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家族八景 第3話 澱の呪縛 あらすじ ネタバレ 木南晴夏 [家族八景]

家族八景 第3話 澱の呪縛

私は人の心が読める家政婦・・・

少しさびれた商店街のはずれにある古本屋「神波書房」
火田 七瀬 (木南晴夏)が次に紹介された、店舗兼住居の古本屋だった。

店番をしているのは主人の神波 浩一郎 (橋本じゅん)
妻の兼子 (清水ミチコ)が体を壊し、子だくさんで家の中が回らないので
家計に余裕はないが、家政婦を雇うことにしたのだった。

浩一郎は七瀬に家族の紹介を話し続けるが、頭に入らない。


どの家にも匂いがある。生活臭、埃臭さ、住人の体臭・・
でもこの家の臭いは凄まじい。
浩一郎はこのにおいを何とも思っていないのだろうか?

心の声を聞いてみる。
浩一郎は話す内容と心の中に変わりがない。裏表のない人。

でも、臭いに関しては鈍感だ・・

家の中に通される。心を読むとき、その人が私にどう見えるのか?
それはその家によってさまざま。
この家に人たちは、どうやらケモノに見える。頭には角、鼻輪が付いている。


2階に上がる階段は、まるでけもの道。
真ん中だけは人が通れるように開いていて
両側には洗濯物やらガラクタが放置されていた。
浩一郎に2階は子供部屋だと説明してくれるが、
上にあがらなくていいと指示される。本当にいいのかなぁ・・


一階の居間、者が散乱していてとても汚い。そして臭い。
一番奥に置いてあるコタツで寝ていたのは浩一郎の妻・兼子。
寝起きの腫れぼったい目で、七瀬をジッと睨み付ける。
この間が耐えられなくて、兼子の心を見る。

(ストライク!)

ん??ストライクって何?

兼子は立ち上がって (ストライク!)
トイレの場所を教えて (ストライク!)
風呂場の場所を教えて (ストライク!)
流しの中に洗えていない山盛りのお皿がある、台所を教えて (ストライク!)

料理の担当は兼子で、洗い物は七瀬が担当。
兼子は冷蔵庫からアイスバーを取出し、おもむろに食べだす。
「あんたも食べる?」七瀬にアイスを渡してくる。

包み紙を見ると“ストライクアイス” あぁ、納得。
兼子はストライクアイスバーを食べながら、(パラダイス!)
かなりご機嫌のようだ。

洗濯物から作業をするように指示していた兼子は突然せき込みだした。
「やっぱり持病が・・・」(なんつって)
「まだ治んなくて・・・」(仮病だけどね)
「もう、大変」(なかなかの演技力!ハリウッド女優か!お前!!)
兼子の病気は仮病だったんだ・・・


床一面に散乱する洗濯物。この臭い・・・頭が痛くなってきた。
二層式の洗濯機。洗濯物を入れて回すと、汚れて水が赤茶色に変わる。
洗っても、洗っても終わらない。

次は食器洗いに取り掛かる。何日洗ってないんだろう?
ぼんやりと食器を見つめていたら、子供たちが七瀬に抱きついてきた。
五郎 (武井祐人)、悦子 (末原一乃)、六郎(藤木夢現)だ。
学校から帰ってきて、興味津々で七瀬のことを見ている。

七瀬は丁寧に自己紹介をし、頭を下げる。
六郎は(えへへ)
悦子は(このお姉ちゃん、お人形さんみたい)
吾郎は(俺がお嫁さんにもらってやるぜ)
みんな考えていることがかわいい。

勝手口から道子 (茜音)、良三(岡本拓朗)、敬介(野口翔馬)たちが帰宅。
その後すぐに大学生の明夫( 浜野謙太)
「困ったことがあったら何でも言ってよ。だって七瀬ちゃんは俺たちの家族なんだから。」

みんな家族と思ってくれた。綺麗な目、裏表のない心。
怠け者の母親を支えながら明るく生きているこの子たち、ちょっと健気かもしれない。

「お姉ちゃん」悦子が七瀬をそう呼ぶ。
今日来たばかりの自分をお姉ちゃんと呼んでくれるのがとてもうれしい。

・・・・でも、臭い。(いやなの?俺たち)(いやなの?私たち)
七瀬が嫌がっているように感じている子供たちに、返事が困って
「私・・ちょっと・・・うれしくなってしまって・・・」
繕うようなセリフを言ってしまった。

この家族いい人たちばかりだけど・・・臭い。


夕食、大皿に盛られた料理は
ベチャベチャした野菜の炒め物と焼いた豆腐の納豆掛け。
この食事はどんな味がするんだろう・・・
七瀬はみんなの心の中を覗く。全員食べ物のことには無関心だった。
料理と体臭が入り混じった臭いが・・・「うっ・・」七瀬は思わず吐きそうになった。

この人たちは雑然とした部屋で、大雑把な料理を取るうちに
味、臭い、汚さに慣れて麻痺してしまったに違いない。
元凶は・・・きっと母親。

「だれだこいつ。」食事中に返ってきたのは長男の慎一(山本浩司)
(中の上だな)心の中で七瀬を自分なりに解釈した。
お風呂の支度が出来ていないと知ると、(中の下)に格下げ。


五郎と六郎が風呂から上がり、コタツで寝ている母親の周りを走り回る。
七瀬は今日洗った下着を渡すが、渡された意味を理解してくれない。

「今着ているのは、さっき脱いだ下着ですよね?それは洗濯しますね。」
(だめなの?だっておととい替えたばっかだし。)

道子と悦子がお風呂から上がり、母にお風呂をすすめるが、七瀬に入るように言う。
「私、今日入んないんだから。」
七瀬は明夫に勧めるが、「僕はこないだ入ったよ。」キザって話してくる。

七瀬は湯船の中で猛烈な頭の痛みに襲われた。
変な入浴剤だからだと思っていたが、湯船をよく見ると垢だらけ・・・
「キャー―――――!!!!!」

七瀬が洗面所で手を洗っていると、
野球部の良三が深夜の素振りを終えて家に入ってきた。
おもむろに七瀬の歯ブラシを手に取り、歯磨きを始める。

「あっ!!それ私のです。」「あぁそうなんだ・・」
気にする風でもなく、歯を磨き続ける。(なんだよ!俺何かした?)
念入りに舌まで歯ブラシで磨き、洗いもせずに七瀬に返す。

七瀬は洗面所にある歯ブラシの数を数えた。
「1、2、3、4、5。5本!?」毛先は全部ゆがんでいて、数は足りていない・・
あきらめた七瀬は指に歯磨き粉をつけて歯にこすり付けた。


自分の与えられた部屋に戻る。
(臭い、汚い、頭が痛い。いつかこの悪臭と汚さに慣れてしまうのかしら?
この頭痛が収まったとき、この家族と同様に・・・・)
こんな恐ろしいことは考えたくない!思い出さないようにすぐさま布団にもぐりこんだ。


夜中に目が覚め、部屋から出て居間へと行く。
そこにはアイスバーをペロペロ食べている人が!その人が振り返る・・・自分!?
この家に染まりきった自分の姿だった。
「キャー―――」飛び起きると朝。さっき見たのはどうやら夢のよう。
こんな夢を見たのは、この汚さと臭いのせい。このままではおかしくなる。
「負けるか!」


子供たち全員出かけた。浩一郎は商店街の会合。兼子は店番。家には誰もいない!
七瀬はゴム手袋にマスクをして戦闘態勢!一つずつ家事をこなしていく。

まずは居間から。一階は綺麗になった。次は二階!
二階はいいと言われていたが、意を決して飛び込む。
居間以上に散乱された部屋。どの子供の部屋も、汚さMAXだった。
新しい人数分の歯ブラシを準備して、全部屋の掃除が終わった。

居間で安心してマスクを外し深呼吸。
(く、臭い。こんなに綺麗にしたのに・・・)

今までの匂いが染みついていて、部屋を掃除したぐらいでは臭いが取れなかった。
強烈な臭いを思いっきり嗅いでしまい、倒れこんで気絶してしまう。


子供たちが帰宅して、寝ている七瀬を起こしてくれた。
みんな体のことを心配してくれているようだ。
部屋が綺麗になって、子供たちは口ぐちに感謝してくれる。

心の中は部屋が綺麗なことを喜んでいると思って見たら、
勝手に自分たちの部屋を掃除し、見られたくないものも見ていることを怒っていた。
というか、部屋の中を見られたことを恥ずかしがっていた。


今日の夕食も昨日と同じメニュー。
みんなは食事をしながら、七瀬がおせっかいで覗き屋だとまだ思っている。

浩一郎が「きれいな部屋で食べる食事はおいしいなぁ・・」
(美味しい?美味しいのかこの飯は??)
この言葉を聞いた兼子は、(嫌味?)「そうね。」
(掃除をしなかった私への当てつけ?)「今まで家は汚かったから。」

母親が“家が汚い”と言ってしまったことで、
子供たちは今までの家は汚かったと認識してしまった。

心の中で母親のせいにする子供たち。その考えは母を甘やかす父へと考えが及び
真一は(この女から見たら、俺たちはケモノに見えるんだろうな。)
他の子供たちも(ケモノ、ケモノ、ケモノ・・・俺たちはケモノだ!!)


(私はとんでもないことをしてしまったのかもしれない・・・
部屋を綺麗に掃除してしまったことで、自分たちの不潔さに気づいてしまったんだ・・)
みんなの心の声が七瀬を追いつめていく。


澱のごとく沈殿していた、生暖かく住み心地のいい 異臭に包まれた不潔さを
私はむき出しにしてしまったんだ・・・


風呂場に駆け出し、浴槽に溜めてあった湯を浴びる。反省のような詫びのような・・
家人はこの行動をわかっていながらも食事を続ける。



翌日、この家を出て行くことに決め、七瀬は暇をもらう。
浩一郎と兼子に挨拶をする。
「大家族だからしょうがないね。」(うちの不潔さに耐えかねたから?)
浩一郎は大家族だから仕方がないことを強調しているが、口と心は合っていない。

話しの途中で浩一郎がおならをした。その匂いを嗅ぎながら話す浩一郎と兼子。
どんどん口に出すことと心が同じになっていった。


私が去れば、彼らは以前のように不潔さに慣れ、麻痺していくだろう。
そうしてまた澱は溜まっていく・・・


外に出て深呼吸をし、外の空気を味わう。「さあ!」




なんとも気持ちの悪い回でした。なかなかヘビー・・・
部屋にし染みついた臭いは消せないものなんでしょうか?


こんなので本気を出せば臭いは取れる??






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