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走馬灯株式会社 第6話 雪村静香 ストーリー ネタバレ 佐藤江梨子 佐藤仁美 [走馬灯株式会社]

走馬灯株式会社 Disc.6 第6話 雪村 静香(32)

自殺交流サイト Suicide-Meeting のページを見つけた。
ここには人生をあきらめかけた人や、
自殺願望者が書き込みをしているようだ。

少し人生に疲れている人がここの掲示板を読めば
自殺の方向に気持ちが傾いてしまうほど、ネガティブな内容ばかり・・


「誰か一緒に死にませんか?」

掲示板に引き込まれた人が自殺者を募った・・・・


この映像を見ていた人が、リモコンを使って電源を落とし
走馬灯株式会社の部屋を後にした。
使用されたディスクが乱雑にテーブルに置かれている部屋に入り、
この部屋の使用者の今後のことを神沼(香椎由宇)は考えた・・・・・


走馬灯現象・・死の間際に見る記憶映像。
それが今観られるとしたら・・・・・
走馬灯株式会社


街からかなり離れた廃屋に、一台の車が止まった。






Disc.6雪村 静香(32)

この廃屋に来たのは雪村静香(佐藤江梨子)と風間美沙子(佐藤仁美)
静香は大きな荷物を部屋の中に運び入れた。


「じゃあ、始める?」

静香は美沙子に声をかけた。
来て早々に始めることに抵抗を感じる美沙子だが、

「あんまり遅くなっても、しょうがないし・・・」

腕時計を見ながら話す静香に従うしかなさそうだ。
静香が大事そうにつけている腕時計が気になった。

「これいいでしょ?気に入ってるの。」
静香は持ち物も服装も、かわいくて似合っている。
そんな静香のことが少しうらやましく思った。

「最期ぐらいは、着飾って終わりたいじゃん。」


静香が運び込んだカバンの中身を取りだす。
もう一方を美沙子が取りだす。

静香の方には練炭コンロ。美沙子の方は練炭が入っていた。


「みーやんさんは、何であのサイトに?」

「やっぱり・・・なかなか思いきりがつかなくて・・
それで掲示板に悩みとかを書き込んでいたんです。
なさけないですよね・・・

一人だと不安だったし、スノーさんと知り合えてホントよかったです。」

「私も、みーやんと会えてよかったと思ってる。」


自殺交流サイトに静香が書き込みをしたことが縁で知り合った2人。
互いのことは詳しく知らず、ハンドルネームで呼び合う仲だった。
静香はスノーと呼ばれ、美沙子はみーやんと呼ばれていた。


性格が暗く、就職活動はうまくいかなかった。
ようやく雇ってくれる会社を見つけたが、理由もなくクビ・・・
みーやんはここに至るまでの自分を簡単に話した。

みーやんはまず先に自分のことを話し、スノーにも理由を聞いてみた。
だがスノーにとって思い出したくない過去だった。
腹を割って話し合う友ではない。ただの自殺仲間・・

「思い出したくないことばっかだから、こういう道を選んだんだし・・・」

スノーは作業を急いだ。

練炭コンロ4台全てに火を熾し、ほどよくなじむまで外に放置。
その間に、窓や扉の隙間にガムテープを厳重に貼っていく。


「練炭って、苦しくないんですよね?」
外で白い煙をあげている練炭コンロを見てみーやんが尋ねた。

練炭はあまり苦しくなくて、睡眠薬を飲んで眠るだけで実行できる方法。
この考えに至るまでに、いろんな方法を考えてみたが、
飛び降りは高い所が苦手だし、首つりは、いろいろ垂れ流しになる。
自分の最期は綺麗に終わりたかった。
方法や手順に準備、全部スノーが行って、後は実行が残るだけ・・

もし失敗したときには後遺症があり、記憶喪失や半身不随・・・
そんなことにならないためにも、失敗は出来なかった。


部屋にみーやんを残し、練炭コンロを取りに外に出た。
コンロを取るために手袋をはめていたら、
プレハブ小屋に不釣り合いなネームプレートを見つけた。
“走馬灯株式会社”
気になるネーミングに、好奇心が勝ち 扉を開けた。


突然、自分の今まで生きてきた記憶がフラッシュバックする。
気が付いたら乗り込んでいたエレベータは屋上階に到着していた。
扉が開いた。おそるおそる扉の外に出ると
外では神沼が静香の到着を出迎えていた。

「ようこそお越しくださいました。私、走馬灯株式会社の神沼と申します。」
「すみません・・・誰かが居ると思わなくて・・」

ただの好奇心が迷惑をかけたと思い、恐縮しながら帰ろうとする。

「ご安心ください。あなたがどのような道を選ばれようと私は一切関与いたしません。
ただ、こちらで人生の最期にふさわしい体験をお約束します。

ここは、人生を顧みていただく場所でございます。」


興味をそそる話しを聞いた静香は、言われるがままに部屋に入った。
部屋の中に 幸村静香vol.00~32が置かれていた。

「こちらのディスクに、あなたの人生が納められています。

それでは、スノーこと幸村静香さま。
あなたの32年の人生を、心ゆくまで顧みてください。」

神沼は深々と頭を下げると部屋を出て行った。
残された静香・・先ず最初に手にしたのはvol.28


映し出されたのは静香の仕事部屋で、静香の書いた本は10万部を突破していた。
この喜びと裏腹に、個人ブログは誹謗中傷が書き込まれ、炎上・・


それはブログだけにとどまらず、週刊誌は男性遍歴を暴露・・
ただの友達だが、書かれ方がひどかった。
静香は自立した女性をテーマに本を書いていた。
これでは本の内容と行動が一致しない。イメージはがた落ち・・
エッセイの連載は打ち切り、その他の仕事もなくなった。
もう終わり・・・・

自暴自棄になったときにたまたま見つけたのが自殺交流サイト。


それで書き込みをしてしまった。「誰か一緒に死にませんか?」


さっき神沼から“心ゆくまで顧みてください”と言われた。
こんなひどい人生をもう一度見たかったわけではない。
自分の一番輝いていた時、vol.30を見ることにした。


ベストエッセイストアワードを受賞した時の映像が映し出された。
奮起して地道に書いていたエッセイ“孤独だなんていわれたくない”が
エッセイストアワードを受賞し、本として出版されることになった。
幸村静香が復活したときだった。


多くのカメラや記者からの囲み取材を受けている。

「雪村さん、エッセイストアワード大賞受賞の秘訣を教えてください。」
「“何回壁にぶつかっても、絶対にあきらめるな。
次の一回できっと何かが変わる。”
誰の言葉か忘れましたが、その言葉があったからこれまでやってこられました。」


“回壁にぶつかっても、絶対にあきらめるな。”
こんな大事な言葉を忘れてしまっていた・・・

思いを巡らせていたときにメールが入る。
みーやんからで、「どこです?」と書かれていた。
練炭コンロを取りに行ったのに、
みーやんを放ったらかして走馬灯株式会社に来ていた。
帰らないと!!


「もうお帰りになられるのですか?
自分自身の人生を受け入れるかどうかは、あなた自身の問題です。
私から申し上げることは一切ございません。」

「そうじゃなくて・・ありがとうございました。」
「またのご来社、お待ちしております。」

神沼が部屋に来た人の行動に、助言を与えるのは初めてのことだった。
忠告したい何かがあったのかもしれない。
神沼の立場で話せるのはここまで・・・


再生されたまま、静香のコメントが流れ続けていた。
「これからも自分に素直に執筆していきたいと思いますので、
よろしければこれからも応援して下さい。」

その後に個別取材を受けていた。
最初の雑誌社の女性が、名刺を手に出したまま静香に近づいた。
雑誌社の女性は名刺を差し出し

「K談社の風間美佐子です。」この女性はみーやん!!
静香はまだこの事実に気づいていない・・


静香は慌てて戻るとみーやんを探した。
部屋の奥にいたミーやんの姿を見つけて、ほっとした。

「よかったぁ無事で・・・今さらだと思うけど、もう止めない?
別に、怖くなったとか そう言うんじゃないの。
けど、何も死ぬことないんじゃないかって・・

あたし、エッセイストだったの。割と大きなエッセイ賞とか獲って・・
けっこう有名になったんだけど、結局うまくいかなくて・・
生きているのも辛くなって、“死ぬしかない”って思ったの・・・」


かなり追いつめられていた静香。
走馬灯株式会社で見せてもらった映像で、信念を思い出せた。

「何回壁にぶつかっても、絶対あきらめちゃいけない。」


真剣に、率直に今の気持ちをみーやんに話した。
みーやんはスノーの言葉に納得をする。

「でも、いくら頑張ってみてもどうにもならないことだって・・・」

話しに納得したものの、気持ちを変えられない・・

「人生、辛いことばっかりじゃないって。
これまでだって、楽しい時はいっぱいあったでしょ?
そのときを思い出したらきっと・・・」


みーやんを説得する材料を思い出した。
スノーはミーやんを連れて走馬灯株式会社に行く。

「ココって、この人の人生も見られますよね?」
「もちろんご用意しております。」

みーやんはおどおどした目つきで神沼をチラリと見る。
神沼は目線をそらさず、みーやんをガン見した。

幸村静香と風間美佐子のディスクが机に並べられていた。
静香はみーやんが“風間美佐子”だと初めて知った。

静香はディスクの説明をし、
これまでの人生の中で、楽しかったときや嬉しかったときなど、
一番みたい時を選ばせた。

美沙子が手にしたのはvol.32
まるで知っているものを触るように、さっさとディスクをセットした。



映し出された映像は、どこかの記者会見会場で
「雪村さん、エッセイストアワード大賞受賞の秘訣を教えてください。」
という声だけ聞こえる。

自分のディスクではないのに、
自分が大賞を受賞したときの映像が映し出されることに驚いた。


「“何回壁にぶつかっても、絶対にあきらめるな。
次の一回できっと何かが変わる。”
誰の言葉か忘れましたが、その言葉があったからこれまでやってこられました。」

静香の話す横顔が見えた。

「何であたしがみーやんの人生に?前にも会ったことが??」


映像は個別取材に移った。
美沙子はまっすぐ静香に向かい、「K談社の風間美佐子です。」と告げる。
静香は笑顔で美沙子の名刺を受取ろうとするが、
美沙子の着けていた腕時計に目が留まり、名刺を取るのをためらった。

「悪いけど、この取材は中止してくれる?
すぐK談社に電話して、この記者をクビにしてくれるように言ってくれる?
クビにしないんだったら、そっちの取材は一切受けないって。」


「こんな貧相な女のくせに、私と同じ腕時計をしているだなんて信じられる??」

静香は今着けている時計をちらっと覗き見た。
今着けているのは、今問題となっている腕時計と同じ・・・・


時計が同じというだけで、仕事を目の前で切られた。
トボトボと帰る美沙子。静香は別の出版社と話し、満面の笑みで対応する。

「やっと思い出した?人気エッセイストさん!!!」
美沙子は首に巻きつけていたストールを外し、首を絞めた。



気が付いた静香は、手は後ろ手にされ 足首にも紐を巻きつけられた姿となっていた。
自殺のために部屋の準備をしていたので、
見つかっても自殺としか断定できない
練炭が赤々と燃えていた。


「何なのコレ?」
「死にたかったんでしょ?だから望み通りにしてあげようと思って。」


美沙子が静香に名刺を渡したときに付けていた時計は、
死ぬ前に就職祝いで父が買ってくれたもの・・・

「私みたいな女がつけちゃいけないんだよね?
セレブでなきゃダメなんだよね?
やっと見つけた仕事なのに、あんたのせいでクビになった。

彼氏にもフラれて、家族にまで なさけないとバカにされた・・
どうしてくれんの??

それなのに自分だけセレブ気取りでブログなんかやっちゃって!
炎上するのは当たり前でしょ。」

静香はようやく気付いた。
ブログの炎上は美沙子一人がしたことで、
写真週刊誌にリークしたのも美沙子・・・


「あんたを陥れる為ならなんでもした。
でも勘違いしないで、あんたの人気がなくなったのは
あんたの性格がクソだから。

死のうとしたのだって、本当はみんなに注目してほしかったからでしょ?
人の人生狂わせておいて、一人だけ死のうだなんて・・
絶対に許さない!!

あんたのやろうとしていることなんて、全部知ってるんだから!
あんたの人生見てたのよ。」


美沙子は静香に連れられて行く前から走馬灯株式会社に行ったことがあった。
そこで静香の人生を全部見てきた。
静香が自殺交流サイトに書き込みをしたのを見て、計画を実行に移した。


「あとはごゆっくり・・」
美沙子は静香を置いて部屋を出ようとする。

「ドアを外から開かないようにするから、もって2時間程度かな?」
「いやだ!死にたくない!!」
「今さら何?死にたがっていたくせに。」

美沙子は出て行った。扉は厳重に閉められる・・・


静香は這いずってサッシ扉の近くまで移動した。
扉にもたれかかると、背中を扉に叩きつける。

「開いてよ!開いて!!」

「静香、頑張れ!!」
泣きながら背中を打ちつけていたらお父さんが目の前に現れた。
というか、子供の頃逆上がりが出来ず、
父が一緒に練習に付き合ってくれた日のことを思い出した。

いくら頑張っても出来ない静香は“出来なくていい”とあきらめた。
そんな静香の様子を見て、

「静香、この先の人生も いろんな壁にぶつかるはずだ。
でもな、何回壁にぶつかっても 絶対にあきらめるな。
次の一回できっと何かが変わる。わかったか?」


自分を励ましてくれた言葉は、父が話してくれたことだった。
これは走馬灯株式会社がおまけを見せてくれたのだろうか・・・

ここでやめるわけにはいかない。次の一回できっと何かが変わる!!
父の言葉を思いだし、渾身の力で体を扉に打ちつけた。


扉ははずれ、静香の上半身だけは外に出た。
まだ生きられる!そう思うと笑いが込み上げてきた。
泣きながら笑う。生きることを実感したときだった。


飛び出した金網を使い腕のガムテープをなんとかほどいた。
両手が使えると、足のガムテープは難なく取れる。

「私・・何で自殺なんてしようとしたのだろう・・」
静香は膝を抱えてぼんやり考えていた。



静香の現在のDVDを美沙子は走馬灯株式会社で見ていた。

「ねえ、この映像 雪村静香のリアルタイムの映像よね?」
美沙子は側に居た神沼に問う。

「はい。」

美沙子は何も言わずに部屋を後にした・・・




自分だけでなく、相手も走馬灯株式会社のことを知っていたら・・・
かなり気持ち悪い粘着体質ですね。

劇中の理紗子の恨みはかなり深いですね。
あの粘り強さを別のことに使えたら・・とは思いますが、
面接官の質問事項は、自分を思った以上に現実の中に沈めていきます。

自己否定さえするほどに・・・

そのどん底から這い上がるのも自分でしかないんですよね・・

話しは途中で終わりましたが、
静香が生きながらえているといいなぁ・・


稼ぐなら、オークションを試してみたら。
静香程の根性があれば、稼げます。











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