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走馬灯株式会社 第2話 堤友樹 ネタバレ 柏原収史 手島優 [走馬灯株式会社]

走馬灯株式会社 Disk 2 第2話  28歳

「アゴの下の方に注射を打っていきますね。
チクッとするけど、がまんしてね。」
女医が注射をしようとしている。
ここは手術室なのか・・・・?


この映像を止めたのは走馬灯株式会社の神沼(香椎由宇)
慣れた手つきで映像ディスクを取出し、ニヤリと笑った。
こうなる事が最初からわかっていたのだろうか。


走馬灯現象・・・それは死の間際に見る記憶映像。
それが今 観られるとしたら・・・・・
走馬灯株式会社






Disk 2 堤友樹 (柏原収史) 28歳

地下にある隠れ家的バーでの2次会。
堤友樹はカウンター席に腰掛け、妻に電話を入れていた。
上司がもう一軒行くようで、まだ帰れない・・・

身重の妻のためにも早く家に帰りたが、それも叶わず
待ち受け画面の妻の顔を見て、自分を慰めていた。



「堤主任~~~~ 主任は、3軒目行くんですか?」
後ろから抱きついてきた中田サヤカ(手島優)
足元はふらついて、ろれつが回らなくなっている。

サヤカは誘うように上着を脱いで、胸元を強調してくる。
モーションをかけてきているのはわかっていたが、
友樹はこの女性に覚えがなかった。

「もう!覚えてないんですか?この前入った派遣の中田ですよ♪」

頭の中を引っ掻き回し、名前を思い出した。
「あの・・・サヤカちゃん?」
「あぁん、うれしい♪」

サヤカは友樹の顔を自分の胸近くまで引き寄せた。
谷間がのぞく胸元を至近距離で見せられて、男としての本能が目覚める。

「これから・・二人で飲み直しません?
私、堤主任と飲みたいなぁ・・・」
直球で誘いをかけるサヤカ。
ここまで言われると断ることが難しい。
二人は関係を持ってしまった。


ベッドの中で目を覚ました。隣はサヤカが眠っている。
誘惑に負けた自分を反省しながら、
眠っている間にホテルを出ようと身支度を始めた。

洗面所で顔を洗い、少し気分をすっきりとさせ部屋に戻る。
起きていたサヤカはベッドに腰を掛け、
タバコをくゆらせながらケータイを見ていた。
それは、友樹のケータイ!!


「ちょ・・何してんだよ!」
「番号登録しておこうと思って・・」
一夜限りの関係に、登録も何もない。

「で、友樹は 奥さんといつ別れるの?別れるでしょ?」
「何言ってんだ!」
「別れないなら、私 何するかわかんなけど・・」

「ねぇ、友樹とは運命感じるんだ。」

潤んだ瞳でこちらを見ている。
面倒な女と関わってしまったことを後悔しながら
素早く服を身に着け、足早に部屋から出た。



音を立てないように鍵を開け、音を立てないように扉を閉める。
家のリビングの電気を点けたとき、

「おかえり!」

妻:梨穂(松本莉緒)寝室から出てきた。
寝ていると思ったのでびっくりしたが、
遅くなっても出迎えてくれる妻が愛おしい。
梨穂は友樹のために夜食を作るためにキッチンに立った。


友樹のケータイが鳴る。メールのようだ。
開いて見ると、
差出人は中田サヤカ “記念写真だよ♪”の文章と添付された写真。

スクロールさせて写真を見ると、ベッドで眠る友樹とサヤカの写真。
自分の眠っている間に撮られていたと知り、ハッとする。
理穂はまだキッチンにいるので中身を見ていない。
とりあえず“課長”からだと言ってごまかした。



次の日、友樹は出勤してすぐ、PCメールをチェックする。
仕事メールの確認のためだが、差出人のほとんどが中田サヤカだった。
50件近いサヤカのメールに気持ち悪さを感じていたとき、

「おはようございます。」
耳元でささやくようにサヤカが挨拶をしてきた。
びっくりして慌てふためくが、周りの人は二人の関係を知らない。
いつも通りの対応に努めた。

サヤカはお茶を置いてその場を去る。
友樹は視線を感じて振り向くと、サヤカがこちらを凝視していた。
パラリと落ちた髪を耳に掛けながら・・・・



職場で変な緊張感が続き、まっすぐ家に帰りたくなかった友樹。
ちょうど2次会で使った店の近くを歩いていた。
一杯だけ飲むつもりで、店の階段を下りる。


扉を開けようとして“走馬灯株式会社”と書かれていることに気づいた。
店の名前が変わっただけだろうと、気にせず扉を開けた。

足を一歩踏み入れたと同時に、
今までの人生が早送りで巻き戻されていく。
その速さに驚きを感じていると、
いつの間にかエレベータに乗り込んでいて
最上階で扉が開いた。


この状況を把握しきれないまま、エレベータから出る。
周りをキョロキョロと見回すと、目の前に神沼が控えていた。

「ようこそお越しくださいました。
わたくし、走馬灯株式会社の神沼と申します。」
神沼は友樹に深々とお辞儀をする。

「ここは人生を顧みていただく場所でございます。」
部屋の扉を開けて、友樹を中に誘導する。
友樹はこの場所を、
とても質のいいビデオルームのようなものだと判断した。
何か不都合が出たときには、内線電話がつかえるらしい。


「そちらのディスクに、あなたの人生が収められております。
早送りやチャプター再生も可能ですし、
興味が湧かなければ、最後まで見ていただく必要がありません。」

堤友樹と書かれたディスクが00~28まで並べられていた。
神沼は00のディスクを入れた。


「それでは堤友樹さま。あなたの28年の人生を心ゆくまで顧みてください。」



「あ!笑ってる!ともくん!!ともくん、ママですよ~」

今よりも相当若い母が笑顔で話しかけていた。
周囲に映る風景を見て、実家だと気付いた。
ここで神沼の言葉を理解した。自分に起こった人生を見られることに・・


Vol.16まで見進めていた。
季節は冬。バレンタインデーの日だった。
2人の女子からチョコを貰った。どちらの娘もかわいくてうれしい。

そう、こんなにモテてた頃があったなぁ・・と
思い出して、つい鼻で笑ってしまった。


「堤くん待って!」
友樹が女子に呼び止められて立ち止まった。
呼び止めたのは長谷川。校内でも数えるほどのデブでブス。

「私と付き合ってほしい。」長谷川は告白。
「冗談だろ?」
「堤くんのこと、ずーっと見てた。ずっと憧れてた。
私の気持ち、貰って。手作りなの!かわいいハート型なの!
ねぇ貰って、貰ってよ~~~~」


自分の主張をグイグイと押し付けてくる長谷川がウザくて、
差し出されたチョコを払いのけた。

「お前みたいなやつと付き合う訳ねぇだろ!!」
落ちて散らばったチョコを拾い上げ、長谷川にぶつけて返した。


「友樹とは、運命感じるの。」
長谷川はそういいながら、耳に髪をかけた。


友樹はこのことばとしぐさを思い出した。
昨日と今日にかけて、サヤカがしていたことと同じ!
もしかして、長谷川はサヤカ!?
そんなことを考えながら、続きを見た。


告白の後から、長谷川の押しは強かった。
お弁当を作ってきたり、
友樹がどこにいても見つけ出したりして 付きまとっていた。

いくら拒絶しても、いくら拒絶しても付きまといは終わらない・・・


「これって運命なの。」
髪を耳に掛けながら、グイグイと攻めてくる。
友樹は薄ら気持ち悪い長谷川から離れようと 逃げ出した。

この映像で確信した友樹は、上着とバックを手に取り家路についた。


家に戻るやいなや、学生時代の友達に電話をし、長谷川の行方を聞いて回った。
だれも詳しいことは知らず、東京に出てきていることだけはわかった。


次の日は休日で、赤ちゃんの定期健診に付き添った。
産まれてくる子供のための準備の話をしながら歩いていると、
自分たちの前からサヤカが歩いてきた。


サヤカが長谷川だという疑惑が晴れていないので、ギクシャクしている友樹。
とりあえず梨穂にサヤカを紹介した。

「主人がいつもお世話になっております。」
「いえいえ、私の方こそ いつも優しくしていただいて・・・」

本妻と愛人が顔を合わせたような、火花が散っていた。
空気が悪いことを察知した友樹は、梨穂に話しをふった。

「どうしたの?こんなところで・・・」
「実は・・生理が来なくて調べに来たんです。」
「へ???」
身に覚えがありすぎて、友樹の驚きの声は裏返った。

「冗談ですよ♪
なんか、足の爪が巻爪になっちゃったみたいで 見てもらいに来たんです。」


無邪気に友樹に向かって笑顔を見せるサヤカ。
その後、おもむろに梨穂のお腹を撫でだした。
大きいお腹は9ヵ月。もうすぐ産み月だった。

「きっとかわいいお子さんなんでしょうね。」
梨穂の腕をとり、サヤカから引きはがした。


夜眠っていると、リビングの方で、大きな音がした。
梨穂をベッドに残し、友樹はおそるおそるリビングの方に様子を見に行った。

電気を点けると、飾ってあった二人の写真の写真立てが倒れていた。
身体に風を感じて窓の方を見てみると、締めたはずの窓が開いていた。
カーテンを開けて確認したが、人の気配は全くなかった。


友樹は長谷川が来たのだと思い、警察に連絡を入れた。
高校時代からのストーカーが来ていると。
直接的被害に遭っていないので、警察は動いてくれなかった。
その時に走馬灯株式会社のことを思い出し、急いで向かう。


入口では神沼が、
自分が来ることを知っていたかのように出迎えてくれていた。

「ここって、他のやつの人生もあるんだろ?」
「ございます。
ご本人と関わりのあった方であれば、お見せすることができます。
一つの目線からでは見えてこない真実もありますから・・・」

「長谷川っていう女の人生、見せて。」


友樹は長谷川正美Vol. 16 を開けてディスクを再生させた。
「何がサヤカだ!どうせ長谷川なんだろ?」

再生させて見たのは、バレンタインの日。
友樹が見たのと逆の目線・・・
長谷川正美は、友樹からチョコをぶつけられていた。
それに悲しみを持つのではなく、
バッグから白を基調にしたハートのシールでデコレーションされた手鏡を取り出す。
鏡を覗き込みながら
「絶対あきらめないから!!」とつぶやいてた。


早送りをしながら見ていくと
長谷川はずっと友樹をストーキングしていた。
登校中、お昼休憩、放課後・・
デジカメで、いろんな友樹が隠し撮りされていた。
友樹が学生時代につきあっていた彼女と、
誰もいない教室でキスして抱き合っていたときも、長谷川は見ていた。

「あんな女、死ねばいいのに・・」
長谷川は呪いの言葉を吐いていた。



ディスクは進んでいき、Vol.24 を再生させていた。
うとうとして目を覚ましたとき

「それではふき取ります。」
「長谷川さん、まずはアゴの骨から削って行くから。
かなり長い手術になるけど、そのつもりでね。」
「大丈夫です。大切な友樹のためだから・・・」

「アゴの下の方に注射を打っていきますね。
チクッとするけど、がまんしてね。」

友樹は長谷川が成形したことを知った。

「長谷川さん、これから包帯を取っていくね。」

手術は終わり、包帯を取るところまで時間が過ぎていた。
ようやく待ちに待った成形手術後の長谷川の顔が見れると思い、
なんだかわからない気合が入った。


包帯の分量が少しずつ減り、景色が明るくなってきた。
全部外されて、医師の顔が画面に映る。
医師は鏡を長谷川に渡す。

鏡を覗き込んだ長谷川は・・・・梨穂!?

見てはいけないものを見てしまった。
衝撃の事実に足元から崩れ落ちる。

「梨穂・・・・?」
よく考えてみると、梨穂はよく髪をかきあげるクセがあった・・・



病院から連絡をもらい、急いで駆け付けた。
まだ長谷川が梨穂だと思いきれなかった。
とにかく梨穂に会わなければいけない・・そんな気持ちでいた。


病室の扉近くで梨穂の様子をうかがった。
出産は終わり、梨穂は鏡で顔を覗き込んでいた。
手元をよく見ると、白を基調にしたハートのシールのついた手鏡だった。
あれは16歳の長谷川が持っていた物と全く同じ・・・・

梨穂は友樹の気配を感じて顔を上げ、微笑みかけてきた。
ぎこちない笑顔を返す友樹。

「やっと会えたね、赤ちゃんに・・
友樹の赤ちゃんを産むの、夢だったんだ・・」

「かわいい女の子ですよ。」
看護師はそう言いながら、友樹に赤ちゃんを抱かせた。

「こうなるのって、やっぱり運命だったのね。」
梨穂が16歳の時と変わらぬ言葉を投げかける。

友樹が赤ちゃんの顔を見てみると、
かわいらしさのかけらもない、長谷川に似た子だった。



茫然自失。友樹はロビーのソファでうなだれていた。
ケータイが鳴る。それは中田サヤカからのメール

ご報告。
妊娠しました。やっぱり運命だね♪



走馬灯株式会社の一室ではDVDが再生されたままだった。
この部屋は友樹が使用していた部屋・・

映し出される画面には、友樹が梨穂に声をかけた所だった。
「よかったら、一緒に飲まない?
突然こんなことを言うのも何だけど、“運命を感じる”んだよね。」

「なんだろう・・初めて会った気がしないんだよね。」


神沼はディスクを取出し、手際よく片付け始めた。





もし大好きな彼女が全身整形している人だったら!
こんなことを考えるのも怖いかもしれません。
それに、”昔大嫌いだったデブでブスの同級生”も乗っかります。

知らずに結婚して、子供が生まれる直前・・・

恐ろしすぎることが次々重なります。

一夜限りの関係と思っていた人が妊娠したことがわかり
八方ふさがりの状態からどうやって抜け出すんでしょうね。

実際ならこんなに怖いことはありません。


全身整形は怖いので、骨盤矯正はいかがでしょうか。


シンクロ選手じゃないですが、鼻が高くなるかしら?




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