吉富(福山一樹)が流牙の前に躍り出た。
この状況でも走るスピードは変わらない。
流牙は体当たりしながら、銃を構える吉富の腕をひねり上げ
痛がる隙に逃げ出すことに成功した。



徒労に終わり、燕邦は部隊を本部に戻す。
武装を解き、更衣室で着替えていた燕邦に 吉富が声をかけてきた。

「怪我は大丈夫か?」
「大丈夫、軽い怪我です。このぐらいで俺はあきらめませんよ。」
「お前はすぐに熱くなって見境がなくなるが、無茶はするな。」
「了解です、隊長。」

吉富は燕邦の側で真剣に話しをしているが、
燕邦は顔を合わせることなく靴を履き替え、
ロッカーの上部に戦闘用の短靴を置いた。

燕邦の背中に隙ができたことを確認すると、吉富は上着を持って背後から近づく。

「今度は隊長の好きなセントラルビルの中華レストランを予約してあります。」
他の人に聞こえないように、耳元で囁く声は甘い・・

「残念だが、予約はキャンセルだ。
明日は早朝トレーニング、遅刻は許されない。」
甘い雰囲気をかき消すように燕邦は命令口調でけん制した。

「でも・・せめて今夜の12時ぐらいまでは・・・」吉富は懸命に食い下がる。
「なぜ?」燕邦は吉富が食い下がる意味がわからなかった。

「なぜって? まさか・・忘れてるんですか?」
「お前はその怪我だ。今夜はゆっくり休んで明日は遅刻の無いように。」

これ以上何も言えなかった。
出来たのは、燕邦に上着をかけることだけ・・・・


本部を出て、街をブラブラしながら歩く。
不意にポケットに手を突っ込むと、無いはずの何かが入っていた。
ネックレスとカード・・

ハッピーバースデー
僕にとって世界で一番大切なのはあなたです。吉富。


忘れていた自分のバースデイを吉富は覚えていた。
だが燕邦の心は吉富に動かない・・・


ガシャン!!

グラスの割れる音が道にまで響いてきた。
何か事件があったのだと思い、現場に急行する。

店の中で莉杏(りあん)が3人の男に組み敷かれていた。

「俺たちのこと知ってんでしょ?これでも有名なんだぜ!
可愛がってやるよ、どうせ男を探しに来てたんだろ?」

「確かに誘ってるけど、残念ね 相手はあなたじゃないの。」
両腕も足も自由にならない状態で、なぜか勝気なセリフを吐いた。
このセリフは男たちのプライドを汚す形となり、怒りに火を着けてしまった。

「飲み過ぎだ、みっともないぞ!」
強引にキスを迫る男の背後から腕を取った燕邦
左腕が自由に動かせるようになり、莉杏(南里美希)は体勢を立て直す。

護身術というより戦闘術を身につけている莉杏は、華麗なる足技で男を倒していく。
一般市民に対して本気を出すと生命に危機があることを思い出した燕邦は
軽い力で男たちを倒す。

あっさりと倒された男たち・・
その戦いを見ていた客たちは、戦いの勝者燕邦と莉杏に拍手を送る。


「どうぞ、助けてくれたお礼。」莉杏は燕邦にカクテルを差し出した。
「私の助けなど、必要なかったようだな。」莉杏の能力を見切った燕邦。

「自分の身を守るのも女のたしなみでしょ??」

こんなことを言う女性に初めて会った。
燕邦は莉杏のことが気に入り、一緒にお酒を飲むことにする。
思いがけない楽しい誕生日の夜を過ごした。






不法投棄ゴミが投げ捨てられ、橋のたもとにはゴミの山が出来ていた。
そこに不法投棄をしに来た男は、破れたボストンバッグをゴミの山に投げ込んだ。

「ダレダ・・・・」

帰ろうとする男を呼び止める声が聞こえて来る。
ゴミの山を見つめると、入るはずのないスピーカーの電源が入っていた。

「ダレダ・・ダレダ・・・・ワタシヲネムリカラサマスモノハ・・」

気になってゴミの山から取り出すと、スピーカーの中からホラーが現れた。
驚いて後ずさろうとして失敗し、仰向けに倒れてしまった。
ホラーに両腕の自由を奪われる・・
男の顔にホラーの顔が近づき・・ディープキスをしながら体内に侵入していった。



ホラーが出現したと符礼(ぶらい)法師に言われ、
不法投棄されたゴミの山にホラー退治に来た流牙と蛇崩猛竜(じゃくずれ たける)
わざわざ女性と会う約束をキャンセルしてきたのに何もなし・・
この状況に猛竜(池田純矢)は怒った。

「これが陰我ホラーのゲートだよ。」
さっきまでホラーがいたスピーカーに耳をあて、流牙は確信した。



SG1では危険分子についての検討会が行われていた。
今回の議題は金城滔星(かねしろ とうせい)

金城滔星(津田寛治)は金城家を追放された四男。
滔星だけ母親が違い、現在は飲食店(ステーキハウス)を経営している。
これまでの金城グループへの反社会的にかかわっているという証拠はない。
ただ、強いて言えば“金城一族への並々ならぬ恨みを持っていそう”



符礼法師に昨日の夜のことを話す莉杏。
人とつるむ、それも同性と気が合って朝まで一緒に酒を飲むなど
一匹狼でやってきた莉杏では考えられないことだった。
符礼法師は話しを聞いて面食らっていた。

成果がないまま帰ってきた流牙。
流牙と別行動を取っていた猛竜も成果がなく帰ってきた。
状況が気になり楠神哀空吏(くすがみ あぐり)も事の次第を確かめに来た。

莉杏はいろんな道具を駆使し、
ホラーの気配を読み取り、居場所を確定させた。
その場所は「セントラルエリア」
その中の「セントラルAブロックのステーキハウス」にいるようだ。

「哀空吏と莉杏は待機だ。また別の場所に現れるかもしれないしな。」

符礼の指示で、流牙と猛竜がステーキハウスに向かうことになった。
陰我ホラーと差しで勝負してみたかった猛竜は
“見つけたホラーは自分が斬る”と息巻いている。


ホラーのことは全く知らないSG1
反社会的事件の内偵でステーキハウスに来ていた。
中に燕邦だけが入り、後の者は外で待機させる。

「はい、いらっしゃい!!」
ステーキハウス店長:金城滔星が勢いよく声をかけた。
燕邦の感じを見て、まずい事態なのだけはわかった。

「金城滔星だな。
聞きたいことがある。我々と同行してもらいたい。」

任意での同行にしては有無を言わせぬ威圧感があり、断ることなどできなかった。
滔星はあきらめたように、今店にいる客に帰ってもらうように話し始めた。

「あの・・お客さん申し訳ないんだけど今日は店じまいで・・・」

食べ始める寸前の客は困惑しながらも帰ることを了承した。
店にいた2人の客の内のもう一人
腕時計を腕に何本もつけ、初めてのナイフ使いに苦心する男性客にも声をかけた。


ステーキハウスの近くまで来た流牙と猛竜は
店の前にSG1がいることをいぶかしげる。
このまま中に入ると、余計な面倒が待っているのだけはわかっていた。
店の前にいる隊員の気を引き、戸口から離れてもらうには・・・・??

流牙はいたずらっ子のような目つきになり、猛竜を道へ突き飛ばした。
そこに通りがかった車と正面から激突する。

キ、キキキキキキ・・・・ ドン!!

交通事故の爆音が響き渡る・・
店の前にいたSG1の隊員たちは現場へ急行!



睨み付けるように立ち上がった男は、もう一人の客の顔面を握った。
顔面を握った手のひらは、人の魂だけを抜き取る。
抜けた魂は、床で仰向けになってバタバタと暴れていた。

男は魂の顔面に顔を近づけると、
口が花のように裂けて開き 暴れる魂を食らいつくした。
魂の無くなった肉体は、魂の消滅と同じときに消滅・・

初めて見たホラーに燕邦も滔星も泡を食っていた。


猛竜が上手く引き付けてくれたおかげで、流牙は難なくステーキハウスに入る。
そこでは燕邦がホラー相手に銃を撃っていた。

「来るな!!バケモノ!!!」
いくら銃を撃っても全く効果がなかった。

「は!!」流牙は店に入ったと同時にホラーを横蹴りにする。
燕邦は、危険な相手に立ち向かう流牙の動きを止めた。

ここで邪魔をされたらホラーが逃げる!!
動きを止める燕邦が邪魔だった。
「危ないから逃げて!!」
燕邦の頬を叩いて正気に戻し、逃げるように話した。

男に叩かれたことが初めてだった燕邦は、びっくりしてその場から動けない・・
滔星が燕邦をかばう。

狭い店内で剣を振るのに障害物が多かった。
そのせいで決定的な一打が与えられず、ちょこまかと逃げるホラーを討ち取れない。
ホラーは逃げながらキョロキョロと何かを探していた。
TVの横に置かれたスピーカーを見つけると、空間を飛び越え中に入って消えた・・

スピーカーに吸い込まれて消えた??
次はどこかのスピーカーから出てくるかもしれない。


「おい、ちょっと待て!君は誰なんだ?今のは何だったんだ??」
逃げたホラーを探しに店を出ようとした流牙を滔星が止めた。
一般人に話せることはない・・ 何も言わずに店を出た。


アジトに戻り、符礼法師に報告。
ホラーのいる店にSG1が待ち伏せしていたのは、
流牙が来ることを知っていたからだろうか?
SG1にマークされている流牙がいると仕事がやりにくいと
哀空吏は思っていた。


今日一日はとても長かった。仕事に身が入らないまま退勤時間が来た。
昨日のことが頭から離れず、他に何も考えられない・・・
今でも流牙に叩かれた頬に感触が残っていた。

「昨日、私が見たものが夢かどうかを確かめに来た・・」
一般人として滔星のステーキハウスを訪れた燕邦。

「いや・・夢じゃない・・・」
ようやく体を動かす余裕が出た滔星は、
散らかったままになっていた店の中を掃除しながら答えた。

「そうか・・聞きたかったのはそれだけだ。仕事中に邪魔したな。」
現実に起きた出来事だと聞かされて動揺したが
SG1として一般人に弱みを見せられない。
何もなかったかのように振る舞い、帰ろうとした。

2人しか知らない恐怖・・・
滔星は燕邦が帰ろうとするのを止める。

「なあ・・俺はいったいなんだったんだ・・・・」
「わからない・・だが心配するな。シティは我々が守る。」
「頼もしいな・・・」

「少し休んだ方がいい・・俺もあんたも・・・」
「な、今度は客として来なよ!ウチの料理は最高に美味いからさ!」


昨日の出来事を忘れて眠りたかった。
燕邦は自室のベッドに潜り込み、浅い眠りについた・・

夢の中の誰かが自分に命じる「そいつを食え、美味いぞ!」
部屋でもがき苦しむ男のことを指しているようだ。
男の体から魂を取出し、燕邦の前に差し出す。
懸命に拒絶する燕邦の頭を押さえつけ、男の魂に近づけた。
吸い込みたくない気持ちと裏腹に、魂は燕邦ののどをすり抜けていく・・


「はっ!」自分の声で目が覚めた。
怖くて仕方がなかったが、さっきの出来事は夢・・
安堵して部屋の中を見回すと、灯していた燭台に多量の髪の毛が絡まっていた。
本人は自覚していないが、口元はよだれの様に怪しい跡が・・


ま・・まさかさっきのことは現実!?
恐怖のあまり、その場に崩れ落ちるように座り込んでしまった。


流牙はずっと考えていた。
SG1の隊長がホラーを見てしまった・・
きちんと話をつけないと、これからの動きに支障が出てしまう。

話をつけにSG1本部へと乗り込んだ。


恐怖を振り払うように燕邦はトレーニングに励んでいた。
仲間たちとは違う気配を感じ、銃を手にして入口を見つめた。

入ってきたのは戦闘服を着こんだ男・・安心して構えていた銃を下そうとした。
男は、燕邦が持っている銃を上から包み込むように手を置き
銃からマガジンを抜いた。


「騒がないで!あんたと話がしたいだけなんだ。」
被っていたヘルメットを外し、流牙が姿をさらした。

「お前は何者なんだ?」
「俺の名は、道外流牙。俺が斬っている相手は人間じゃない。
俺が斬っているのはバケモノだけだ。人間は殺さない。」

「そんな話を誰が信じる・・と言いたいところだが
私も見てしまった以上、あのバケモノを放っておくわけにはいかない。」
「いや、あんたは関わるな。普通の人間には手に負えない。」

「私は、自分を普通の人間だなんて思ってはいない!」
「ははっ・・勇ましいな。あんたみたいな人間嫌いじゃないよ。
だけど、あのバケモノは俺が斬る。だからもうこれ以上俺の邪魔を・・・」

流牙が話をしている間に燕邦は警報装置鳴らした。
「昨日のビンタの仕返しだ!」

戦闘員だらけのSG1を逃げるのに骨が折れる。
銃を乱射してくるのをかわすが、味方に向かって発砲している。
流牙の前に飛び出してきた一人の戦闘員は、流牙に間違えられて撃たれようとした。
それを助け、盾として取りながら後ろに下がる。

銃を使うつもりはない。ただここから逃げたいだけ・・
威嚇に持つ銃のマガジンを抜きながら走って逃げた。

「人間は殺さない・・か・・」
流牙の言った言葉の裏付けとも取れる行動を見て
燕邦は流牙を信じてみようと決めた。


屋上まで追いつめた燕邦。流牙はビルから飛び降りた。
「正門だ!正門へと回れ!!」

下りた方向を見定め、燕邦が次の指示を出した。
全員一斉に正門へと移動する。

流牙は飛び降りたのではなく、途中の出っ張りを持って耐えていた。

「助かったよ。じゃあね♪」
「待て!」帰ろうとする流牙を止めた。

「これで、やっとお前を信じる気になった。」
「嫌な女だな。」
「よく言われる。」
「また会いに来るよ♪」

まんざらでもない気分で流牙の後姿を見つめた。



今回はホラー退治ではありませんでした。
逃げたホラーの回収は来週に持ち越しですね。
魂を食らった(?)ことで体に変化が起こるのでしょうか?
謎ですね。

流牙バージョンのGAROです。
今のうちに予約しないと無くなりそうな品ですね。

クルマ移動のときに机が欲しくなりませんか?
これは安定感があっていいですよ。




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牙狼<GARO> 闇を照らす者 第3話 迷 ネタバレストーリー 周防ゆきこ [牙狼<GARO> 闇を照らす者]

牙狼<GARO> 闇を照らす者 第3話 迷 Dungeon

「そいつにはホラーの気配がない・・」
「魔導ホラー?」

なんで死んだ母さんを感じたんだ?
なんで急に光を失った鎧が輝いた?

それが・・分かるまで・・・・



第3話 迷 Dungeon

深夜、ひと気の少なくなった道を歩いて帰る男・・・
その目の前に、科(しな)を作りながら女が近づく。

女はおもむろに来ていたコートの前をはだけた。
一瞬だけ全裸を見せると、流し目をしながら近くの扉を開けて入って行った。

好奇心?男の本能??
女性に吸い寄せられるように、扉の中に入って行った。

そこはVOLCITY F4 の扉。WARNINGと表示が出されていた。



地下へと続く階段を下りながら、前を歩く女性を追いかける。
男が踊り場に立ったのを見計らうと、女性は来ていたコートを脱いで男に近づく。

年若い女性が全裸で近づいて来たことに動揺し、その場から動けずにいた。
官能の声を上げながら女は男に抱きついた。

「待ってたの・・・あなたを・・・・・」

耳元で囁かれた男は、女を強く抱きしめ返した。






ボルシティには多くの都市伝説があった。
その中に、
深夜になると裸の女が男を誘惑しているという
F4の入り口にまつわる話があった。

この都市伝説は、ヤリたい盛りの男子にとって刺激的な内容だった。
話を友達に聞かせ、度胸試しも兼ねて「F4入口に行ってみよう」と誘っていた。

ぼんやりとベンチに腰を掛けていた蛇崩猛竜(じゃくずれ たける)は
たまたま男子たちの話を聞いて“裸の女”という部分に食いついた。
いや、彼の名誉を考えると
「F4入口に行った人がいなくなる」の方に食いついたと言うべきか。


「おい!!その話、詳しく聞かせろ!!な??」
猛竜(池田純矢)は男子に声をかけ、話を聞いた。



「F4入口」は工場群の扉の一つ。
魔戒法師:莉杏(りあん)は、指定された場所におふだを貼って回っていた。
あまりに細かい指示で、すこし辟易していた。


「おい!探したぞ!大事な話がある。」
莉杏(南里美希)を探して道外流牙(どうがい りゅうが)はここまで来ていた。

「大事な話!? あら、ストレートな告白は 嫌いじゃないわよ♪」
ひらりと舞うように流牙(栗山航)の所に飛び降りると、
少し甘えたようなしぐさを取った。

「お前・・魔導ホラーの何を知ってる?どうやって探し出した?」
「無視かよ!」

ちょっとからかうつもりでいたのに、そっちの方は疎かった。
話しをスルーされた莉杏は、ちょっとご機嫌斜め・・・

「おい、何やってんだ? 人の話を聞けって!!」
質問に答えて欲しいだけだったのに、答えがもらえずにいら立ちが先に立つ。

「もう!何って?楠神哀空吏(くすがみ あぐり)の御命令よ!
この先に“F4”っていう入口があるでしょ。そこに・・・」

莉杏が話し終える前に流牙は“F4”の入り口に向かって走り出した。



詳しい話を聞いて、猛竜は“F4”の入り口まで来ていた。
ドアノブをガチャガチャと回すが、カギがかけられていて開かない・・

「裸の女」が話に出て来るだけで、ガキ共の話しを真に受けたことを呪い
扉を足蹴りしてから帰ろうと歩き出した。

「ガチャ・・」扉が開いた。

扉に半身隠し、すらっと長い足を見せて挑発してくる女!
このまま帰っては男の恥。というか、8割がたは裸の女目的だった。
誘われるままに扉の中に入る。

ゴキゲンに口笛を吹きながら、地下へと続く階段の 前を歩く女性を追いかける。
猛竜が踊り場に立ったのを見計らうと、女性は来ていたコートを脱いだ。
全裸の女性をなめまわすように見ながら、猛竜もコートを脱ぐ。


拾い工場団地を走って移動するのに時間がかかった。
夜も更けてきたころ、ようやく流牙は“F4”の入り口に着いた。
ドアノブを回すが、扉が開く気配がない。


「待ってたの・・あなたを・・・・」
お決まりのセリフを言うと、猛竜に抱きついた。
女が積極的なのも悪くない。っていうか、なんだかうれしい気分・・

猛竜の内腿を撫でまわしていた手に力が入ると、
そのまま階段から投げ飛ばした。

こんな展開になるとは考えていなかった・・
何の抵抗もできず、腰をしたたかに打ちつけた。

「おいおい・・俺じゃお気に召さなかったか?」
劇痛に体が言うことを聞かず、
すぐに起きあがれそうにないことに気づいた猛竜は
減らず口を叩きながら時間稼ぎをはじめた。


獲物を前にして我慢が出来なかったのか、
女は舌なめずりしながら猛竜を見ていた。
口が花のようにぱっくりと開く。その姿はホラー!!

ホラーと分かったと同時に戦闘態勢に立て直し、刀で斬りつける。
人間態のままでも、ホラーの戦闘力は高かった。
猛竜は一撃を与えることもできず、攻撃を受け続けることしかできない・・

攻撃の衝撃で立てずにいる猛竜に、笑顔を見せながら一歩ずつ近づく。
そこにひらりと舞い降りながら、流牙がホラーを斬りつけた。
攻撃を受けたことに驚いたホラーは、壁に入り込み消えた・・


「流牙! お前、何でここに?」
「お前こそ!!」
「お、おおおお俺は・・・い、いい今のホラーに・・・・」

ホラー狩りが目的でここに来たのではないとバレるのを恐れ
ごまかしの言葉を探そうとするが、上手く言葉にならなかった。


壁に消えたホラーはどこにいったのか?
気になって建物中を散策して回ることにした。
地下道は 剥き出しのままの配管ばかりが目につき、不審なところが全くない。

ところどころに裸電球で照らす灯りは、目が慣れないと歩くのが大変だった。
先へと進みながら、一瞬光を遮る何かが通ったのが分かった。

流牙と猛竜は視線を交わし、いつでも攻撃できるように剣を抜いた。
影は人型、ホラーなのか?
息を潜めて、影がこちらに近づくのを待った。

コツコツコツ・・・

靴音が大きくなっていく。
タイミングを計り、影に向かって斬りつけた。
流牙と猛竜の刀を哀空吏の魔戒弓が止める。
みんなで決めて来たわけではないのに、全員揃った。

「なんだよ!インテリ様かよ!!」
猛竜は苦々しげに空吏に向けた剣をどけた。

「ホラーが消えた。何か見えたか?」
流牙は哀空吏に話しかけるが、
哀空吏は何も答えず、おふだを所定の位置に貼って回る。

「あ!そのおふだ、莉杏が表で貼ってた!何か知ってんだろ!!」
「君には関係ない。いや、君たちには理解できない。」

仲間と呼ぶには隔たりがある3人・・いつでも一触即発だった。
哀空吏の言葉にいら立った猛竜は、哀空吏に向かって剣を抜く。
流牙も同じときに剣を抜いたが、構える方向が猛竜と違った。

風が入るような窓があるわけではないのに、何かを覆った幕がなびいて揺れた。
ホラーが動いたのだと確信した3人は、幕に少しずつ近づいた。


「ふふっ・・うふふ・・」
誘うような女の声に、さっきのホラーだと確信した。
流牙が幕の方に向かうと、流牙と猛竜の間に隙が生まれた。

その隙を突かれ、猛竜が背後から襲われる。

ホラーは一体だけじゃない!?驚く間もなく戦闘が始まった。
2人が別々で戦っているのを見ていた哀空吏はただ状況を見ている。


猛竜の攻撃がヒットし、ホラーを斬りつけた。
ホラーは怒り狂い、人間態からホラーへと姿を変えた。
体全体ではなく、巨大な手・・・

巨大な手が迫り、猛竜はあとずさりして手のホラーをかわす。
ホラーは猛竜の後ろにいた哀空吏へと攻撃対象を変えた。
哀空吏は攻撃をすることなく、ホラーをかわした。

ホラーは攻撃してこない哀空吏を捕まえようと掴みかけた。
哀空吏がピンチだと思った猛竜は、
哀空吏を押しのけ 代わりに掴まれてしまった。

猛竜は空間の裂け目に引き込まれていく・・・
閉じかける空間の裂け目に目がけて哀空吏は弓を放った。

流牙と戦っていたもう1体のホラーは、
猛竜が引きずり込まれるの確認すると逃げ出した。


時空の裂け目の跡形に、哀空吏の矢が突き刺さったまま・・

「お前、何をした!猛竜は!!」
「心配するな。あの程度のホラーに敗れるぐらいなら、
符礼(ぶらい)法師に言って、新しい騎士を呼んでもらった方がいい。

簡潔に言うと、彼はいらない。」

これが仲間に対する態度か?
冷酷なことを言い放つ哀空吏に腹を立て、
流牙は哀空吏の首に剣を押し当てた。


猛竜は別時空に飛ばされたのではなく、
同じ建物の中を移動していただけだった。
持っていた剣を懸命に動かし、ホラーにダメージを与えた。
2本の手は、すぐに人間態へと形を戻す。

「俺をなめんなよ!」

怒りに火が付いた猛竜は、2体のホラーを相手に戦う。
足蹴りし、倒れた1体を踏みつけて動けないようにすると
もう1体の胴に剣を突き立てた。

突き刺されたホラーは、赤い光を放つと消えた・・


ミシ・・ミシミシミシ・・・・

猛竜の背後で何かが迫る音がする。
振り向くと、巨大な足が猛竜を踏みつけた。



この地下道はあのホラーに支配されていた。
そのせいで、自由に行き来することもできなかった。
次元を超えるホラー・・

刺さった矢の向こうにホラーが入ることだけは確実だった。
でも、その先で囚われている猛竜を助ける時間は残されていなかった。

「見殺しにする気か!!」
「猛竜を助けるのは先決ではない!」

「お前・・わざと捕まって何をするつもりだったんだ。」
「へぇ・・ただのバカじゃないようだな。」

楠神流の弓術は、早打ちの連射が基本なのを流牙は知っていた。
さっきの状況だと、いくらでも矢を放つ時間はいくらでもあったはず。
なのに矢を放たなかった。
どんな作戦を遂行するつもりにしていたのか?それも教えてくれない。

流牙の質問を一切無視し、
哀空吏はお札を貼り終えて入り口近くにいた莉杏に矢を放った。

ホラーに貼られた結界を通り抜け、莉杏の所まで矢は届いた。
矢は階段に当たると、文字を浮かび上がらせる。
それは、次の指示が書かれた哀空吏の手紙だった。

人使いが荒く、注文が多すぎることに腹を立てたが、
ホラー退治を怒っても仕方がない。さっそく指示に取り掛かる。


哀空吏はおふだとおふだの間に正確に弓を放ったことで、
時空の裂け目を少し残すことができた。
それを確認すると、弓も先で円を描いた。

結界から逃れた光の輪は、右腕の鎧だけ召喚することに成功した。
だが、結界が張られた空間内では鎧の召喚が出来ないことが判明しただけ・・

おふだの力を借りて、「光の道」を作らないとホラーを倒すことができない。


「わかった。このおふだをホラーの近くに貼ったらいいんだな。」

流牙はようやく作戦に加えてもらえ、
ホラーの返り血が採取された布を渡された。
この血に誘われて、ホラーの方から姿を現す・・


莉杏は哀空吏の指示通り、通信するのに使えるイヤリングを
時空の裂け目から通して渡した。

「さあ行け!ふだを貼ったらコイツで連絡しろ。」
片方のイヤリングを流牙に手渡した。


「お前はどうする?」
「俺は、俺にしかできないことをやるさ。
早くいけよ!もう骨しか残ってないかもしれん。」

流牙は哀空吏の言葉を最後まで聞かずに走り出した。
「見てろ!必ず助けてやるからな!!!」



莉杏は次の指示を遂行するために、魔戒銃を撃ち続けた。
時空の裂け目は少しずつ広がる・・


猛竜はまだまだ大きくなるホラーに圧倒された。
これまで手だけだったのは、
胴体ごと動かすと、大きすぎて身動きが取れないのが原因だったのだと知る。

食べられそうな危機を感じ、鎧の召喚をしようとするが
呼び出せなかった。絶体絶命!!

「おいホラー!!出てこい!!俺はここだ!!」

ホラーの返り血の付いた布をひらひらさせながら、ホラーをおびき寄せていた。
流牙の足元が赤く光ると、手のホラーが流牙をどこかへ運ぶ。


莉杏が小さな穴をあけることに成功すると、
それを取っ掛かりにして。弓の先端で大きく斬り裂き
哀空吏がようやく結界から抜け出すことに成功した。


「言った通りにやったか?」
「ええ、やったわよ。」
「よし。あとはカウントダウンを頼む!」

哀空吏は急いでどこかに走って行った。



流牙は本体のホラーがいる所まで連れて来られた。
「流牙・・鎧は呼べねぇぞ!!」
流牙の姿を見つけた猛竜は、忠告してくれた。

腕から手が離れ、人間態となり流牙に襲いかかる。
2体で羽交い絞めにされ、おふだを張るどころではない・・

(流牙、ふだは貼ったか?)
「これから貼るって!!」
「何であってもやるんだ!急げ!!」
「うるせぇ!」

哀空吏がホラーの本体を狙い撃つ。
流牙がホラーの本体に光がさすようにふだを貼れば
哀空吏のはなった矢がホラーを貫く。

「お前がふだを張らなければ、この作戦は水の泡だ。」


全てを悟った猛竜は、
哀空吏が最初に空間の裂け目にはなった矢の先に札を貼るように指示した。
攻撃をかわしてふだを貼ったが、貼れたのは1枚だけ・・
光の道が当たりそうに思えない・・
もっと大きい的にしたいが、
動きをホラーに読まれてしまい、なかなかたどり着けずにいた。


ほど高いビルの屋上に着いた哀空吏の背後に満月が輝いていた。


「30秒前・・・」莉杏がカウントダウンを始めた。
哀空吏はメガネのフレームのボタンを押し、精神統一を始めた。
流牙はホラーを退け、ほぼ的の形にまで札を貼ることができた。

「10秒前・・5・4・3・2・1 ゼロ・・・・」

月の光が輝き、光の道を作りだした。
昼間、莉杏が調節して貼ったおかげで
光は角度を変えながらホラーへと道を示した。

月の光を受け、ホラーが苦しみだした。
暴れるホラーは、おふだを次々と剥がしていく。

哀空吏は鎧を召喚し、天弓騎士ガイとなり弓を引き絞り放とうとしていた。

「待って!流牙が!!」莉杏はガイを止めた。
「ふだが剥がれた!」流牙は慌てて報告する。
「なんとかしろ!!」
「流牙!時間がないわよ!!」

「いいか?撃つぞ!!!」光の道に沿って、ガイは弓を撃った。


流牙は剣に光を注ぐと、ホラー目がけて突き立てた。
ホラーが怯んで動けないところを狙って
猛竜が手でふだを持って正しい位置に合わせた。


弓は光りの道を正しく通り、ホラーの胴体部分にヒット!
弓の力に押され、後ろに吹き飛ばされて消滅した。


「光の道って・・確かにあいつにしかできないけど・・・」
何も教えてもらえなかったがホラーを倒すことができた。
でも、なんだかしっくりこない・・・・・



全員で符礼法師(大友康平)のアジトに戻った。
自分が最大の功労者だと猛竜は主張するが
哀空吏は猛竜がいない方がはかどったことを主張する。


「もう!!昨日の夜はね、2か月に一度の光道の月だったの。」
これを利用しないと、ホラーの次元を打ち破ることができなかった。

「だったらそれを、早く言え!!」猛竜の怒りはピークにきていた。
「君たちみたいな出来損ないに言ってもムダだと思ってね。」
「俺たちのどこが出来損ないだって!」

「女好きに、黄金の輝きを失った牙狼。」

バン!!

符礼法師が机を叩いてけんかを止めた。
「あんな巨大なやつが、今までなぜ生きていたのか?
ヤツが肥え、太り、抜け出せなるほど人間を食い続けた。
それが、それがこの街のおかしなところだ。」


ボルシティ・・・この街の闇はまだまだ深い・・



全裸回でした(笑)
天弓騎士ガイのお披露目が吹き飛ぶほど!
全裸で回転しながら回し蹴り!
ぼかしを入れるなら、バンツ穿いたら?なんて思いましたが
エロを感じるどころか、凄かったです。
周防ゆきこさん、根性入ってますね。


ザルバ・・・

体を遺伝子から調べてみる?



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牙狼<GARO> 闇を照らす者 第2話 ネタバレストーリー 栗山航 大友康平 [牙狼<GARO> 闇を照らす者]

牙狼<GARO> 闇を照らす者 第2話 波 Gold wave

今は使われていない建物の周りを覆うフェンス
そこには“カジノホテル建設計画”についての工事計画の看板が掲げられていた。
事業主は株式会社 石崎不動産 代表取締役:石崎賢吾


「石崎社長!お願いします!!今日こそ契約書にサインを!!!
この土地を、金城不動産にお譲り下さい!」

金城建設:鷲頭正彦課長(春田純一)は
石崎(早瀬俊行)に土下座をして懇願する。

「やっぱり・・気が変わった。」
契約内容を読み直し、契約を断る石崎。

使われていないビルのフロアは、ホテルのロビーのように豪華なまま朽ち
動かないエスカレータの上で金髪の女性を2人はべらせている石崎と
エスカレータの下で土下座を続ける鷲頭の立場は明白・・

石崎はこのビルを豪華なカジノホテルに生まれ変わらせるために
今まで根回しに奔走していた。
土下座一つで簡単に譲る気持ちなど持ち合わせていない。


「だったら、いくら御用意すれば・・・」

石崎はこの言葉を待っていた。
女性のお尻を触っていた手を止め、石崎の方に駆け寄った。

「さすが鷲頭社長、話が早い!2倍だ、この数字の2倍だ!!」
契約書を鷲頭に見せながら石崎は笑顔で話す。

「2倍・・・ですか・・・・・
それは金城グループ相手に欲張りすぎだ・・」

石崎の持っていた契約書をひったくるように奪い、鷲頭が意見した。
使用不能なはずの蛍光灯が、鷲頭の足音に反応して割れていく。

「ごらぁ!お前なめてんのか!!」
石崎は鷲頭の背後から、後頭部に向かって物を投げつけた。

イラっときた鷲頭は石崎の方に向き直る。
手のひらでアゴの辺りを押さえると、人間には出せない鈍い光を放った。


契約書を縦にして、恐れおののく石崎を叩く。
魂と体が離れ、体だけが叩かれた衝撃で後ろに吹っ飛んだ。

石崎は慌てて自分の体に戻ろうとするが、合体しない・・・
それでも懸命に体に戻ろうとしていた。
鷲頭は空気を吸い込むような動作をすると、
石崎の魂は少しずつ吸い込まれ、消滅・・・


残された女性たちは悲鳴をあげながら逃げ出す。
石崎は女性の後姿に手招きをすると、魂と体が分かれ
魂だけが石崎の腕に抱かれていた。

名刺の角を魂に当てると、体と魂がバラバラのまま名刺に吸い取られて行った。
死んではいない、名刺の中では恐怖におののく息づかいが聞こえる。

女性を閉じ込めて赤く染まった名刺に軽くキスすると
名刺入れに大事そうにしまい込んだ。


「食べるつもりはなかったのに・・・」
鷲頭は残しておいた石崎の右手親指を使い、契約書の判を押した。

「土地は確保しました。」報告をケータイで上司に告げた。




ベッドまで待てない蛇崩猛竜(じゃくずれ たける)は
立ったまま女性とお楽しみ中・・
快感に崩れ落ちそうになる女性を素早くベッドに移し、高みにまで上り詰めた。

気を失ったように動かない女性の顔を見て、
満足げな笑みを浮かべた猛竜(池田純矢)は、
上着を羽織ながら窓から景色を眺めた。

見下ろすと、道外流牙(どうがい りゅうが)がベンチで寝ころんでいる姿が見えた。


のんびり昼寝を決め込んでいた流牙(栗山航)の所に黒塗りの車が横付けしてくる。

「いたぞ!!こっちだ!!!」

クルマからわらわらと戦闘員が降りてきて、流牙を囲み込んだ。

「SG1だ!動くな!! 今日は逃がさないぞ!」
「逃げると言ったら?」

流牙は枕替わりに使っていたザックを武器にし、
振り回しながら包囲網を突破した。

「またね♪」

軽快に走る流牙の背後に、新たな黒塗りの車が追いかけてきた。
クルマの中から放たれた光線は、流牙の行く先にシールドを張った。
避けることもできずに激突し、転がるように倒れ込んだ。

「この波動を受けても平気なのか?」
戦闘員唯一の女性:燕邦(えんほう)は流牙に目を付けていた。
捕まえることを第一に考えている。


「そんなんじゃ、モテないよ。顔は可愛いのに。」
「貴様は何者だ!」
「やめようぜ、人間同士争うことはないって!」
「貴様、何を言っている?」


燕邦(佐藤寛子)と流牙の間をかき分けるようにバイクが走り込んできた。
その隙をついて、流牙が燕邦の銃を奪い取った。
流牙の動きの早さについて行けず、燕邦はなすすべもなかった。

「隊長!燕邦隊長!!!」
「そっか・・燕邦っていうんだ♪」
「斬るなら、斬れ!」
キスできそうなほど近くに流牙の顔があり、ドギマギしながら強がりを言った。

「だから、俺は 人間は斬らないって!」


「新人!乗れ!!」
猛竜は流牙をバイクの背に乗せて逃げて行った。

戦闘員たちは一斉にバイクに向かって銃を構える。
「撃つな!!」
こんな街中で銃を乱射すると民間人にも当たってしまう。
蓮邦は慌てて戦闘員たちの動きを止めた。

走り去る後姿を見ながら流牙が言った“人間を斬らない”の意味を考える・・・






ツタが覆い、今は使われていないように見えるビルの下にバイクを止めた。
猛竜はヘルメットを流牙に投げて渡すと、
小さく仕舞い込んでいたロングコートを広げて着る。

「あいつら何者?」
「SG1さ。セキュリティガーディアン1は、シティの治安維持部隊だ。
まあ、金城グループの軍隊みたいなもんだな。」


非常階段を使ってビルの屋上まで登ると、シティが見渡せた。
その景色を見て流牙は単純に喜んだ。
思えば、看板は金城グループの物ばかり・・
金城銀行、金城病院、金城食品、金城不動産、金城建設・・・・きりがない


このシティに暮らす人のほとんどが金城グループと関わって生きている。
“ボルシティ”火山灰に埋もれた古代遺跡が眠る街・・・
金城という王様一族が支配する街とも言える。
なので「金城シティ」とも呼ばれていた。
王族たちと街を守る名目で働いていたのがSG1

そう考えると、物街はずいぶん息苦しく思える。

税金も物価も安く、病院も学校も全部無料・・
この街は人々の憧れる理想の街だった。


歌声がどこかから響き渡る・・

この声は街のいたる所に設置されている女神像から出されている歌声。
歌声はやさしくシティに響き渡るが、ビルの高さほどの女神は威圧感がある。


「ここが符礼(ぶらい)法師の隠れ家さ。
そういえば、お前いったい何があったんだ?
なんでそこまで符札法師を嫌うんだ?」
「別に・・うるさい、臭い。うっとうしい!!!」

「はははははは!!」
嫌う理由が子供じみていて猛竜の笑いが止まらない。

猛竜は剣を鞘から少し抜き、音を立てると魔法陣が現れた。
中に飛び込む猛竜。流牙も後に続いた。



「いらっしゃいませ。ココが俺らのアジトだ。」

大きなワンフロアで、家具などを配置して上手く仕切られている。
程よくプライバシーが守られている空間の片隅・・
眼光鋭く流牙を見つめる符礼(大友康平)

「返すぜ。俺とは契約できないとさ。」
流牙は指に付けていた魔導輪:ザルバをザルバ用リングホルダーに戻し、
符礼と会話をすることなく、奥の部屋に消えた。


「うるさい・臭い・うっとうしいだってさ!!」
猛竜は符礼をバカにする材料を見つけたのが嬉しかった。
流牙の自分に対する評価を聞いて、符礼は少し考え込む・・


いまどき魔導輪が存在することに猛竜は驚き、
ザルバをしげしげと眺めた。
指輪が意志を持ち喋る・・猛竜にとって煩わしいことで、
おしゃべりするのは女の子だけで十分だった。


「符礼法師、元気そうだな。」
「ザルバ、なんとか生き残っているぜ。」
「それも善し悪しだな。周りは頼りにならない騎士だらけだ。」
「流牙は頼りにならないか?」
「まだまだボウヤだ。話す気にもなれないね。」
「そっか・・話す気にもならないか・・・」

シティの地図を見ながら符礼はつぶやく・・・



契約を結んできた鷲頭は、チームを連れて現場に来ていた。
ささやかなお祝いの会を開き、楽しく語らっていた。
鷲頭の側に居た部下が女性社員を手招きすると、
小さなホールケーキの上に手持ち花火を付けて持ってきた。

今日は鷲頭課長の誕生日だったことを知っていた部下が
誕生日ケーキを用意してサプライズの演出・・


女性社員はケーキの花火を吹き消そうとする
鷲頭の眼球を睨み付けるように見ていた。

花火の火に細工をし、ホラーかどうかの確認をするつもりだったが
作戦は失敗に終わってしまった。
正体がバレることを恐れた女性社員は、その場から逃げ出す。


「派遣で入ってきた新人です。まさか、課長に一目ぼれ?」
何もわかっていない職員は、鷲頭を焚きつけるように話を広げた。


楠神哀空吏(くすがみ あぐり)は
鷲頭たちの様子がよく見える、別の屋上で魔戒弓を手に待機している。


社員が話したことが引っかかっていた鷲頭は、女性社員を探した。
廃ビルの部屋の扉を一つずつ開けていく。
外の見通しがいい広い窓のある部屋に置かれたデスクに
うつ伏せになっている女性社員を見つけた。

近づくと、頭から血を流している。

「君・・大丈夫??」声をかけながら近づくが、返事がない。
流れ出している血が鷲頭を誘惑する。
人間の、とてもいい血の香り・・・
我慢していられなくなり、舌なめずりしながら正体を現した。

鷲頭をホラーと認識した女性社員は、イスの駒を使ってそばから逃げ出す。

「み~つけた♪」
女性社員は手に魔道筆を持ち、小さな陣を空中に描いた。
外から合図を待っていた哀空吏(青木玄徳)は、その陣目がけて弓を放つ。
鷲頭の脳天に刺さったが、鷲頭は刺さった矢を手でむしりとった。

鷲頭にトドメを刺すために本性を出したのは莉杏(りあん)
得意の変装で女性社員に変装し、潜入していた魔戒法師だった。
魔戒銃を使い、ホラーを封印しようとするが
全弾命中させても封印出来なかった。

自分で封印することをあきらめた莉杏は、地面に陣を書き
別の空間へ逃げ出した。



符礼の部屋に置かれていた
大きな鼎(3本足の鍋状の器 かなえ)に張られた水から
飛び出すように指令が送り出されてきた。

「流牙、指令だ!!」
昼寝を終えた流牙が帰ろうとしているのを符礼が止めた。
符礼に従うつもりのない流牙は帰る足を止めない。

「そいつにはホラーの気配がない。」
「俺はこの街を出る。ホラーの始末は2人に頼め。」
「それが、お前じゃないとダメなんだとさ。」

気配のないホラーは夜になると動き出すわけではないし、
いつもは人間のままの姿で生きている。
ホラーであることの確認は取れたが、退治する者は指名されていた。



自分が何者かに狙われて、初めて自分という存在に疑問を持った鷲頭。
気休めに今日のニュースを見ながら酒を煽っていた。
自分に問いかけているのか?誰か特定に人に問いかけているのか?
大きな独り言は部屋の中を響き渡った。

「何をぶつぶつ言ってるの?」ホラー退治に現れた流牙。

流牙の姿を見た鷲頭は、口から飛び道具を投げた。
そんなことを出来るのはホラーしかいない・・
改めてホラーかどうかを確かめる必要がなくなった。

「お前たちは誰だ?何者だ?俺はお前たちと争うつもりはない。」
穏やかに流牙をなだめるように話すが、しょせんホラーのたわごと。

「教えてやるよ、俺は魔戒騎士の道外流牙。
貴様らホラーを狩るのが俺の使命!!」


流牙が斬りかかりに行くと、鷲頭は顔の皮を剥ぎ 刀を作った。
力不足を感じた鷲頭は、
取り置いていた女性を閉じ込めて赤く染まった名刺を取りだす。
エナジーを吸い込むと、力が増した。

斬り合いが始まったが、どちらも防戦一方でなかなか勝負がつかない。
一瞬の隙を見つけた流牙は、鷲頭の胴に切り込んだ。
切り口は金色の光を放つ・・

金色の光に押された流牙は、弾き飛ばされた。
弾け飛ばされながら、なぜか脳裏に懐かしい風景がちらつく。

(これは・・・??)

思い出そうとするが、
懐かしい風景が浮かぶのは一瞬過ぎて記憶を辿ることもできない。

鷲頭に斬りかかるたびに放たれる金色の光は
懐かしい風景の続きを映し出す。
見覚えのある家、森、小川、花・・・


「どうやらお前には俺が斬れないようだな。」ホラーは正体をさらした。
「斬り裂いてやるよ!」流牙は黄金騎士ガロに姿を変えた。

ホラーを斬るたびに放たれる金色の光が牙狼を苦しめる。
戦いが気になって様子を見に来ていた符礼・猛竜・哀空吏にも
金色の光の余波を受ける。


金色の光を浴び続けた牙狼は、
一瞬本来の牙狼の姿である金色に変わった。
だが攻撃をする前の一瞬で、元の色に戻ってしまった。
それでも動きを止めない牙狼は、ホラーの腹部を真っ二つに斬り裂いた。

さっきとは比べ物にならない多量の金色の光を浴びたことで、
幼い子供と女性が笑い合っている映像が映し出された。

(誰??誰なんだ??? か・・母さん・・??)


母親だと認識したときにはすでに、ホラーを退治し終えていた。
本来なら戦い終えるとすぐに脱げるはずの牙狼スーツが流牙から離れない。
訳のわからない痛みに襲われて、懸命に外そうとするが外せない・・

何とかマスクを剥ぎ取ると、全身がようやく外れた。


「何だよ・・これって一体何なんだ・・・分からない・・わからない・・・・」

「お前、泣いているのか?」
流牙の頬を伝う涙を見た哀空吏が思わず声をかける。

「誰が・・・泣く・・かよ・・・・これは涙なんかじゃ・・・」
流牙は気を失ってしまった。




「符礼法師、鷲頭正彦に憑依していたホラーは何者?」

流牙をアジトのソファに寝かせ、莉杏の言葉を口火に今回の検証を始めた。

鷲頭は仕事もできて、部下からも好かれていた。
決してホラーに憑依されるような弱い人間ではなかった。


「魔導ホラーだ。」符礼がつぶやくように答える。
「そいつは厄介だ。魔導火も効かない上に、俺も探知できない。」
話しを聞いていたザルバも話を始めた。

陰我やゲートじゃない、何かの意志から生まれたホラー・・


「何かの意志ってなんだよ。魔導ホラーってのは他にも居るのか?」
意識を取り戻した流牙が話に合流する。


「よろしく、流牙くん♪」莉杏が挨拶をした。
「あ・・ハンカチの・・・」このシティに来た日にハンカチを貸してくれた娘。

魔戒法師:莉杏は符礼のたった一人の弟子だと聞かされ
握手を拒んで帰ろうとしたが、ダメージは重く 倒れてしまう。

「で、逃げるの?逃げないの??」莉杏の問いに

「誰が逃げるかよ!魔戒ホラーは俺が斬る!」
流牙は覚悟を決めた。

「それでいい!魔戒ホラーはお前が斬れ!
黄金騎士:牙狼が一人残らず!!!」
流牙の覚悟を聞いた符礼が行先を明示した。

(なんで急に輝いたのか?死んだ母さんを感じたのはなぜか??
それが分かるまで、俺はこの街でホラーを斬る!)




ようやく仲間の一員になりました。
すっかり忘れてましたが、GAROはセクシーありでしたね。
ライトなシーンながらびっくりしてしまいました。

話題の一品!お試ししたくなる値段ですね。

今からの予約でないと手に入りません!!




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牙狼<GARO> 闇を照らす者 第1話 流 Ryuga ネタバレ 大友康平 [牙狼<GARO> 闇を照らす者]

牙狼<GARO> 闇を照らす者 第1話 流 Ryuga
ネタバレストーリーです。


人の心に邪心がある限り、魔獣ホラーは人類を襲う。
今宵、ホラーを狩る魔戒騎士の新たな伝説が幕を開ける――


牙狼、最強の騎士だけが着られる黄金の鎧。
今は光りと主を失った。

俺はそれを手に入れた・・・
俺は強い!この鎧でホラーを斬る。
目の前の敵を全力で狩るのみ!


純白の鞘に納められた牙狼剣を、手にしたのは 道外流牙(どうがい りゅうが)



第1話 流 Ryuga

結婚式の披露宴会場に現れた流牙(栗山航)は
扉を開けるとすぐに、花嫁を刺した。

「誰か・・この人を捕まえて・・・・」
花嫁は息も絶え絶えに、招待客に助けを求める。
だが、この異様な光景を目の当たりにして誰も動けなかった。

「それはムリ!俺は獲物を逃がさない・・」
流牙は口元に笑みを作り、テーブルから飛び降りながら花嫁に剣を下す。

「た・・助けて・・・・・」

花嫁の声に促されるように、花婿が流牙に向かってイスを振り上げてきた。
戦い慣れしている流牙にとって、こんな攻撃をかわすのは造作もない。
軽く横になぎはらい、花嫁と間合いを詰めた。

花嫁は逃げながら招待客にぶつかりに行こうとする・・
危険を察知した流牙は、剣を使って接触を防いだ。


「来ないで!!」「遊びは終わり♪」
窓の近くまで追いつめると、花嫁を肩から担ぎ上げ 窓ガラス目がけて走る。

落ちながら黄金色に輝きを放つと、流牙は何事もなかったように着地した。
その後に、花嫁の持っていたブーケだけが落ちてくる。
流牙は、真っ赤な血に染まったブーケを見て 満足げに微笑んだ。


ビルの下でこの様子を見ていた3人の男たちは
流牙の後ろ姿を見つめる。



「SG1本部より全隊員に通告。
上代5丁目にて殺人事件発生。剣を持った男が花嫁を斬ったとの通報。
男は武器を所持して逃走中。男の特徴は黒皮のロングコート。」

流牙のことが事件として扱われていた。
何も知らない流牙は、今日のねぐらを探して歩いていると
頭上でやけにうるさく響き渡るプロペラ戦闘機の音が気になった。
ふと空を見上げる・・

「その男!止まりなさい!!」
スポットライトで照らされ、眩しくて何も見えない所に警告が飛ぶ。
プロペラ戦闘機から下り立つ数人の戦闘員、
クルマが横付けされると、中からわき出すように戦闘員が出てきた。


「SG1だ!!武器を捨てろ!!」
「SG1???何それ?」
「貴様!シティの人間じゃないな?IDを見せろ!」
「そんなの持ってないよ。」

戦闘員たちは流牙を丸く取り囲んでいた。
何を問われているのか?なぜ問われているのか?
この今の状況をどう対処すればいいのか考えあぐねていた。


流牙の一番近くにいる戦闘服に身を包んだ女性は
周りを囲む戦闘員に、アゴで指示を出した。

じりじりと流牙の包囲を縮めていく・・
流牙は慌てて両手を上にあげ、抵抗しないことを示した。

だが、後ろから肩を持たれ 膝の裏を蹴られた・・
地面に膝をつく格好になってしまう。
抵抗はせず、武器を探すために体中を触られるのを我慢した。


「ごめんね♪」

胸元をまさぐられたとき“ここだ”と判断した流牙は
戦闘員の腕を取り、背中の方に投げ飛ばした。
後ろにいた戦闘員たちもまとめて自分の体から引きはがす。

パルクールを体得していたのか?
流牙はひょいひょいと障害物を超え、ビルをよじ登っていく。
だが、戦闘員たちも特殊訓練を受けていて
そんな流牙の後を簡単に追ってきた。

ビルの屋上で、また囲まれてしまう。
戦闘員たちが持つ、槍のような長さのスティックには電流を流すことができ
人間に当たると気絶してしまうほどの効果があった。

襲いかかってくる一人の戦闘員は、流牙が攻撃をかわしたことでバランスを崩し
ビルから落下しようと・・慌てて落下する戦闘員の腕を掴む。
助けようとするのに必死で、背後にいた戦闘員たちのことを忘れていた。

いつの間にか囲まれ、電流を流される。
痛みに苦しみながら、スティックごと戦闘員を投げ飛ばす。
この痛みで引き揚げることが不可能だと気付いた流牙は
近くの木に向かって投げ飛ばす。
木がクッションとなり、落下しかけた戦闘員の命は助かった。


戦うつもりはないので、懸命に攻撃をかわして逃げた。
ようやくまいて、ちょっと一息・・・
ホッとしたのもつかの間、
ロングポニーテールが印象的な女性戦闘員がスティックで襲いかかってくる。


スティックを取り上げ、素手で戦っていたとき
女性戦闘員が被っていたキャップを弾き飛ばした。
風になびくロングヘアに気を取られていると、
いつの間にか拳銃で狙われていた。

「騒ぎを起こしたのは貴様だな!何者だ?何が目的だ!!」
「目的?どうせ理解できないって。」
「動くな!お前を連行する!!」
「無理だね。俺は誰の指図も受けないから・・・」


流牙はひらりと前にあるビルに飛び移った。
戦闘員はすかさず拳銃を撃ちまくる。
その一撃は、流牙の左中指にはめられた魔導輪ザルバ(声:影山ヒロノブ)の
頭の辺りをかすめる。

「じゃあね!!」
流牙はビルの下を走るトラックに飛び移り、そのまま逃げた。





夜景が美しい、港の工場が見られる辺りにあるベンチに寝ころび
ようやく一息ついた。

「ごめんねザルバ、ちょっと失敗しちゃった・・」
ザルバの頭を撫でながらザルバに話しかけるが、何も答えない・・


夜の暗さを利用し、今日のニュース映像を映し出した。

「こんばんは、ニュースタイムの時間です。
22時現在、ボルシティに犯罪及び災害の発生報告はありません。
今日も平和で穏やかな一日を終えようとしています・・・」


花嫁殺しの犯人として戦闘員に追われたはずなのに、
その事には一切触れられていない・・・
事件扱いされない事件のようだ・・



12時間前

流牙はある指令を受けて、
火山を中心として栄えている巨大都市・ボルシティへ行くことになった。
こんな形で指令が出るのは久しぶりのこと・・
ヒッチハイクして、陽気な男の車に乗せてもらいシティを目指す。
カーラジオから流れる、曲に合わせて歌いながら車は進む。

男はボルシティの看板が見えたと同時に
大音量で流していたカーラジオを消した。

ここはボルシティの国境ライン近く・・
規制や制約がとりわけ厳しかった。

深い森に閉ざされた独立国家:ボルシティ
国境での検閲が厳しく、入り口付近で長蛇の列が続いていた。


「ほい!兄ちゃんパスポート!!」
男は流牙にパスポートを出すように促すが、
よそ見をしているうちに、座席に花を残して車から消えていた。

大きな銃を下げている警備員からとがめられず、国境を抜けた。



流牙には親も兄弟もいない・・仲間もいない・・
たった一人、いろんな街で自由にホラーを狩っていた。
なぜこの街に呼ばれたのか?
ここに一体、何がある??

まあ、何でも来い!どんな相手でも俺が倒す!!
この町の人を守ってやる!そんな気分で満ちあふれていた。



訪れる人々に夢と希望を与え、住人たちは幸福につつまれると言われる
ボルシティは流牙を優しさで包んでくれた。
街の人たちと触れ合いながら、笑顔いっぱいに街を散策する。

公園に街に不釣り合いなオブジェを見つけた。
誘われるように近づくと、オブジェを支える石台に耳をあてた。

物を通じて人の想いを感じ取る特殊な能力を持つ流牙。
耳をあてながら、涙をこぼしていた。


「どうかしましたか?」
石台に耳をあてて涙を流す男に興味が出たのか?同情したのか?心配しているのか?
女性が声をかけてきた。

「泣いてる・・この街が泣いてるんだよ・・・」

女性は流牙の言葉に疑問を持たず、普通のこととして受け止めると
ハンカチを差し出してくれ、涙を拭っている間に立ち去ってしまった。



結婚式の後の披露宴会場に向かう花嫁と花婿。
幸せの笑顔がはじけていた。
招待客も、その笑顔につられて笑顔を見せ、幸せな雰囲気に包まれている。

花嫁が持つブーケの花束から、一枚花びらが飛んだ。
その花びらを手にした流牙は、花びらを耳にあてた。

花嫁の思念が聞こえて来る。“早く死ねばいいのに”
幸せの花嫁が考えていることとは思えない・・

(見つけた・・ホラーだ。)

花嫁をホラーと確信した流牙は、その一団を追った。



花嫁の控室
大きな姿見でドレス姿を見ていた花嫁。
気が付くと、いつの間にか流牙が控室の中にいた。

「陰我にまみれた花嫁なんて、始めて見たよ。」

花嫁を壁に追いつめると、ライターに蓄えられた魔導火を眼球にかざす。
ホラーである証拠が見えた。


「邪魔をするな、これからディナーの時間だ。」
「悪い・・何言ってんのかわかんねぇ。」
「なぜ魔戒騎士がシティにいる!」
「だから、魔界語が苦手なんだって!」
「死ね!魔戒騎士!」

ホラーの話す魔戒語は理解できないが、襲いかかろうとして来るだけで十分だ。
口元がぱっくりと花のように開いたホラーが流牙に襲いかかる。

剣を鞘から出しホラーを斬りかかるが、部屋から逃げ出されてしまった。
花嫁は後ずさりしながらも会場の方に向かっていた。
会場の中では花嫁の登場を促す司会者の声が響いている。

「人間どもが私を呼んでいる。」

流牙は中に入れまいと、ホラーの胴の辺りに剣を突き立てた。
ホラーは逃げながら会場に入り込む。

(まずいな・・人が多すぎる・・・ここではトドメを刺せない・・
鎧を召喚できる場所は・・・・)

「誰か!誰か助けて!!早くこの人捕まえて!!」

会場の奥に大きなハメ殺しの窓を見つけた。
「あそこだ!!」

剣でホラーを斬りかかりながら、少しずつ窓に向かって誘導していく。
ホラーは逃げながら招待客にぶつかりに行こうとする。
ホラーの血がついた人間は、始末しないといけない・・・
血を付けられると面倒だ。


「遊びは終わり♪」
花嫁を肩に担ぐと、窓ガラス目がけて走り出した。

ガラスを破り、落下しながら鎧の召喚をする。
ブーケから繰り出される攻撃をかわしながら、牙狼の鎧をまとった。
姿かたちは牙狼だが、黄金の輝きがほぼ無く
黒の鎧をまとっているように見える。


ホラーをあっけなく斬りつけ、難なく着地する。
ホラーは消滅し、鎧を解いた。
残されたのは花嫁が持っていたブーケだけ・・・


(簡単だ・・これで一仕事終わり。)



ニュース映像を切り、今日一日のことを思い返す。
花嫁のホラーを倒したが、あのホラーはなぜすぐに人を食わなかったのか?
疑問がよぎった。と同時に、一枚の花びらが目の前を横切る。


さっき倒したホラーが持っていたブーケが流牙の眼前に現れた。
ブーケの真ん中が開き、ホラーが顔を出した。
さっきの花嫁はおとりで、本体はブーケ側・・・


ブーケのホラーと対峙していると、横から魔戒獣・羅号がブーケのホラーを咥えた。

「羅号 戻れ。」声の促されるように、主人の所に戻っていった。


流牙の前に立つのは魔戒法師:符礼(ぶらい)
羅号にホラーの始末を命じると、かみ砕いて粉砕した。
符礼(大友康平)がマントを広げると、羅号は中に戻っていった。


「いやぁ~惜しかったなぁ・・最後にマイナス30点だ!」
蛇崩猛竜(じゃくずれ たける)が軽い口調で話しかける。

「符札法師、あいつは合格なのか?」猛竜(池田純矢)が符札に問うと
「失格だ!俺は認めない!」楠神哀空吏(くすがみ あぐり)が代わりに答えた。
符札は何も話さない・・・

猛竜は流牙に自己紹介をし、みんなの紹介をする。
哀空吏(青木玄徳)と猛竜は流牙と同じ魔戒騎士・・・


「この指令はあんたの仕業か?」流牙は符札法師の前で指令所を取出し問う。
「あぁ・・」
「だったら断る!誰があんたなんかと!!」

「魔戒騎士:道外流牙 相変わらずツメが甘いな。目立ちすぎる。
それで人知れず人々の命を守っているつもりか?
だが、俺はお前を待っていた。

流牙、我らと共に戦え。

お前ならもう気づいているはずだ。
この街を救うのは、黄金騎士:牙狼の称号を受け継いだお前の宿命だ!!」


おれは魔戒騎士:道外流牙 この街が俺の運命を変える・・・



始まりましたニュー牙狼!
一話は紹介を兼ねていると思いますので
これから少しずつ謎がほどけるのでしょうね。
大友康平がイヌを飼ってました!
分かった時にはニヤリ。


いつも牙狼と一緒!!

最強コラボ!

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