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家族八景 芝生は緑 市川家編 第9話 ネタバレ ストーリー 木南晴夏 火田七瀬 [家族八景]

家族八景 芝生は緑 〜市川家編〜

私は、人の心が読める家政婦。

火田七瀬(木南晴夏)の次の仕事先は市川家。
主人の省吾(西村和彦)は建築デザインの仕事をしている。

この家に来て、挨拶を終えたばかりの七瀬に、
今度駅前に新しくできる、高級スーパーのラフ図面を見せる。
この内装とデザインを一週間で仕上げることになっていた。
急ぎで仕事を片付けないといけない。
省吾は職場ではなく、家で缶詰になって仕上げるつもりで、
七瀬を一週間雇ったのだった。

「缶詰とガーファンクルや!」
コテコテの関西弁とダジャレを話す省吾。
「それ、サイモンとガーファンクルや!」と突っ込む人もなく、
七瀬は意味もわからず省吾の顔を見つめるだけ・・・


「普段は別にある事務所で仕事をしているんだけど、
忙しいときは家でやる方がはかどる見たいで…」

省吾の妻・季子(星野真里)がフォローして七瀬に状況説明するが、
省吾にとって、フォローはどうでも良くて
さっきのガーファンクルを引きずってエアギターを楽しんでいた。

リビング中に変な空気が漂っていたときに、電話が鳴った。仕事の要件だった。
季子に、一緒に省吾の身の回りの世話をするように言われる。

「省吾さん。お仕事に入っちゃうと、ちょっと大変になるから。」
季子に囁くように言われるが、意味が飲み込めてなかった。

「ななちゃん。そいつ、めっちゃトロいから、お手伝いしたって。」
電話を終えた省吾が七瀬に言うと、

「私トロいんです。大トロです。トロイの木馬です。
だから手伝ってもらうと助かるなぁって。」
季子は旦那に気兼ねをしている様子。



私は人の心が読めてしまう。
心を読むとき、その人がどう見えるか?それはその家によって様々だ。
家には家それぞれの空気があるからなのか…


(あかん。内装めっちゃ苦手や。ディテールむずかし!)
相撲のコントのときに着る、お相撲さんの着ぐるみを主人は着ていた。

ノロノロと白ネギをこそげるように切っていた季子は、
(やだやだ。また滞ってるよ。この人、内装苦手なのよねぇ。
ていうか、年々短気になってない?ななちゃん居てくれて良かったぁ。)

この家ではどうやらお相撲さんのぽわ〜んな人に見えるらしい。


「おい、飯や。飯早よしてくれ。ひょっとして、まだできてへんのか?」
仕度を始めたばかりで、ご飯は全然できていなかった。
ネギと包丁を手にしたまま省吾に近づき、季子はおどおどした口調で謝る。

「陽が暮れたら飯って相場は決まっとるねん。」
「わかれよ!俺の腹具合を。集中を切らしたくないねん。
創造的な仕事ってそういうもんや!」


包丁を持ったままの季子から包丁を取り上げたのに、自分が振り回していた。
(この人怖!っていうか扱いにく!!奥さん一人じゃもたないでしょ。)
七瀬はベタベタな関西弁を使う省吾を怖い人だと認識した。

「あかん。いよいよ腹立ってきた。ほんま、どんだけトロくさいねん。」
嫁は慌てて料理を作っているが、やってることは白ネギの根元をこそげること。
何をしたいのか???

(ちょっとは、隣の奥さん見習えっちゅうねん。
あんな奥さんやったら最高やろうなぁ。
品があって、賢くて、グラマラスで、センスがあって、華があって、エロスがあって、
一体、何拍子揃ってんねん。)

旦那は隣の奥さんとの妄想を膨らませた。省吾の妄想の世界・・・
「今のところ、6拍子よ。省吾さん。」
隣の奥さん・高木直子(野波麻帆)は、ソファの肘置きの所にもたれかかり、
ハイヒールを履いたまま、省吾に向かって足を差し出す。


妄想が膨らみすぎて、会いたくて堪らなくなってしまった。
(仕事中やのに、めっちゃ会いたなってもた!)

それに引き換え、自分の嫁は何もかもが足りない…
省吾は今すぐの食事を諦めて、仕事に戻った。

心の声を聞いた七瀬は、省吾が隣の奥さんに関心があるとわかった。


次の日、
呼び鈴が鳴り七瀬が出てみると、直子が訪ねてきていた。
七瀬と話す声で、直子だとわかった省吾は、慌てて玄関に出てきた。
直子は、陣中見舞いとしてマドレーヌの差し入れをくれた。
省吾はその場で、喜んでマドレーヌを食べる。

「あなた作る人。僕食べる人。」
そう言われて直子はケラケラと笑い出した。
(ケラケラケラ。解る、直子さん。今日も どストライクや!!!)

「家政婦さん。いいなぁ…私も頼もうかしら。」
「奥さんの所は要りませんよ。こんなに家事が出来るねんから…」
話しをしながらも、省吾はマドレーヌを食べ続けた。

「そんなこと言ったら、こちらの奥さん 家事出来ないみたいじゃない。」
出来る女性をアピールするために、直子は強調して言ってみた。

省吾はこの言葉に乗っかって、季子の話しを始める。
この間 図面にナメタケをこぼした話を直子に披露。
季子は一番やったらいけない場面に限って、何かをやらかしてしまう…

直子は省吾の言葉に乗っかって、話を膨らまして楽しげに話をする。
(奥さん。あいつやダメなんです。僕にはあなたが必要なんです。
マドレーヌなんて、どうでもええんです。僕の心はもう元には戻れーぬなんです。)

嫁にとって、こんなことは人に一番話しをされたくない所…

省吾が気づいたら、季子がそこに立っていた。
直子に挨拶だけして、七瀬を連れて洗濯物を干しに行く。


ベランダで、2人で洗濯を干していた。
玄関先で話す会話は聞こえていて、つい、聞き耳を立てる。

「隣の奥さん。家の主人と話し会うみたい。
私、難しい話し、良くわからなくて…」
嫁は七瀬に話しかけて来た。
(なにがモダニズムの限界よ。
そんなことより、スーパーの内装 工夫したらどうなのよ。クリーム色一辺倒で。
それに、マドレーヌなんて、型さえあれば誰だって作れんだから!)

季子は相当腹立たしく思っているのか、かなり毒ついている。
(まあ、あれだけないがしろにされたら気分悪いか。)
心の中だけだし、言いたくなるのも解る七瀬だった。

(なんであんなヒステリー野郎と結婚しちゃったんだろう…
私が求めているのは、もっと穏やかで、優しくて、いたわりがあって…
そう、高木先生のような……)

高木先生のことを考えてしまい、嫁は妄想の世界に入って行った。
(あなたのその、優しい笑顔、愛情深い眼差し。
愛おしゅうございます。お会いしとうございます。)

七瀬は、季子が病院の先生に恋していることを知った。

(あ!お会いできた!!)
嫁は隣のベランダに出て来た人をガン見していた。

お隣?その人は隣の旦那!?高木輝彦(大河内浩)
隣の主人が季子の思い人!!!
七瀬はかなり驚いた。

目が会って、会釈をする。
(どどど…どうしよう。目があって、変な挨拶しちゃった。
今の私の笑顔、絶対ぎこちなかった。
やり直したい。あぁ…先生!!
その穏やかな瞳で、何を見つめておられるのです?
医学の未来?未知なる病原菌?

わかっています。先生には使命がありますもの。
一人でも多くの患者さんを救うという使命が!

だけど、叶うならならここに、愛にさまよえる夢遊病患者がいることに
どうか、お気づき下さいませ。
好きよ!、50歳台!!)

妄想は相当で、七瀬は呆れてしまう。


洗濯を干し終わり、洗濯カゴを片付けようと部屋に入ると、
まだ玄関で話をしていた。

(奥さん、奥さん!!僕は奥さんとどこまでも飛んで行きたいんです!!)
(先生、先生!!私をどこまでもさらって下さい!!!)

省吾と季子の妄想は、頂点に達していた。


その夜のお風呂タイム。
七瀬は湯船の中で、2人の事を考えていた。
夫婦なのに、こんなに心を欺きあっている。
自らを縛り付けながら、一つ屋根の下で暮らしているなんて…
薄々思っていた事だけど、
私は多分、一生結婚しないかもしれない…)

次の日七瀬は、直子が持って来たマドレーヌを乗せていた皿を返しに高木家に行った。

「そうだ!ななちゃん。ちょっとお話があるんだど。」
直子に言われ、七瀬はリビングに通された。

リビングには、医療関係の本が散乱して、
その中には一夜漬けモダニズムや、猿でも出来る簡単エクレアの本も混ざっていた。


「スカウトですか?」

「ななちゃんがずいぶん働き者だって聞いたから、家でもお願いしたいなって。
もちろん、お隣のお仕事が終わってからで良いのよ。どうかしら?」

「私は構いませんが…」

七瀬は、来週から高木家で働く事になった。
(やったぁ!これで省吾さんの情報が入りやすくなるわ。)
直子はとても喜んだ。


この家では、心の声が見えるとき、大顔面になるようだ。
心の声は欲望の塊。それを大顔面で見せられると、かなり迫力を感じた。

直子は家政婦の件を、この場で輝彦に了解をさせる。
自分の旦那を想うがままにコントロールしているようだ。

輝彦は、特に反論する事なく了解した。
(なんでもかんでも勝手に決めやがって、この出しゃばり女!)
(まあしかし、これはお隣の奥さんと親しくなるチャンスかもしれんからな。
何しろ、今のままじゃぁ、医者と患者以上の関係は望めんからな。)

隣どうしで相思相愛。不思議な糸が絡み合っているかのようだ。
愛する、今最高に気になる人はお隣さん。
夫婦の会話をしているようで、相手への当てつけ合戦。

直子の妄想が始まった。
(省吾さん。あなたのような、野心的な男こそが私にふさわしい。
私は必ずあなたを捕まえて見せる!)

(季子さん。あなたの白く美しい肌。あなたは自分のポテンシャルに気づいていない。
よければ私が、気づかせてあげたい。)


ここ4人はドロドロだ。“隣の芝生は青い”よく言ったもんだ。


七瀬が高木家から戻ってくると、省吾がキッチンで探し物をしている。
(ない、ないぞ。どこや、どこ行ったんや!)

七瀬は省吾に声をかけてみた。
「ななちゃん、マドレーヌの皿知らんか?」
さっき返しに行った事を告げると、
(なんやと?帰した??なにしてくれてんねん、この小娘が!
あれは、俺と直子さんとを結ぶ、唯一の架け橋やろが!
何を勝手に返してくれとんねん!)

「ななちゃん、今度からそういうの 置いといてくれれるかな?
ほら、ご近所付き合いとかあるやん。
家政婦って、家のまつりごとって、書いて家政婦やん。
家の外のことは、せんでいい。」

(どうすんねん、どうすんねん。あの皿がとっておきのチャンスやのに!!
もうじきが現場入りやから、これで長らく会えへんやんか。
どうしてくれんねん。どう落とし前つけてくれんねん。)

心の声が聞こえるので、悶絶しながら心の中での怒りをを聞く羽目になった。
なんだか“とほほ”な気分だ。

怒りが収まっていないところに、出かけていた季子が帰って来た。
ちょっとタイミングが悪い。

「どこ、ほっつき歩いとったんや!」
怒りの矛先が季子の方に向いた。

「ちょっと、喫茶店に…」

「茶しばく暇あったら、ななちゃんをちゃんと監視せんかい!
スタンドプレイ してもたやんか!」

季子の両肩をにぎり、怒りながら奥の部屋に追い詰めて行く。
今はひたすら謝るしかない。


「さっきはすみませんでした。私が勝手に…」
季子に詫びを入れる七瀬。

「え?え?え?…良いの、良いの全然。いつものことだし。」
旦那に言われのないことで怒られたのに、なぜかニヤついていた。
(はぁ…高木先生。やはりあなたは理想の男性像です。
あんなに親身に私の事を診て下さるなんて…)

季子は喫茶店ではなく、病院に行っていた。
(先生が私を診断して下さった。しかも、お薬まで…
気遣って下さってくれる。先生は、私の精神の安定まで診て下さっているんだわ。
病状以外に交わした自由会話!自由会話よ!)

高木先生と、いつもと違う会話まで出来たことで、有頂天になっていた。
ニヤニヤが止まらない。ずっと、この夢の世界に浸っていたいとまで思った。
触診がないのがもどかしく、“触られたい”願望に駆られていた。

季子は、それ以上は不貞に当たると、妄想にブレーキをかける。
頭を冷やすかのように、冷蔵庫を開け、ケチャップを取り出す。

高ぶる気持ちが、なぜかケチャップを高々と掲げさせ、机に振り落とされた。
力一杯に机に叩きつけられたケチャップは、蓋が開き放物線を描いて飛んで行く。
それは、省吾の耳のあたりまで届いた。

省吾は、言葉にならない怒りを向ける。

「生まれてすみませ〜〜〜ん!!!!」
季子の謝罪は凄く昔にまでさかのぼる…


今日は七瀬の契約満了日。省吾の仕事はうまく行った。
七瀬に感謝の気持ちを語ってくれる省吾は、季子にも感謝を言葉で表した。
こんなことはないことなので、季子はとても嬉しがった。

最後の日は、省吾が作ってくれる、かに入りのうどんすきだった。
なんだかんだあっても、心優しい、妻思いの人だった。

七瀬が寝ていると、夜の営みの声が聞こえて目が覚めた。
声と一緒に、心の声も聞こえる。
(これは直子さんや、直子さんや!)省吾は、季子を直子だと思い、
(先生、私は今、先生に抱かれている。)季子は、省吾を輝彦だと思った。
夫婦で別の人を思い浮かべている。

(この夫婦、本当に最低だ。欺まんにも程がある。)

七瀬が市川家夫婦の、聞きたくもない夜の営みの心の声を聞かされているときに、
別の声も聞こえだした。


(奥さん!奥さん!)この声は、隣の家の輝彦の声!
(省吾さん!省吾さん!)この声は、隣の直子の声だった。
隣の家の夫婦も、同じことし、同じことを考えていた。


(この2組をこのままにして置いて良い訳がない。私の道徳がそれを許さない。
建前的貞操観念なら、いっそ、なくなってしまえばいい。)

七瀬は隣の家のオファーを受けた。

契約満了の次の日に、高木家の呼び鈴を鳴らした。
高木家の二人は、七瀬を暖かく迎え入れてくれた。


火をつけてやろう。そして、じっくりと観察してやろう。

七瀬は、説明のつかない正義感に満ち溢れていた。



家族八景がブルーレイになります。



最強家政婦はやっぱりこれ!ですね。
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