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信長のシェフ 第3話 1/2 前編 あらすじネタバレ 玉森裕太 及川光博 信長 [信長のシェフ]

信長のシェフ 第3話 「テリヤキの乱!!将軍vs平成のシェフ」
この話は分け書きしています。そのうちの1/2 前編です。

ある日、目が覚めると戦国時代にタイムスリップしていた。
おまけに、俺に残されていた記憶は
自分の暮らした平成の風景と、料理の知識。
そんな俺の脳裏によぎる謎の女性・・・

俺はいったい何者で、こんなとこで何をしてる?

いつの間にやら俺は、信長のシェフになっていた・・・

俺は生き抜いてやる、料理という武器で。
いざ参らん、戦国のキュイジーヌ!



ケン(玉森裕太)は大鍋を使ってごはん料理を作っていた。
せっかくのエビやアサリをご飯と一緒に混ぜ込む料理を
夏(志田未来)は嘆いていた。

ご飯もエビもアサリも混ぜてぐちゃぐちゃな料理。
夏は試食を頼まれても、なかなか箸が進まない。
おそるおそる口に入れる。

「うめぇ!!これ、何ていう料理?」
「“海の幸のリゾット”」

永禄12年、伊勢の北畠家との和睦に成功した織田信長は
その基を、今の三重県津に位置する上野に陣を取っていた。



「此度の伊勢一国の褒美じゃ。たらふく食え。」

織田信長(及川光博)は武将を集め、食事を振る舞った。
信長と一緒に食事ができることに、喜びを隠せずにいるが、
飯椀の中に入っているぐちゃぐちゃのごはんを見て、
箸を付ける者はいない。

「有り難くちょうだいいたします。」
日頃からケンに信頼を置いている森可成(宇梶剛士)は
臆することなく一口運んだ。

「ほぉ・・これは美味!味わったことのない馳走でございます。」
可成に負けず、木下藤吉郎秀吉(ゴリ)も一口食べた。

2人の様子を見ていた他の者も一斉に口に運び、感嘆の声をあげる。

「これは今後の進軍の活力になりますな。」
まだ戦うつもりにしていた可成。

「いや、軍勢はここで撤収じゃ。
おぬしたちは国に帰陣し、休息を取るがいい。

わしは、事の次第を将軍:足利義昭に報告するため、京へ向かう。」



天下統一をもくろむ織田信長にとって、
室町幕府第15第将軍:足利義昭は、目の上のコブ。
信長としては、早めに義昭の動きを封じ込めておきたかった。


「お待ちください!
お館さまと馬廻衆(うままわりしゅう)だけで京に向かわれるおつもりですか?」
可成が信長の身を案じて口を挟んだ。


織田信長の馬廻衆は、
小姓と並んで土豪の次男・三男などから編成され、信長の側近として活躍した。
信長の馬廻・小姓の精鋭は赤・黒二色の母衣衆に抜擢され、
そこから部隊の指揮官に昇進した例も多い。



「そうじゃ。それと、ケンを連れて行く。」
「ケンをお連れになるならば、わしも!」
戦いになると役に立たないケンを連れて行くという信長に、秀吉が噛みついた。

「たわけ!おぬしはまず、足のキズを癒しておけ。」
適材適所を心得ている信長は、今は出番でない秀吉を休ませたかった。

そう、ケンのナベに救われた命・・・
ケンがナベで弓をかばってくれなければ、今ここにはいない・・・
秀吉はパエリアの入ったナベに礼の挨拶を述べた。


「わたくしも、お供させてください!」可成は土下座して信長に懇願した。
「北畠家は、将軍足利家と並ぶ名門。
お館さまは北畠家を打ち破り、将軍の許可も得ず伊勢を平定なされた。
将軍の怒りを買われたのではないかと・・・・」
「わしもそう思うぞ。」

可成は進言したが、信長も同じように考えていた。
それを承知しての命・・・

「ケン、おぬしを将軍の台所に送り込む。心してかかれ。
可成、おぬしもしっかりとついて参れ。」

可成は共に行くことを許可された。
ケンは将軍の台所と聞いてビビってしまう。



京までの道のりは長く、以前戦い 討ち負かした場所も通らなければいけない。
いつ命が狙われるのかも分からない山道を進みながら

「一つ伺ってもよろしいですか?
可成さんにとって、お館様ってどのような存在なのですか?」

「どのような??? ・・・・・命の恩人、かな。」



信長は義理の父:斎藤道三が息子の義龍(よしたつ)の謀反になった際、
ただちに援軍に向かったものの、戦況は芳しくなかった。
退却を余儀なくされた。

退却の時しんがりを務めていた可成は、仲間を逃がそうと懸命に戦っていた。
2人に挑まれて戦っている時、背後からも攻められた。

絶体絶命、万事休す・・・4人に囲まれて動けない可成。
トドメの一撃を食らう直前、
ドン!!!
火縄銃が火を吹き、可成は助かった。お館さまが助けてくれた・・・

この行為で虚を突かれた敵は戦いを忘れ、
その隙に可成が一気に叩きのめした。


「お館さま!なぜお戻りに?」
「たわけ!こんなところで犬死してどうする?
可成、しっかりとついて来い。さすればおぬしに世界を見せてやろう。」
この言葉を聞いて、命を捧げようと心に誓った。





京 二条城


この日、ついに信長は上洛。
第15代将軍:足利義昭(正名僕蔵)に謁見すべく御所に入った。

信長は身支度を整え、拝謁に向かった。
此度の信長の一件は、すでに将軍の耳にも入っていた。

「伊勢に勝手に攻め入るとは あきれたのう。
次からは、余に了承を得てから動くんじゃぞ。」
柔らかい口調で話すが、かなり立腹している様子。

「心の隅にでも留めておきましょう。」
義昭の心の内が透けて見え、信長は鼻で笑った。


従うどころか、将軍の言葉をこころの“隅”に留めると
鼻で笑って いけしゃーしゃーと答えた信長を見ていると
怒りがふつふつと沸き出してきた。

「赦して差し上げよう。余は心が広いじゃろう。」
将軍としての器を見せつけるため、怒りをぐっとこらえて
許しの言葉を与えた。


「して、此度の宴はその方の料理人が作ると聞いたが?」
「はい。本膳料理をお出しします。」

奥で控えていたケンは、信長が“本膳料理”と言ったことに驚いた。


本膳料理とは
武家の儀式用の食事であり、一汁三菜が基本。
その流れは、現在の日本料理へと受け継がれている。


「御所の本膳料理を超えるものをお出ししましょう。」
自信満々に信長は答えた。

「超える・・とな。それは楽しみじゃのう。」
超えられるわけがないことは明白。
田舎者の言い出すことには困りもの・・・
義昭は、今にも笑い出したい気持ちを必死に堪えた。



「よいかケン、将軍は御所の料理が天下一だと思い込んでおる。
将軍が未だ食したことがない“京の都らしい”料理を作れ。」

謁見を終えた信長は、ケンに指示を出した。
いつもなら何も言わない信長が、わざわざ指示を出してきた。
これまでと違う緊張感に襲われた。


「将軍はご立腹だ。
お館さまはお前の料理で、お怒りを鎮めるつもりかもしれん・・」
信長の意図を可成がそっと説明してくれた。



「本膳料理を超えるとは、また大見得を切ってくれたものよのう。」
自分たちが日本一だと自負している料理人たちは
調理場に足を踏み入れたとたん、嫌がらせを始めてくる。

ケンと夏は水をぶっかけられ、手荒い歓迎を受けた。

「思いっきりアウェーだな・・・」
将軍の怒りを鎮めて、将軍の食べたことのない京料理を考えることに集中する。

京料理ということは、和のテイストが不可欠。
その上での未知なる味・・・・・
豊富に取り揃えられた食材を見ながら、何を作るべきかを考える。

調味料のチェック。
砂糖、酒、味噌・・・将軍家の台所といえども、欲しい物はない・・

欲しいのは「醤油」この時代ではまだ作られていない・・


「あ、そうか!この時代なら醤油は“未知なる味”となる!!」

味噌も醤油も原材料は同じで、
味噌の上澄みが醤油の原型になったという言われもあった。

「いける!」味噌の上澄みを舐めて確信した。
「醤油が使えるとなると・・・照り焼き!!」

「いざ参らん、戦国のキュイジーヌ!」



出来上がった料理をさっそく運び入れた。
将軍家の料理人は手伝ってくれず、ケンと夏が持ってきた。
将軍は運ばれた膳をチラリと見ると、見たこともない料理があることに気づく。

その様子を観察していた信長。
目を見張る将軍の顔を見て、ケンに料理の説明を促した。

汁「牡丹鱧」 煮物「鯛かぶら」
蒸し物「飛龍頭」焼き物「うずらの葱巻き照り焼き」

「てるやきとな?」
「照り焼きです。艶や光沢の意味の“照り”でございます。」

(中身に自信がないものほど、見た目を飾り立てるものじゃ。)
義昭は、表では喜んで見せ、心の中ではさげすんでいた。

信長が先に照り焼きを食べた。義昭は後に続いて口に入れる。
「まろやか~」
噛みしめるごとに口の中に味が広がり、つい声を出してしまった。


「照り焼き・・こんな料理は見たこともない!みごとじゃ!!
信長殿、この料理人を余にくれ。」

「お断りします。
この者はわしの料理人、お譲りすることはできません。

将軍殿に、井の外の存在を知っていただきたかったのです。
大海というものを・・・

わしの目指す先には大海がある。その道行にこの者は必要なのです。」


「井の中の蛙 大海を知らず」
次の世を見つめる信長にとって、将軍はこの蛙と同じ。
そのことを教えたかったため、ケンに料理を作らせた。
これで十分だと場の空気を読み、さっさと部屋から出て行った。
ケンと夏もその後に続いた。


信長の背中を見ながら、“恥じをかかされた”のだと気付いた義昭。
怒りに打ち震えていた。
「必ず・・必ず余の物にしてみせるぞ!」



「ケン、夏、暇をやる。しばし京で羽を伸ばすがよい。」

信長の言葉にケンは驚くが、可成から「褒美」だと聞かされて納得する。
喜んで夏の家に帰った。
信長は楓(芦名星)を呼び、何かの指示を出した。



家からはいい匂いが漂っている。
村人はその匂いに乗って、夏の家の前に集まってしまった。

そんなことが外で起きているとは知らず、
将軍家で手に入った醤油を使って、ケンは宇治丸(ウナギ)を焼いていた。

料理が出来上がったころ、
夏は奥の部屋から髪を下して、女性用の着物を着て出てきた。


「これはだな、たまには袖を通してやらないと虫が・・・」
気恥ずかしさも手伝って、変な理屈を並べたてるように話す。

「すごく似合ってる。
男装の夏さんも似合っているけど、やっぱりそっちのが何倍も・・・」
「あ~~~~」
これ以上恥ずかしくて聞いていられないと思った夏は
話しを食事の方に向けた。


宇治丸のひつまぶし

美味しくて箸が止まらない。
そんな夏の姿を見ながら、料理の説明をした。

料理のことだけを考えて作り、いつも料理のことで頭がいっぱい・・
ケンはそんな男なのだと改めて感じた。

織田信長に気に入られ、将軍の食べる料理まで作る。
この大出世に、人は変わってしまうもの・・
だが、ケンは違っていた。初めて出会った時と全く変わっていない。

「変わらないよ。」
優しく夏を見つめながらケンはつぶやいた。

「ケンがケンのままでよかった。この幸せがずっと続けばいいのに・・・・」
つい口に出して言ってしまった。
夏は、この穏やかな時間がいつまでも続くことを願った。


その言葉を聞いて、ケンの脳裏にあるビジョンが浮かび上がった。
謎の女性(香椎由宇)がベッドから起きだし、
「おはよう。これ、ありがとう・・・」
髪を耳にかけながら、ダイヤのピアスのお礼を言っている。


(またあの女の人だ。なぜ彼女のことばかり思い出す?
いったい彼女は俺の・・・・
平成の時代を、おれはどう生きていたのだろう。
今よりも穏やかに、幸せに暮らしていたのかもしれない。
だけど俺はこのまま・・・)


ケンは不意に夏の髪に触れた。
「だ、だだだだ・・だめ!火事場の女神は嫉妬深いんだ。
鍛冶を続けるためには、乙女を守らないと・・
・・・・だからまだだめだよ・・」

「あ、いや・・米粒が・・」

気まずい空気が流れる――――
恥ずかしいことを言って居たたまれなくなってしまった。
夏はその場を離れようとして、立ち上がるが
何かにつまずいて転んでしまった。

夏の様子を見て体が反射的に動いたケン。
だが、ケンも何かにつまずいて夏の上にかぶさるように転んでしまった。

至近距離で顔を見合わせて・・
「夏さん・・・俺は・・・・・」


バン! 不意に戸が開けられた。

「おぬしが織田家の料理人か?連れてけ!!!」

はかま姿に帯刀をし、そこそこ身分のあると思われる武士たちが
ケンを連れ去った。


縄で縛られて身動きが取れない状態だが、それほど手荒なことをされてはいない。
それよりも夏のことが気がかりだ。

連れて来られた部屋に誰かがやってきた。

「家来の者が乱暴を働いた用事じゃが、許せ。」
その人は将軍:足利義昭だった。

「おぬしは世の料理人、将軍御付きの料理人になれるのじゃからのう。」
「はぁ?俺を引き抜くためにこんな真似を?」
「もちろん信長よりも褒章は出す。位も与えよう。そうじゃ、家も付けてやろう。」

「夏さんは?彼女はどうしたんですか!!!」
「なんじゃ女か?よし、とびきり上玉を用意してやろう。」

(これが将軍か?人の上に立つ男か??)

あまりのやりように怒りが収まらない。
ケンは義昭を睨み付けるように見据えた。

「どうじゃ、余はもう一度照り焼きを・・」
「断ります。俺はあなたの下に付く気はありません。」
義昭言葉を遮って、ケンは全力で拒否をした。

「今一度言おう。余の料理人になれ!!」

押さえつけられて身動きが取れない状態のケンの脳裏には
なぜか、信長が話していたことが浮かんできた。

「わしの目指す先には大海がある。その道行に、この者は必要なのです。」
「わしも、こんな時代で止まっているわけにはいかんのじゃ。」
「時代を変えるのじゃ。」

なりゆきで信長のシェフをしていたが、
いつの間にか信長に心酔している自分がいたことに気づいた。

「断ります!俺は、信長の料理人だ!!!」


怒り心頭の義昭は、自分の下に付かない者を帰すのはしゃくなので
斬り捨てるように命じる。
ケンは正座をして首を押さえつけられ斬られる寸前・・・


天井から物音がしたと思ったら、ケンを斬りつけようとした刀が弾き飛ばされた。
ひそかに隠れて様子を見ていたのは楓。
ケンの窮地に飛び出し、あっという間に室内を制圧した。


部屋の扉が開くと、騎乗したままの信長がそこにいた。

「浅はかなことだ・・ケンを投げればすぐに食いつく。
将軍にしてやれば天下を取ったと思う。

いい加減おのれは、わしの傀儡であることを悟るがいい!」


「何を言っておるのじゃ。余は将軍じゃぞ!!
余が戦乱を納め、世を平定するのじゃ。」

義昭は信長の気迫に押され、おろおろとうろたえながら反論をする。


「くだらん。肩書だけのおのれに何が出来ようか。
大海を見よ!早くに国を一つにまとめねば、
南蛮や明に追い付けるものも追いつけぬわ。」

南蛮に明・・・
義昭は信長の言いたいことが理解できなかった。


「世界に劣らぬ新しき世を作る。
それができるのは、このわしだけじゃ!!!」

世界・・・義昭の理解の範疇はとっくに超えていた。

「理解出来なければそれでよい。しばしおとなしく座しておれ。」

にやりと笑みを浮かべて、信長は義昭を見た。
あっけにとられたままの義昭は、口が半開きに開いたまま 信長の話を聞いた。
満足な成果を得られたと分かり、信長はその場を離れる。

毒気が抜かれた義昭は、籠を呼びつけ早々に立ち去った。



いつの間にかケンに巻きつけられていた紐が外されていた。
奥の間から夏が走ってくる。ケンは思わず夏を強く抱きしめた。
様子を見ていた楓は、わざと音を立ててヒモを床に落とした。

その音でふと我に返る。
「俺はエサにされたってわけか・・・
将軍を非公式の場に引きずり出すために・・・・」
何が起きたのか?状況は呑み込めた。

「他の者ではなく、私を見張りにつけたのはお前たちの身を案じてのこと。
信長様は、ちゃんとお前たちのことも考えておられる。」
楓はケンたちをフォローするように、わざと信長のことを話した。

(冷酷なのか?優しいのか?本当に分からぬ人だ。)



永禄12年(1569年)大晦日。岐阜城の台所は大忙しだった。
秀吉が陣頭指揮をとり、
各地から新年の挨拶に来る大名たちのための料理を作っていた。

「予定されていた宴の人数が、大幅に上回るということです。
総数200人でございます。」
秀吉に伝令が来て目を丸くした。今作っている料理の倍!

料理は材料を調達すれば間に合うが、器が足りなかった。
このままではお館様の顔に泥を塗ることになる・・・
秀吉は悲壮感を漂わせていた。

宴を成し遂げるか、切腹するか、選択肢は2つしかなかった。


信長のシェフ 第2話 2/2 後編へと続きます。


大なべを見たときからパエリアが浮かんでいましたが
ここで登場しました。
あそこまで多量に作るのは大変な火力でしょうね。

秀吉よりも可成の方が気に入っているのかしら信長・・・


バーベキューに連れて行ってください。
最高に盛り上がりますよ!
(材料は仕込んで持っていき、焼くだけの方が楽です。
アルミホイルでフタをすれば飛び散りません。)

今年は味噌を作ってみませんか?
出来上がりを使った味噌汁は格別です。






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