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信長のシェフ 第6話 1/2 前編 ネタバレストーリー 玉森裕太 市川猿之助 [信長のシェフ]

信長のシェフ 第6話 姉川の戦いを焼肉で勝利せよ!最凶の敵登場!!
この話は分け書きです。そのうちの1/2 前編。
ネタバレの読み物となっています。

第6話

戦国時代にタイムスリップした俺は、いつの間にやら信長のシェフになっていた。
信長の命令で、敵の浅井家にスパイとして潜入した俺だったが
ほどなく正体を見破られ、あえなく投獄。

信長の妹:お市の助けでどうにか脱出したものの
その帰り道、背後から切っ先が首元に伸びてきた。



「ついに、姉川の戦が始まったようですよ。」
顕如(けんにょ 市川猿之助)が側で控える女性に話しかける。

「さようでございますか。木苺ソースのパンナコッタでございます。」

この戦国時代ではない言葉を話す女性・・
顕如は満足げな顔をして女性を見つめていた。


後ろからケン(玉森裕太)を狙っていたのは楓(芦名星)
敵だと思い斬ろうとしたが、見覚えのある変な髪型をしていることに気づき
斬るのをやめた。

楓はケンを探しに来て、陣よりそう遠くない地点でケンを見つけた。
夏との約束を果たしたいだけなのか?
自分だけ逃げてきた負い目か?よくわからない・・
ともかく早く陣に戻らなければ危険だった。

戦いはすでに始まっている・・2人は急いで山を駆け下りた。


怪しい気配を感じた楓が足を止めた。
ケンも楓から発するピリピリした雰囲気を感じ取り、
辺りを見回して安全を確認する。

上部にばかり気を取られていたケンは
足元に張られていた紐に、足を取られてしまった。
と同時に、鍬が飛んでくる!
ケンの方を目がけて鍬が飛ぶのを見た楓は、とっさにかばった。
楓の右足のひざあたりに鍬は飛び、鋭く斬りつけた。

「ははははは!!」
7人ほどのグループで行動している山賊が出てきた。
負傷したくノ一と、戦いの役に立ちそうにもない男の2人。
くノ一は慰みものとし、男の方はさっさと処分しようと決めた。
ケンに斬りかかる山賊を、はねのける楓。

「ケン、お主だけでも逃げろ!!早くしろ!!!」

立っているのもやっとなほどのキズを受けながら、
懸命に戦う楓の姿を見て、逃げ出すなどできはしなかった。

落ちていた棒きれを拾い、敵に囲まれている楓の所に戻った。
見るからに剣術ができそうにないケンを、山賊たちは見くびり、
少し適当に斬りかかる。

あてずっぽうに棒きれを振り回すと、山賊の一人にヒット!
思いがけずに倒すことができた。

倒れ込んだ山賊を斬り殺すようにと、楓はケンに刀を差し出す。
だが、ケンは人を斬れなかった。

流れは楓とケンの方に変わりかけたが、その流れを山賊たちに持って行かれた。
不利な状況となり、楓はやけくそで斬りまくった。
山賊を2人斬り殺すと、山賊たちは楓の本気度を見て腰が引け、
蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。



姉川では、戦いの火ぶたを切った徳川軍と朝倉軍に続き、
ついに、浅井軍が攻撃を開始した。


「浅井軍が攻めて参りました!」
木下藤吉郎秀吉(ゴリ)から知らせを受け、
織田信長(及川光博)は迎え撃つように指示を出した。

「さらばだ、義弟よ・・・」
信長はつぶやくように長政に別れの挨拶をした。


「ひるむな!!行け!!!!」秀吉が浅井軍目がけて攻撃を開始した。



楓はさっきの戦いで、足に負担がかかりすぎた。立っているのもやっとだ・・
それでも陣に戻ろうと、動かない足を引きずりながら歩いた。
無理がたたり、藪の中に倒れ込んで気絶をしてしまった。
手を借りることを嫌がる楓はケンの助けを借りなかった。

気を失った姿を見て、動かない楓を背負うと ケンは先を急いだ。



一陣、二陣は突破され、織田軍が浅井軍に押されていた。
森可成(宇梶剛士)と秀吉は力を合わせて戦っていたが、見るからに形勢は不利だった。


姉川の合戦において浅井軍の勢いは凄まじく、
それは、織田軍本陣の信長にまで迫る勢いだった。


寝かされた楓は、夢の中で家の焦げるにおいを感じた。
この臭いは嫌いだ・・・思い出したくないことを思い出してしまう・・・・

「楓さん、楓さん・・」
意識を取り戻したように見えた楓をケンが起こす。
その声に導かれるように目を覚ました。

誰もいなくなった村の中の一軒で、軒を借りていた2人。
ケンは家に置きっぱなしの食材を使って「シジミと葱の味噌おじや」を作った。

まずは食事をして体力を蓄えないと、先には進めない。
ケンはおじやを椀によそい入れ、楓に渡す。

おじやをまじまじと眺め、一口運んだ。
「温かい・・・・こんなに温かい物を食べたのは、いつ以来だろう・・・」

楓がふと漏らした言葉を、ケンは嬉しそうに聞いた。
何も語らなくても、美味しそうに食べてくれるだけで十分だった。






「ケン、おぬし自分の身元を知らぬというのは本当か?」
食後の休憩を取っている時に、楓は今まで聞いてみたかったことを問いかけた。

「料理のことは、こんなにはっきりと覚えているのに・・
親や兄弟、親しかった人のことは何も・・・」

楓に話をしながら、ケンの頭の中は 以前見た厨房のシーンが浮かんでいた。
自分が料理の指示を出しながら、一人の女性の名を呼んだ。

「ようこ、デセールを頼む!」(デセールとは、デザート用のビスケットのこと)

今回は、この“ようこ”と呼ぶ女性の顔まで脳裏に映し出された。
その顔は、今まで見ていた女性と同じ・・・

ようこと呼んだ女性は、自分と同じ料理人なんだ・・・
もっと思い出そうとするが、
突然話しを止めたケンがぼんやりしていることに気づいた楓が声をかけてきた。
呼ばれたことに気を取られ、それ以上は思い出せなかった。


「本当に何も覚えてないんです・・誰のことも・・・・」
「その方が幸せかもしれないな・・・」
楓は誰にも話したことのない、子供の時の話を始めた。


今から10年前、戦で親が目の前で殺されて焼かれた。
両親の亡骸を前にして泣くしかできない楓に
赤い甲冑を身に付けた人が声をかけてきた。

「わっぱ、強くなりたいか?」
「助けてくれるの?」
「戦わぬものはいらぬ。
よいか、己の人生を人に委ねるな!己で立ち、己で選び、己で開け!」

人生の指針ともいえる言葉を残し、その場を立ち去ろうとする。
楓は思わず呼び止めた。

「待って!!連れてって!!!」

その時に決めた、自分の足で歩き続けると。
その歩みを止めるときは、死ぬときなのだと・・・

その赤い甲冑を身につけていた人こそ、織田信長だった。


話しをしながらうなだれる楓を見て、ケンは思わず髪を撫でた。
「あなたがそう願うなら、たとえ両足が折れていても俺は止めません。
でも、あなたの行きたい方向に肩を貸すぐらいならいいでしょう?」

ケンは楓の前に立ち、手を差し出した。
おとなしくケンの手を握り、支えてもらいながら歩き出す。
足を引きずりながら、右手はケンの肩を抱いていて
ケンの左手が、自分の腰を持って支えてくれていることに気づいた。
支えられている安心感に初めて包まれ、ケンという「男」を初めて意識した。



たどり着いた場所は、戦の真っただ中。
ケンは戦いの少し外れた所で負傷兵を介護する者を見つけた。

「・・・?夏さん??」
「ケン!!よかった・・・無事だったんだな。おかえり・・」
ケンの姿を見た夏は、ケンの所まで走り抱きついた。


この状況を見て、信長軍が劣勢なのは火を見るより明らかだった。
(こんな光景を、俺はあと何度見るハメになるのだろう・・・)
辺りを見回して茫然と考えてしまった。

「ケン、信長様への御報告が先だ!」楓の声で我に返る。




「遅いわ!何をぐずぐずしておった!!」
戻って来たケンに開口一番怒鳴りつける信長。

「ケン、さっそく仕事に取り掛かれ!」
「は??」あまりにも突然のことで、信長の言う意味がわからない。

今すぐ「浅井・朝倉軍に食わす料理を作る」
敵に料理を作れと言っているのか??意図が読めない・・


「やつらの大半は普段は農民の地侍だ。農民好みの味付けにしてやるがいい。」
この言葉を聞き、信長の意図が読めた。
(こんな戦、一刻も早く終わらせてやる。俺の料理で・・)
「分かりました。」ケンは決意を固めた。



豊臣秀吉(ゴリ)と森可成(宇梶剛士)は苦戦を強いられていた。
なかなか戦の流れが織田軍に向かない。
一縷の望みは“お館様がケンに策を授けた”こと。
ケンが敵城から戻ってきた!それだけでも奇跡といえるできごとだ・・
首尾よくいけば、流れがこちらに変わるかもしれない・・

それまでの辛抱だとわかるだけでも力が湧いてきた。



川岸で大鍋に火をかけ、イノシシやシカをさばく。
肉も内臓も全部、食べられる部位は一口大に切っていく。
それを味噌の上澄みと混ぜ合わせ、下味をつけた。


じりじりと信長は追いつめられていた。
本陣のすぐそこにまで敵が進軍し、家臣たちが撤退を進言する。
ケンに最後の望みをかけた信長は、動こうともしなかった。



大なべが熱せられた。風が吹いていないが、もう時間はない・・
「配置について!調理開始!!」

ケンの指示で、肉が大鍋に投入された。
(あとは、風が吹けば・・・)



家臣たちの声を遮り、目を閉じてじっと待つ。
風が信長の頬を撫でて行った。

「風が来る・・
さあケンよ、浅井・朝倉の兵共にたっぷり食わせてやるがいい!!!」


肉の焼ける香ばしいニオイが、浅井・朝倉軍の方へ風に乗って流れていく・・

焼き肉の匂いを戦場に届ける。
それは異常な状況の戦場だからこその策だった。
職業軍人で構成された織田軍に比べ、浅井・朝倉軍の大半は農民。
今はアドレナリンが放出され、気持ちがマヒしているかもしれないが
実際は平常心で戦いは出来ない。
農耕用の牛や馬を食べることを禁じられていた農民たちにとって
田畑を荒らす害獣のイノシシやシカはごちそうだったはず。

その肉の焼けるニオイを嗅ぐと、日常の匂いだと感じて我に返る。
我に返った途端 痛みが体を縛り、恐怖は心を縛る。

そうなってしまうと、戦意喪失して動けない・・



我に返った兵は敵の内に入らない。
秀吉が刀を構えただけで、怯えて後ずさりしていった。

「皆の者!ここが攻め時じゃ!!」
流れが織田軍に傾いた。秀吉は大声で兵士たちを鼓舞する。

こんなにうまくいくとは思っていなかった。
少しの戦力を削ぐつもりだったが、敵は戦う意思を失くしている。
状況にぴったりハマった策に、信長の笑いが止まらない。

対岸で陣を構える浅井長政(河相我聞)の耳にまで、
信長の高笑いは響き渡った。


雌雄は決した。信長は戦いの最中に鎧を脱いだ。
「お館様!!援軍が参りました!」
敵が戦意喪失しているところを、織田の援軍が蹴散らしていく。


長政の所に届いたのは、“奇襲を受けた朝倉軍の敗走。”
今の陣は3方とも囲まれてしまった。
このまま留まると、退路も断たれる。

「引け!撤退じゃ!!」長政の一言で戦は終わりを告げた。


ケンの様子を見ていた楓は“心の戦”の怖さを知った。
信長の意図を汲み取り、完璧な形で成し遂げる。
そんなことを出来るのはケンだけだ・・・

「避けられない戦なら、少しでも多くの人が逃げて生き延びて欲しい・・」
ケンの思いは明確だった。



こうして姉川の合戦は、織田・徳川連合軍が勝利をおさめた。
しかし、浅井・朝倉の両氏が完全に力を失ったわけではなく
その後もしばらく抵抗が続くことになる・・



ケンは陣に呼ばれた。中にいるのは信長一人・・

「ケン、市には借りを返してきたか?」
「はい。お市様からは“兄上はさみしがり屋なのでよろしくお願いします”と・・・」
ケンが言葉を言い終わる前に、信長の顔色が変わった。

「うつけ!誰かが聞いていたら斬り捨てておるところじゃ!!下がれ!」

怒られて慌てて立ち去ろうとしたら、幕の近くで呼び止められた。

「ケン、よくぞ戻った。褒美として家と農地を与えてやろう。」
ケンは信長に認められたことが嬉しかった。思わず大きく礼をする。


この話は分け書きです。そのうちの1/2 前編でした。
後編へ続きます。


楓の過去が少しずつ出てきましたね。
出会った相手が信長でなければくノ一じゃなかったかもしれません。
戦乱の世で生きる女は大変です。

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やっぱり焼き肉!!






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