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ドラゴン青年団 STAGE.9 第9話 嘆きの自宅 ネタバレ ユースケ・サンタマリア [ドラゴン青年団]

ドラゴン青年団 STAGE.9 第9話 嘆きの自宅

小さい頃、世界の主人公だった。
そして今、俺は再び世界の主人公になった。

ドラゴンスレイヤーを、適当気分でコンクリ山から引き抜いた
団長(ユースケ・サンタマリア)がナレーション読みまではじめていた。


STAGE.9 嘆きの自宅

「みなさん、お気づきではないでしょうか?
東京タワーに巻きついているドラゴン、あれはヤバいんですよ。
世界は今、未曽有の危機に瀕しているんです。

いいですか!世界を救えるのは、我々“ドラゴン青年団”を置いて他にない!!
我々はそのことを強く伝えたい!!!」

光山町のピカっとテレビに出演中の団長。
喫茶“チロル”で、ケンジ(遠藤要)とタモツ(本多力)があきれながら番組を見ていた。
ドラゴンの放送もめっきりと減り、
息巻いている団長だけがドラゴン話をしている。


「嫌な主人公、できちゃったなぁ・・・・」

横から手柄をかっさらうように出てきた団長が、
なんだか鬱陶しくて暑苦しい。
ここにきて主人公が交代することが、
そもそもありえないし、考えたくない出来事だった。

ケンジとタモツは団長が名づけた「ドラゴン青年団」がダサくて気に入らなかった。


ヨーコ(蓮佛美沙子)は団長がドラゴンスレイヤーを抜いてから
ドラゴンのことはどうでもよくなっていた。
今一番しなければいけないのは“ピッカリエ”

団長はドラゴンにかかりきりで、放ったらかしになっているのが心配だった。
今まで口を開けば“ピッカリエ”だったのに
今晩の飾りつけをする気は無くなっているようだ。


ドラゴンスレイヤーの手柄を団長が持って行ってから、
ヨシオ(安田章大)の姿を見た者はいなかった。
心配してはいるが、どんな顔をして会えばいいのかわからずに
ズルズルと日が過ぎてしまった。






「よっ!!何か久しぶりだな!」ヨシオが“チロル”にやってきた。

ケンジとタモツはヨシオの顔を見て、
“どんな顔して合えばいいのかわからない顔”をして面食らっていた。

ヨシオはもう吹っ切れたのだろうか?直接ヨシオに聞いてみた。
率直に聞き過ぎで、オブラートに話しを包めていなかった。
そんな二人のことを笑いながら

「俺も落ち込んだよ。だけどしょうがねぇじゃん。
確かに俺は光の戦士じゃなかったけど、俺は俺何だからさ。

ていうかさ、ダサくねぇ?」

引っ越してきたのに忘れていたし、血はひいていない。
これはネタにして笑い飛ばすしかなかった。

「ヨシオ・・・それは、ダサい。」

ケンジの言葉から笑いが込み上げてきた。
お風呂屋のタイル絵の地図をラミネート加工したこともダサいし、
家で、剣を引き抜く練習をしたこともダサい。

落ち着かない変な空気の中、ダサ話をしながら何とか話を繋いでいた。



「疲れた!お前ら、疲れたことある?」
団長が青年団を引き連れて“チロル”に入ってきた。

団長はヨシオを見つける。
「悪いなぁ・・なんか俺だけ引っ張りだこになっちゃって。
ドラゴンスレイヤーがぬけちゃうんだもん。嫌になっちゃうよ。」
口では謝っているものの、ちょっと得意げ。

今日来たのは、光の戦士たちにハッピを手渡すため。
ドラゴンを倒しに行くときに、私服ではサマにならない。
統一ユニフォームってところ・・・

「明日これ着て、ドラゴン倒しに行くから!」
「・・・・・・ん?あした!!!!」

唐突に期限を切られたので。心の準備ができていないが、
地元のTVが密着で追いかけてくれることが決まり、
勢いでドラゴン倒しに行く方向になっていた。


ドラゴン倒しに行くことに興味がなくなったヨーコ
袋に入ったままのハッピを、フリスビーのように外に投げた。

「行くんなら勝手に行ってください。私はピッカリエをやりますから!!」

ヨーコが行かないとクリスタルを操る戦士がいなくなる。
団長は懸命に説得するが、ヨーコはかたくなに断った。


「ヨシオ、頼みがある。お前にピッカリエを支えて欲しい。
お前は青年団としての器量がある。一緒にこの町を盛り上げていこうぜ!!」

団長はピッカリエをヨシオに丸投げした。
意外なほどあっさりと、ヨシオは申し出を受けた。

「私はやっぱり行かないです。私はピッカリエのキャンペーンガールですから!」
ヨーコはかたくなに断り続ける・・



奥の扉が開くと、
白のスーツを着たユカ(新木優子)がキャンペーンガールとして出てきた。
ヨーコの知らない間に、キャンペーンガールの座を妹のものになっていた。
驚いたものの、ユカのやる気をヨーコは認めた。

今夜、壮行会が“チロル”で行うことを団長に勝手に決められていた。
店の売り上げがかかっていることもあり、ヨーコは壮行会の準備をすることにした。

ケンジとタモツは壮行会の準備のための買い出し。
ヨシオは家での飲み物などを買った。
分かれ道で、ヨシオは家の方に向かって歩く。

簡単に、いつもの「じゃあな」を言って・・



「本日は、我々ドラゴン青年団 かくも盛大にお引き立ていただき
誠にありがとうございます。
我が光山町の、更なる発展を祝して・・乾杯!」

TV中継されたドラゴン青年団の壮行会が始まった。
3人は、おずおずとグラスを掲げる。

「よぉし、じゃんじゃん飲もうぜ!ドラゴンは酒に弱いという伝説もあるんだから!」
団長は最初っから飛ばしていた。
マイクを離さずにずっと話し続ける。


ヨシオは家に帰り、自分の部屋で 買って帰ってきたビールを一口飲んだ。
机には、ドラゴン退治を終えてからのインタビュー用に書いた
“光の戦士名言集”と題したノートが広げられていた。

何のためらいもなく、ノートをゴミ箱に入れる。
光の戦士との決別・・・

この持て余した感情をゲームにぶつけようと思い、TVの電源を入れた。
電気が入ったと同時に映った映像は、ドラゴン青年団の壮行会・・
見たくなかったのに、偶然見てしまった・・・


そこでは、団長が持つドラゴンスレイヤーに
ヨーコ・ケンジ・タモツがクリスタルのパワーを注入していた。
見ていられなくなり、急いで入力切替をする。

始めたゲームは「DRAGONS DOGMA」
家でくすぶっていたときにしていたままだった。

プレイヤーを走らせる。前には城の低い塀があった。
そこからは、城下町が一望できた。
この城下町が、風のクリスタルを取りに言った時に団地の屋上から見た景色に思えた。

なるべく思い出さないようにプレイヤーを更に走らせる。
森を駆け上がっていた。
この感じは、大地のクリスタルを取りに言った時
タモツが長打を打ち、3塁からみんなで走ったときを思い出させた。

まだ先にプレイヤーを走らせ、塀からジャンプしてショートカットをした。
このジャンプの感じは、水のクリスタルを取りに言った時に
タモツがプールに飛び込んだ感じに似ていた。

相手を斬って、斬って、斬って斬りまくる。
でも、頭の中に浮かぶのは

色んなことで馬鹿笑いしたり、
色んな事で驚いたり、
色んなことに一生懸命になったり・・

3人でクリスタル探しに奔走していた日々だった・・・

自分だけが仲間でいられない・・・やるせない気持ちで一杯だった。
ベッドで枕を叩きつけ、怒りを消化させようとしていたが
振動で、上の棚から箱が落ちてきた。

それは子供の時に遊びで使っていた段ボールで作られた鎧と剣だった。

小さい頃は、世界の主人公だった。
そして今、僕は世界の主人公になった。

子供の頃の鎧と剣を身に着け、“チロル”に押し掛けた。

「みなさん騙されちゃダメです。こいつは、闇からの死者です。
光の戦士は僕なんです。僕が、世界の主人公なんです。」

駆けこむなり、団長を指さして真顔で話しをして
段ボールでできた剣は光を放ち、団長を斬る!

みんなはヨシオを光の戦士と認めた・・・・


これは全部ヨシオの妄想。
段ボールでできた鎧と剣を身に着けたことで浮かんだ、自分の求めていた未来だった。


部屋の障子が叩かれ、慌てて鎧を脱ぎ捨てた。
部屋に来たのはヨーコ・・
心配で見に来たが、恥ずかしかったので カズキに言われたからだとウソをついた。

「何て言って良いかわかんないけど、
私だって、行きたくないのに行くんだから
あんただって、早く立ち直りなよ。

あんたには、あんたにしか出来ないことがあるんだから・・」


ヨーコはヨシオの左ほほに右手を添えた。
「元気があれば、何でもできる!」猪木の闘魂注入を再現した。

突然頬を叩かれて面食らったヨシオに
「お土産なにがいい?」
「・・・・・・雷おこし・・・」
「了解!」

あっさりとした感じで帰って行った。
慰めてもらえると思っていたのに裏切られた気分・・・
おかげで目が覚めた。部屋の隅で埃をかぶっているギターが目に付く。


ギターを持って、今日の営業を終えた花やの前に陣取った。

「みなさん、聞いて下さい。
俺は、つい こないだまで世界の主人公でした。
今は、世界の主人公ってことじゃないかもですけど、
俺ようやくわかりました。俺にはやっぱりコレしかないんだって!

聞いて下さい。“世界”」

観客一人いない場所で、弾き語りを始めた。
ヨシオの“世界”は力強く、優しさに溢れていた。

一人、また一人と観客が増えてくる。
こんなにたくさんの人に囲まれて歌を歌うことは初めてだった。

「ありがとうございます。
俺、嬉しいです。こういうこと今までなかったから・・・」
胸に熱い物が込み上げ、今にも泣きだしそうなほど感動していた。


「あ、あのぅ・・・いつ始めるんですか?」
電飾コードの束を入れた箱を抱えた女性がヨシオに問う。

「・・・・ピッカリエ??」
ヨシオはすっかり忘れていた。ピッカリエの準備は今日だ!
ヨシオの歌を聞いてくれたのではなく、ピッカリエの指示が欲しかったからだった。

クリスタルを探すために知り合いになった町の人が、自分の指示を待っている。
消防団の叔父さんや、町内会長、婦人会会長・・・・
町で行われる行事に参加したのはクリスタルのためだった。
けど、そのおかげでいろんな人と顔見知りになっていた。

今自分に出来ること・・・ピッカリエ
ポケットにねじ込んでいた、団長からもらったメモには人員配置が書かれていた。
ヨシオは手際よく指示を出す。



団長は酔っぱらっても、グダグダと話し続けていた。
ケンジとタモツはヨシオがうまくやれているのかが心配だった。
前日に突然丸投げされても、上手く指揮を取れるかはわからない。

団長の話はTV局の人が聞いていて、
この場に来た青年団のみんなは、隅で話をしていた。

「ビビることに、実は俺も光の戦士なんだ。
何か、言うに言えなかったんだけど・・」
Tシャツの左袖をめくり、紋章を見せた。

別の2人もTシャツの袖をめくると、紋章があった。

・・ん??
光山町で産まれた子供は、かなりの確率で紋章が刻まれている!?!?
団長はすぐさま 青年団で紋章を持つものを光の戦士として任命した。

ケンジとタモツはここでお払い箱になった。



「お!やってんね!!」
ヨシオの所にケンジとタモツがやってきた。

「俺ら、光の戦士じゃなくなったんだ。
てなわけで、俺たちもこの町に残ることにした。」

光の戦士は誰にでもなれるけど、ピッカリエの電飾はケンジが居ないと始まらない。

タモツは、ピッカリエ公式キャラクター“ライトくん”に入ることを
ずいぶん前に命じられていた。

2人が町に残る理由はここにあった。

ヨーコは3人揃った姿を見て嬉しく思い、
歌を忘れていないヨシオを見れて ちょっぴりうれしい。


次の日、マイクロバスは東京を目指して走り出した。
元光の戦士メンバーは、大きく手を振り見送った。


こうして僕はこの世界の主人公から、光山町の青年団の一員になった。
朝の光は、走り去るマイクロバスと、新しい僕を照らしていた。


いつも通り“チロル”で朝からTVを見ていた。
TVから臨時ニュースが流れる。

「途中ですが臨時ニュースをお伝えします。
先ほどドラゴンに動きがありました。
ドラゴンは、突如西の空に飛び立っていきました。

ドラゴンは今、東海方面に移動中です。

To Be Continued・・・



ヨシオはようやく乗り越えられたように思います。
自分を励まし心配してくれる最高の仲間とともに
ピッカリエは成功するのか!?

安田くんの歌う「世界」
すごくぴったりでいい歌ですね。
この歌、単体で聞いてみたいです。

弾き語りにチャレンジ!?


超笑顔の安田くん!




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